クレジットカードを滞納するとどうなる?いつ何が起きるかを時系列で解説

債務整理の基礎知識

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

・「1日でも支払いが遅れたら、ブラックリストに載る」

・「滞納したら、ある日突然すべて一括請求される」

こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?

しかし、これは誤解です。CICが「異動」と表示するのは「返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」等に該当した場合で、1日の遅れで即座に付くものではありません(CIC公表の定義)。

とはいえ、遅れた事実そのものは信用情報に記録されていき、放置すれば督促・一括請求・差押えへと段階が進んでいくのも事実です。

本記事では、支払いが遅れた日から何が、どの順番で起きるのかを、公的機関と信用情報機関が公表している定義と法律の条文だけで時系列に紹介します。

現在すでに支払いが遅れて不安になっている人はもちろんのこと、これから滞納しそうで先に流れを知っておきたいという人も、滞納の時系列についてしっかりと理解しておきましょう。

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相談者

1日遅れただけで、もう「ブラックリスト」に載ってしまったんでしょうか……。

あかり

落ち着いて大丈夫です。まず、CIC(信用情報機関)が公表している「異動」の定義を一緒に確認しましょう。1日の遅れですぐ載るものではありません。

相談者

でも、放っておいたらまずいんですよね?

あかり

はい、そこは正直にお伝えします。段階は進みます。ただ、どの段で何が起きるかが決まっているので、いま自分がどこにいるかは判定できます。

🔎 30秒でわかる結論

  • 1日遅れ=即「ブラック」ではない。CICで「異動」と表示されるのは「返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」等に該当した場合(CIC公表の定義)
  • ただし遅れた事実そのもの(入金状況)は毎月記録されていく。CICの開示報告書では入金状況が24ヵ月分表示され、未入金は「A」の記号で残る
  • 分割払い・リボ払いは、20日以上の期間を定めた書面の催告なしに、いきなり一括請求・契約解除はできない(割賦販売法30条の2の4/これに反する特約は無効)
  • 一方で翌月一括払い(マンスリークリア)はこの規定の対象外=扱いはカードの規約による
  • 放置が続くと、督促 → 期限の利益の喪失(一括請求)→ 支払督促・訴訟 → 差押えへと段階が進む。差押えでも給料の4分の3は守られる(民事執行法152条1項)
  • 「異動」が付く前と後では、選べる道の数が違う。早い段階ほど、カード会社との話し合いや任意整理など選択肢が残りやすい

📖 この記事でわかること

  • CICの「異動」とは何か(公表されている定義そのまま)
  • 支払いが遅れた日から起きることの時系列(0日〜数年)
  • いきなり一括請求されない理由と、その例外
  • 遅延損害金は年何%まで許されるのか(条文の上限)
  • 「異動」が付いたあと、情報はいつまで残るのか(CIC・JICC・KSC)
  • 差押えまで進んだときに、法律で守られる範囲
  • どの段階で何ができるか(段階別の選択肢)
  • デメリットと、やってはいけないこと

まず前提:CICの「異動」は、いつ付くのか

相談者

「ブラックリスト」って、実際にそういうリストがあるんですか?

あかり

いいえ。CICは「ブラックリストという名のリストはありません」と公式に説明しています。実際にあるのは、契約と支払いの記録です。

クレジットカードやローンの契約・支払い状況は、指定信用情報機関に登録されています。カード会社の多くが加盟しているCIC(株式会社シー・アイ・シー)は、開示報告書の項目の意味を公表しており、その中で「異動」を次のように定義しています。

💡 「異動」の定義(CIC公表)

CICが公表している「異動」の内容(開示報告書「26.返済状況」欄)
・「返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」
・「返済ができなくなり保証契約における保証履行が行われたもの」
・「裁判所が破産を宣告したもの(破産手続開始の決定がされたもの)」
いずれにも該当しない場合は、この欄は空欄です。

つまり、うっかり1日遅れたことが、そのまま「異動」になるわけではありません。ここは多くの人が誤解しているところです。CICは同じ資料で、「異動」に該当した場合には「異動発生日」として「延滞等が発生した日付を表示」するとも説明しています。

💡 ここ、勘違いされがち

ただし「異動が付いていない=何も記録されていない」ではありません。CICの開示報告書には「入金状況」という欄があり、CICの説明では「一番左が最新の状況で、右に進むほど過去にさかのぼり24ヵ月表示」されます。記号の意味も公表されていて、「A」は「お客様の事情でお約束の日に入金がなかった(未入金)」、「P」は「請求額の一部が入金された」です。1回の遅れも、この欄には残ります。

カード会社は、審査のときにこの記録を見ます。ここで大事なのは、信用情報機関は情報を集めて管理・提供する会社であって、審査をしているのは各社だということです。CIC自身、「支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されるのですか?」という質問に対して「当社が保有する信用情報に、ブラックリストという名のリストはありません。保有しているのは、客観的な取引事実を表す信用情報になります」と回答しています。したがって「異動が付いていないから絶対に大丈夫」とも、「Aが1つ付いたから終わり」とも、公的には言えません。

✅ このセクションのまとめ

「異動」はCICの定義では61日以上または3ヵ月以上の支払遅延などに該当したときの表示。1日の遅れで即座に付くものではない。ただし毎月の入金状況は24ヵ月分残り、それをどう評価するかは各社の判断。

万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。

時系列:支払いが遅れた日から、何がどの順で起きるか

相談者

自分が今どのあたりにいるのか知りたいです。

あかり

段階ごとに整理しますね。カード会社によって日数の運用は違うので、法律と公表資料で決まっている部分を軸にお伝えします。

以下の表は、「法律・公表資料で決まっていること」と「各社の運用によること」を分けて並べたものです。請求書の締め日や再引き落としの日程はカード会社ごとに違うため、ここでは日数を断定していません。

段階何が起きるか根拠(決まっていること/各社の運用)
① 支払日を過ぎるカード会社から入金の案内(メール・書面・電話)。カードの利用が止まることがある各社の運用。ただし遅れた事実はCICの「入金状況」に記録されうる
② 遅延損害金が発生遅れた元本に対して、契約で定めた率の遅延損害金が加算されるキャッシング(営業的金銭消費貸借)は年2割超の予定が無効=利息制限法7条1項
③ 書面での催告分割払い・リボ払いでは、20日以上の相当な期間を定めた書面での催告割賦販売法30条の2の4(法律上の要件。反する特約は無効)
④ 期限の利益の喪失
(一括請求)
残りの支払分をまとめて請求される。カードは利用停止・強制解約になることが多い③の催告期間内に支払わないとき。破産手続開始の決定を受けたときは民法137条1号
⑤ 「異動」の登録返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延等に該当すると、CICの返済状況欄に「異動」CIC公表の定義
⑥ 債権回収会社へ移る
/訴訟・支払督促
債権が譲渡される場合がある。裁判所から支払督促や訴状が届くことがある支払督促には督促異議を申し立てられる=民事訴訟法386条2項/送達から2週間以内に申し立てないと仮執行の宣言=391条1項
⑦ 差押え確定判決・仮執行宣言付支払督促などをもとに、給与や預金の差押えが行われる給与は4分の3が差押禁止=民事執行法152条1項/取立ては送達から4週間=155条2項

※日数の運用は各カード会社で異なります。上表の「根拠」欄が法令・公表資料に基づく部分です。

💡 ここ、勘違いされがち

「期限の利益の喪失」は、実は民法の条文に「支払が遅れたとき」とは書かれていません。民法137条が挙げているのは「債務者が破産手続開始の決定を受けたとき」「債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき」「債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき」の3つです。カードの支払遅延を理由とする一括請求は、法律ではなく各社の会員規約(契約)で定められているものだと理解しておくと、届いた書面が何を根拠にしているのかを確認しやすくなります。なお分割払い・リボ払いについては、次に見るとおり割賦販売法が手順を縛っています。

この時系列で押さえてほしいのは、③と④の間、⑤の前に、法律が”時間”を用意しているという点です。次でくわしく見ます。

いきなり一括請求されない理由と、その例外

相談者

分割で買ったパソコンの支払いが遅れています。ある日突然、残り全部払えと言われるんでしょうか。

あかり

分割払い・リボ払いについては、法律に手順の定めがあります。いきなりは請求できません。

割賦販売法30条の2の4は、包括信用購入あっせん(=カードの分割払い・リボ払い)について、支払いの義務が履行されない場合であっても、「二十日以上の相当な期間を定めてその支払を書面……により催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、支払分又は弁済金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない支払分若しくは弁済金の支払を請求することができない」と定めています。

💡 ポイント

しかも同条2項は「前項の規定に反する特約は、無効とする」と定めています。つまり、規約に「遅れたら直ちに一括請求できる」と書いてあっても、この部分については効力がありません。

⚠ ここが分かれ目:一括払いは対象外

ただし、翌月一括払い(いわゆるマンスリークリア)はこの規定の対象外です。割賦販売法2条3項1号は、包括信用購入あっせんの定義から「契約を締結した時から二月を超えない範囲内においてあらかじめ定められた時期までに受領することを除く」としており、買い物の翌月にまとめて払う通常の1回払いは、この法律の包括信用購入あっせんに当たりません。その場合の取扱いは、カードの規約によります。

この違いは、実務上とても大きいものです。同じ「カードの滞納」でも、リボ・分割の残高があるかどうかで、法律上の手順が変わります。自分の利用がどれに当たるかは、明細の「支払区分」で確認できます。

なお、損害賠償の額にも上限があります。割賦販売法30条の3は、損害賠償額の予定や違約金の定めがあるときでも、契約が解除された場合(1項)は「当該契約に係る支払総額に相当する額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額」を、解除されずに支払義務が履行されない場合(2項)はそこから「既に支払われた……支払分の額を控除した額」に法定利率による遅延損害金を加算した金額を、それぞれ超える額の金銭の支払を請求することができないと定めています。

✅ このセクションのまとめ

分割払い・リボ払いは、20日以上の書面催告を経なければ一括請求・解除ができない(割賦販売法30条の2の4、反する特約は無効)。ただし翌月一括払いは同法の包括信用購入あっせんに当たらず、対象外。

リボや分割の返済が苦しくなってきたという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。

遅延損害金は、年何%まで許されるのか

相談者

遅れているあいだ、利息はどんどん増えていくんですよね。

あかり

増えます。ただし、上限を定めた条文があります。まずそこを知っておくと、通知に書かれた金額を自分で検算できます。

カードのキャッシング(お金を借りる利用)は、営業的金銭消費貸借に当たります。利息制限法7条1項は「営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする」と定めています。

また、借入れそのものの利息の上限は利息制限法1条にあり、元本10万円未満は年2割、10万円以上100万円未満は年1割8分、100万円以上は年1割5分を超える部分が無効です。

利用の種類関係する条文上限
キャッシングの利息利息制限法1条元本10万円未満=年2割/10万円以上100万円未満=年1割8分/100万円以上=年1割5分
キャッシングの遅延損害金利息制限法7条1項年2割を超える予定は、超過部分が無効
ショッピング(分割・リボ)の
解除・一括請求時の賠償額
割賦販売法30条の3支払総額に相当する額+法定利率による遅延損害金を超える請求はできない

※実際に適用される率は契約(規約)によります。上表は法律が定める上限の枠組みです。

💡 ここ、勘違いされがち

金額の計算そのものより大事なのは、「増え続ける状態を止めない限り、時間が経つほど不利になる」という構造です。待っていれば減るという性質のものではありません。止められるかどうかは、早く動けるかどうかで決まります。

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「異動」が付いたあと、情報はいつまで残るのか

相談者

もし「異動」が付いてしまったら、一生残るんでしょうか。

あかり

いいえ。各機関が保有期間を公表しています。ただし「起算点がいつか」を勘違いしやすいので、そこを見ましょう。

信用情報機関主に加盟しているところ登録期間(各機関の公表)
CICクレジットカード会社・信販会社などクレジット情報=契約期間中および契約終了後5年間/申込情報=照会日より6ヶ月間/利用記録=利用日より6ヶ月間
JICC消費者金融・信販会社など契約日2019年10月1日以降の契約は、契約内容・返済状況・取引事実とも契約継続中および契約終了後5年以内
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行・信用金庫など取引情報=契約終了日(未完済の場合は完済日)から5年を超えない期間/官報情報=当該決定日から7年を超えない期間

💡 ポイント

見落とされがちなのは、CIC・JICC・KSCのいずれも「契約終了後」「契約終了日(未完済の場合は完済日)から」と書いている点です。つまり、払い終わっていない間は、5年のカウントがそもそも始まりません。「放置して5年待てば消える」という考え方は、この定義と合いません。

この点は、信用情報の開示請求のやり方で実際の手数料や見方をまとめています。自分の情報がいまどう登録されているかは、本人であれば開示請求して確かめられます。

「異動」が登録されて選べる道が狭まるリスクが生じる前に、まずは無料相談で現状を話してみてください。

放置した先にあること(脅しではなく、手続として)

ここから先は、読んでいて気持ちのいい話ではありません。ただ、知らないまま迎えるのがいちばん不利なので、手続としてどう進むかだけ淡々と書きます。

① 裁判所から「支払督促」や訴状が届く

支払督促に対しては、「督促異議」を申し立てることができます(民事訴訟法386条2項)。そして、送達を受けた日から2週間以内に督促異議を申し立てないときは、債権者の申立てにより仮執行の宣言がされます(同391条1項)。つまり実質的に、2週間が最初の期限です。異議を出せば通常の訴訟に移行します(同395条)。仮執行宣言が付いた後にも、さらに2週間の不変期間があります(同393条)。

💡 ここ、勘違いされがち

いちばん不利なのは、届いたものを開封せずに放置することです。期限を過ぎると、争う機会そのものが失われます。内容が分からなくても、封を開けて日付だけは確認してください。

② 給与や預金の差押え

確定判決や仮執行宣言付支払督促などをもとに、差押えが行われることがあります。ただし、すべてを持っていかれるわけではありません。民事執行法152条1項は、給料などの4分の3に相当する部分は差し押さえてはならないと定めています(政令で定める額を超えるときはその額=同法施行令2条1項1号により毎月払いは33万円)。

また、給料などが差し押さえられた場合は、差押命令が債務者に送達された日から4週間を経過するまで、債権者は取立てができません。民事執行法155条1項は取立てを「一週間」を経過したときからと定めていますが、同2項が、152条1項各号に掲げる債権(給料等)などについてこれを「四週間」と読み替えているためです。この4週間は給料等についての特則で、預金の差押えには原則どおり1項の1週間が適用されます。くわしくは給料や銀行口座を差し押さえられたら?でまとめています。

③ 借入先からの取立てには、ルールがある

貸金業者からの取立てには制限があります。貸金業法21条1項9号は、弁護士等に委託した旨(または裁判所の手続をとった旨)の書面による通知があった場合において、正当な理由がないのに弁済を要求し、「これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること」を禁じています。これがいわゆる「受任通知で取立てが止まる」の条文上の根拠です。なお同項1号は、内閣府令で定める時間帯の電話・訪問等を別途禁じています。

そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。

デメリットと、やってはいけないこと

ここまで読んで「では債務整理をすればいいのか」と思われたかもしれません。ただ、債務整理にも必ずデメリットがあります。良いことだけを書く記事を信用しないでください。

起きること内容
信用情報への登録手続の内容に応じて信用情報機関に記録が残ります。CICは契約終了後5年間、JICCは契約終了後5年以内、KSCは取引情報が完済日等から5年を超えない期間、官報情報は決定日から7年を超えない期間
手続中の借入れ・カード利用新たな借入れやクレジットカードの利用・作成は難しくなります
自己破産の場合一定の財産の処分、資格・職業の制限、官報への掲載があります
保証人への影響免責の効力は保証人には及びません(破産法253条2項)。保証人に一括して請求が向かうことがあります
減額の程度どれだけ減るか・そもそも減るかは事案によります。保証されるものではありません

こう並べると重く感じるかもしれませんが、専門家に依頼すれば受任通知で貸金業者からの取立てが止まります(貸金業法21条1項9号)。放置して差押えまで進んでしまうより、早い段階で動くほうが、抱える影響は小さく抑えられます。

まだ選択肢が残りやすい段階

  • 支払日を過ぎたばかりで、まだ催告書が届いていない
  • リボ・分割の残高があり、書面の催告期間内にいる
  • 「異動」の要件(61日以上または3ヵ月以上の支払遅延等)に至っていない
  • 収入があり、条件を変えれば払っていける見込みがある

選べる道が狭まってくる段階

  • 一括請求(期限の利益の喪失)を受けた
  • 債権回収会社に債権が移った
  • 裁判所から支払督促・訴状が届き、期限が迫っている
  • 差押えの手続が始まっている

選べる道が狭まってきたと感じる場合ほど、今の段階で使える方法を無料相談で確認するのが最短です。

⚠ 状況を悪くする3つの行動

やってはいけないこと:①別のカードや借入れで穴を埋める(元本が増えるだけで、状況は必ず悪くなります)②「審査なし」「ブラックOK」をうたう業者に申し込む(危険な理由はこちら)③裁判所からの書類を開けずに置いておく(争う期限が過ぎます)

返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

よくある質問

相談者

細かいところが、まだ気になっていて……。

あかり

どうぞ。よく聞かれるものからお答えしますね。

Q. 1日だけ遅れました。信用情報に何か残りますか?

A. CICが公表している「異動」の定義(返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延等)には当たりません。ただしCICの開示報告書には「入金状況」の欄があり、CICの説明では24ヵ月分が表示されます。未入金は「A」=「お客様の事情でお約束の日に入金がなかった(未入金)」として記号で残ります。その記録をどう評価するかは、CIC自身が説明しているとおり各クレジット会社の判断です。

Q. カード会社に電話して「今月は払えない」と伝えても大丈夫ですか?

A. 連絡すること自体に不利益はありません。再引き落としの日程や支払方法の変更に応じてもらえるかは各社の判断ですが、連絡がつかないまま時間が過ぎる状態がいちばん不利です。なお、支払いの条件を変える合意をした場合、その内容によっては信用情報の「経過状況」に「支払条件変更」等として記録されることがあります(CIC公表の項目説明)。

Q. 滞納したら、すぐに裁判になりますか?

A. 分割払い・リボ払いについては、20日以上の相当な期間を定めた書面の催告を経ずに、解除や期限前の一括請求はできません(割賦販売法30条の2の4)。裁判所の手続はその先の段階です。ただし進む先に支払督促や訴訟があるのは事実で、届いた場合、督促異議の申立てができ(民事訴訟法386条2項)、送達を受けた日から2週間以内に申し立てないと仮執行の宣言がされます(同391条1項)。

Q. 家族に知られずに解決できますか?

A. 「絶対に知られない」と断定できる方法は、公的にはありません。自己破産・個人再生は官報に掲載されますし、裁判所からの書類は自宅に届きます。一方で、手続の選び方や連絡方法の工夫で変わる部分もあります。くわしくは債務整理は家族・会社にばれる?をご覧ください。

Q. 放置していれば時効で消えませんか?

A. 借金は時間の経過だけでは消えず、時効の援用という意思表示が必要です(民法145条)。しかも、一部でも支払うと「承認」に当たり時効が更新されますし(民法152条1項)、裁判上の請求や確定判決があれば期間はさらに延びます。「待っていれば消える」という前提で放置するのは、ほとんどの場合いちばん不利な選択です。(→ 借金の時効は何年?)

Q. もう払えないと分かっている場合は、どうすればいいですか?

A. 公的な無料の相談窓口があります。法テラス、日本貸金業協会、日本クレジットカウンセリング協会など、料金・受付時間が公表されている窓口を借金の相談はどこにすればいい?にまとめています。なお、返済のことで眠れない・気持ちが追い込まれているときは、お金の相談より先によりそいホットライン 0120-279-338(24時間・無料)など、公的な相談窓口を使ってください。

まとめ

クレジットカードの滞納は、ある日突然すべてが決まるようなものではありません。段階があり、それぞれに公表された定義と法律の条文があります。

CICが「異動」と表示するのは、「返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」等に該当したときです。分割払い・リボ払いについては、20日以上の相当な期間を定めた書面の催告を経なければ一括請求も解除もできず、これに反する特約は無効とされています(割賦販売法30条の2の4)。差押えまで進んだ場合でも、給料の4分の3は差押えが禁じられています(民事執行法152条1項)。

つまり、制度は「その間に手を打つこと」を前提に組まれています。逆に言えば、その時間を使わないまま段階だけが進むと、選べる道は狭くなっていきます。いま自分がどの段にいるかを確かめることが、最初の一歩です。

📚 出典(公的機関・法令)を見る
  • CIC「開示報告書の各項目の説明について(表示項目の詳細説明)」(「異動」=返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの/保証履行/破産手続開始の決定/異動発生日/入金状況の記号$P・A「お客様の事情でお約束の日に入金がなかった(未入金)」・一番左が最新の状況で右に進むほど過去にさかのぼり24ヵ月表示/経過状況「支払条件変更」「支払総額変更」/終了状況「法定免責」) https://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijishosai.pdf
  • CIC「CICが保有する信用情報」(クレジット情報の保有期間=契約期間中および契約終了後5年間/申込情報=照会日より6ヶ月間/利用記録=利用日より6ヶ月間) https://www.cic.co.jp/guide/credit-information/possession/
  • CIC「情報開示とは」(信用情報開示報告書で確認できる内容) https://www.cic.co.jp/mydata/report/index.html
  • CIC よくあるご質問「支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されるのですか?」(当社が保有する信用情報に、ブラックリストという名のリストはありません/保有しているのは、客観的な取引事実を表す信用情報になります/信用情報には、お支払いが遅れた場合に、その内容が事実として反映されます) https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002582.html
  • CIC よくあるご質問「CICに登録されている信用情報は、どれくらいの期間登録されているのですか?」(信用情報の種類毎に保有期間を定め、期間経過後には抹消しています) https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002583.html
  • 一般社団法人日本クレジット協会「クレジットの支払いをしないままにしていると、どうなるのか?」(支払いをしないでいると、次のようないくつかのペナルティがあります/支払いの遅滞の程度が著しくなると、消費者はこの利益を失います。つまり、残金を一括して支払わなければならなくなるわけです/クレジット会社は、債権者としての自分の立場を裁判所に訴えて、債務者である消費者の財産を差し押さえして競売し、その配当を支払いに充当する手続を取る場合もあります。これを「強制執行」といいます/支払いを遅滞した事実は、利用しているクレジット会社から、個人信用情報機関に登録されます) https://www.j-credit.or.jp/customer/qa/qa_02.html
  • 国民生活センター「多重債務」(PIO-NET相談件数 2023年度23,633件・2024年度24,648件・2025年度23,937件/相談事例「クレジットカードの支払いができずキャッシングなどで返済している。残高が膨れ上がりこれ以上支払うことができないので相談したい。」) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/saimu.html
  • JICC「信用情報の内容と登録期間」(契約日2019年10月1日以降=契約継続中および契約終了後5年以内) https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration
  • 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター「センターの概要」(取引情報=契約終了日〔未完済の場合は完済日〕から5年を超えない期間/官報情報=当該決定日から7年を超えない期間) https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/about/
  • 割賦販売法 第30条の2の4(契約の解除等の制限=二十日以上の相当な期間を定めてその支払を書面により催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、契約を解除し、又は支払時期の到来していない支払分若しくは弁済金の支払を請求することができない/第2項=前項の規定に反する特約は、無効とする)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159
  • 割賦販売法 第30条の3(契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限=支払総額に相当する額に法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額を請求することができない)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159
  • 割賦販売法 第2条第3項(包括信用購入あっせんの定義=第1号は「契約を締結した時から二月を超えない範囲内においてあらかじめ定められた時期までに受領することを除く」/第2号はリボルビング方式)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159
  • 利息制限法 第1条(利息の制限=10万円未満は年二割・10万円以上100万円未満は年一割八分・100万円以上は年一割五分)・第7条第1項(営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は年二割超が無効)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100
  • 民法 第137条(期限の利益の喪失=破産手続開始の決定を受けたとき等)・第145条(時効の援用)・第152条第1項(承認による時効の更新)・第419条(金銭債務の特則)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
  • 民事訴訟法 第386条第2項(債務者は、支払督促に対し…督促異議の申立てをすることができる)・第391条第1項(債務者が…送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは…仮執行の宣言をしなければならない)・第393条(仮執行宣言後の督促異議=二週間の不変期間)・第395条(督促異議の申立てによる訴訟への移行)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 民事執行法 第152条第1項(給料等の4分の3に相当する部分は差押禁止)・第155条第1項(差押命令の送達から一週間を経過したときは取立てができる)・第155条第2項(152条1項各号の債権等については同項の「一週間」を「四週間」と読み替える)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 民事執行法施行令 第2条第1項第1号(支払期が毎月と定められている場合=三十三万円)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/355CO0000000230
  • 貸金業法 第21条第1項第9号(弁護士等への委託の書面通知後の弁済要求の禁止)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032
  • 破産法 第253条第2項(免責の効力は保証人に及ばない)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
  • 裁判所「支払督促」(債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所は、債権者の申立てにより、支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこれに基づいて強制執行の申立てをすることができます/債務者が支払督促に対し異議を申し立てると、請求額に応じ、地方裁判所又は簡易裁判所の民事訴訟の手続に移行します) https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_22/index.html
  • 法テラス(民事法律扶助・無料法律相談) https://www.houterasu.or.jp/
  • 厚生労働省「まもろうよ こころ」(よりそいホットライン0120-279-338) https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年8月時点)

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