自己破産すると同居の家族はどうなる?実家暮らしで親の通帳・収入の書類は要る?家族に知られる経路と世帯分離の意味、法テラスの収入基準

債務整理の基礎知識

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

・「自己破産すると、同居している家族の通帳まで裁判所に出さないといけない」

・「実家暮らしで自己破産したら、親に迷惑がかかる」

こんな話を聞いて、家族に打ち明けられないまま、自己破産に踏み出せずにいる人も多いのではないでしょうか?

しかし、破産手続は非公開で、家族が債権者でない限り、裁判所から家族あてに通知することはありません(千葉地裁の案内)。家族の通帳や収入の書類をどこまで出すかも、裁判所ごとに違います。同居者の通帳まで求める裁判所がある一方で、確認できた案内に同居者の通帳の指示がない裁判所もあります。

とはいえ、確認できた裁判所の多くが、同居している家族も含めた家計の収支を書かせていて、家族にまったく知られずに進めるのは難しいのも事実です。

本記事では、自己破産で同居の家族に何が起きるか、家族の通帳や収入の書類が要るかの裁判所ごとの違い、家族に知られる経路と世帯分離の意味、法テラスの収入基準と同居家族の関係について紹介します。

実家で親と暮らしている人はもちろんのこと、「配偶者に内緒で自己破産できる?」と迷っている人も、家族に話す前にしっかりと確認しておきましょう。

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相談者

実家で親と暮らしています。自己破産したら、親の通帳まで裁判所に出さないといけないんですか? とても言い出せなくて……。

あかり

親の通帳が要るかどうかは、申し立てる裁判所によって違います。同居している人の通帳の全ページまで求める裁判所もあれば、確認できた案内には同居者の通帳の指示がない裁判所もあります。ただ、確認できた裁判所の多くは、家計の収支を、同居している家族の分も含めて書かせています。

相談者

じゃあ、親にはどうしても知られてしまうんですね……。迷惑もかけそうで。

あかり

裁判所から親御さんに通知がいくことはありません(親御さんが債権者でない場合)。ただ、家計の書類などで知られることは多いです。それでも、親御さんが保証人や一緒に借りた人(連帯債務者)でなければ、あなたの借金を親御さんが代わりに払うことにはなりません。家族に何をお願いする必要があるかは、住んでいる地域の裁判所で決まるので、家族に話す前に弁護士に確かめておくと、話す内容を最小限にできます。

🔎 30秒でわかる結論

  • ★破産手続は非公開。家族が債権者でない限り、裁判所から家族あてに通知はしない(千葉地裁)。ただし氏名や住所は官報に載る
  • ★家族の通帳・収入の書類が要るかは、裁判所ごとに違う。札幌地裁は同居者の給与明細と、同居者名義の全口座の通帳まで。秋田地裁は配偶者・同居親族の課税証明書か源泉徴収票(配偶者は場合により給与明細・通帳も)。千葉・新潟・松江の破産の案内には、同居者の通帳を求める指示が見当たらない
  • ★家計の収支は、同居している家族も含めて書かせる裁判所が多い(確認できた札幌・新潟・松江・高知)
  • ★世帯分離をしても、家計や同居人の欄は実際の同居・家計で書かせる裁判所がある。高知地裁は「住民票が同じでなくても,現実に一緒に住んでいる人」を書かせている
  • ★家族が保証人なら、免責されても家族への請求は残る(破産法253条2項)。保証人や一緒に借りた人でなければ、借金の肩代わりをする立場ではない。戸籍・住民票にも載らない(法テラス)
  • ★法テラスの立替えでは、同居家族の収入も「家計への貢献の範囲で」合算される(民事法律扶助のしおり)

📖 この記事でわかること

  • 自己破産すると、同居の家族に何が起きる?
  • 家族の通帳や収入の書類は要る?(裁判所ごとの違い)
  • 家計収支表は「同居している家族の分」も書く
  • 世帯分離をすれば、家族の書類は要らなくなる?
  • 家族名義の預金や、親の家にある物はどうなる?
  • 家族に知られる経路はどこ?
  • 法テラスの収入基準と、同居家族・実家暮らし
  • 自己破産のデメリットと、それでも今動く理由
  • 今の状況ごとに、最短でやること

自己破産すると、同居の家族に何が起きる?

相談者

自己破産したら、同居している親や子どもにも何か影響がありますか?

あかり

自己破産は、申し立てた本人の借金を整理する手続きです。家族が保証人や一緒に借りた人でなければ、家族の借金になるわけではありません。戸籍や住民票に載ることもありません。

法テラスは、自己破産について「自己破産をしたからといって、選挙権がなくなる、戸籍や住民票に記載される、銀行の普通預金口座も使用できなくなる、ということはありません。」と説明しています。戸籍や住民票に載らないので、家族の戸籍や住民票に破産のことが書かれることもありません。

一方で、家族が保証人になっている借金は別です。破産法253条2項は、「免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利……に影響を及ぼさない。」と定めています。親が保証人になっている借金があれば、あなたが免責を受けても、債権者は親に請求できるということです。

家族の立場自己破産したときの影響
保証人でも、一緒に借りた人でもない家族本人の借金を代わりに払う立場ではない。戸籍・住民票にも載らない
保証人・連帯保証人になっている家族本人が免責を受けても、債権者は家族に請求できる(破産法253条2項)
本人にお金を貸している家族債権者の1人として扱われ、手続きで通知を受ける側になる
同居している家族全般裁判所によっては、家計の収支や収入・通帳の書類で協力を求められる

💡 「迷惑」の中身を2つに分ける

「家族に迷惑がかかる」と感じる中身は、①保証人として請求される、②書類集めで協力を頼む、の2つに分けて考えると整理しやすくなります。①は誰が保証人かで決まり、②は住んでいる地域の裁判所で決まります。

✅ このセクションのまとめ

保証人でない家族が、本人の借金を代わりに払うことにはなりません。家族が保証人なら請求は家族に向かうので、誰が保証人かを先に確かめましょう。

万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。

家族の通帳や収入の書類は要る?(裁判所ごとの違い)

相談者

結局、親の通帳や給料明細は出さないといけないんですか?

あかり

裁判所ごとに違います。公開されている案内を見比べると、同居者の通帳の全ページまで求める裁判所、家族の課税証明書か源泉徴収票を求める裁判所、確認できた範囲では同居者の通帳を求めていない裁判所があります。

裁判所(破産)同居家族について求めていること(公開資料の範囲)
札幌地裁「あなた及び同居者」の申立直前3か月分の給与明細書と直近年度の源泉徴収票など。「あなた及び同居者名義のすべての預貯金口座」の通帳の記帳がされている全ページのコピー
秋田地裁(非)課税証明書または源泉徴収票は、本人・配偶者・同居親族とも「場合を問わず」提出。給与明細書(直近3か月分)は本人と配偶者で、給与を受給している場合。預貯金通帳は本人と、給与振込用・クレジットカード引落用・光熱費引落用などの口座がある場合の配偶者
千葉地裁住民票は「世帯全員のもの」(同居者全員のもの)。破産の通帳の留意点は本人の「すべての通帳」で、同居者の通帳の指示は見当たらない
新潟地裁家計の状況は「同居している方全員を含めた世帯」。交通費や保険料は世帯全員分の内訳を書き、該当する方の車検証や保険証書等の写しを添付。同居者の給与明細・通帳を求める文言は案内に見当たらない
松江地裁住民票は「世帯全員の記載があり」。家計の収支表に「家計を同じくしている人の収入」も記載。財産目録に「配偶者、同居している親又は子が所有する不動産」の有無。同居者の給与明細・通帳の提出の指示は案内に見当たらない

※各裁判所が公開している申立ての案内・書類一覧で確認できた範囲です。「見当たらない」は、確認した案内に記載がないという意味で、提出を求められないことを保証するものではありません。

札幌地裁の案内には、「同居者の収支等についても、同居者の給与明細書や領収書を確認したり、同居者から事情を聴取したりするなどして正確に書いてください。」とあります。札幌で申し立てる場合は、同居している家族に、書類と事情の聞き取りで協力してもらう前提です。

個人再生の場合はさらに、家族の収入を書く理由がはっきり示されています。千葉地裁の小規模個人再生の申立書は、同居者に収入がある場合は「給与明細3か月分、過去2年分の源泉徴収票や課税証明書など」のコピーを添付するよう求め、「家族(配偶者や子どもなど)の収入に関する記載は、あなたがこの手続の中で作成する再生計画のとおり返済を続けていくことに無理がないかを判断するために必要ですので、必ず記載してください。」としています。

✅ このセクションのまとめ

同居家族の書類は、裁判所によって同居者の通帳の全ページまで求めるところもあれば、同居親族は課税証明書や源泉徴収票が中心のところもあります。どこまで要るかは、住んでいる地域の裁判所の運用を知る弁護士に聞くのが早道です。

家族の通帳や収入の書類を頼まないといけないか不安という方は、家族に話す前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

家計収支表は「同居している家族の分」も書く

相談者

家計簿みたいなものを出すと聞きました。実家暮らしだと、親のお金のことも書くんですか?

あかり

はい、親と家計が一緒なら書くことになります。確認できた裁判所の多くが、同居している家族も含めた家計で書かせています。親の収入や支出も、家計の一部として書きます。

裁判所家計の収支の書き方(原文)
札幌地裁「申立直前の1か月分の収入と支出(いずれも家計を同一にする世帯全員分)を正確に書いてください。」
新潟地裁「申立てをするあなただけの家計の状況ではありません。同居している方全員を含めた世帯としての家計の状況を記載します。」
松江地裁「あなたの収入のほか、家計を同じくしている人の収入も記載し、誰の収入でどのように生計をたてているか分かるように記載してください。」
高知地裁「申立人と同一家計の世帯全部について,申立前の直近2 か月分の収入及び支出の状況を月ごとに記載します」

高知地裁の記入の説明には、「収入は,誰の収入か分かるように記載します。」、「援助を受けた場合は,誰からの援助か分かるように援助者の続柄や氏名を記載します。」という指示もあります。親から生活費の援助を受けている場合は、それも家計の収入として書くということです。

実家に毎月いくら入れているかなど、細かな書き方を直接示した公的な説明は、確認できた案内の範囲では見当たりません。家計の書き方は裁判所の書式ごとに違うので、申立てを頼む弁護士の指示に従って書くのが確実です。

✅ このセクションのまとめ

家計収支表は、本人だけでなく同居して家計を共にする家族の分も書かせる裁判所が多くあります。親からの援助も「誰から」まで書く裁判所があります。

実家暮らしで、家計収支表をどう書けばいいかわからないという方は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

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世帯分離をすれば、家族の書類は要らなくなる?

相談者

住民票の世帯を分ければ、親の収入や通帳を出さなくて済むと聞いたんですが……。

あかり

そうとは言えません。世帯を分ければ、提出する住民票の中身は変わります。でも、確認できた裁判所の案内は、家計の収支や同居人の欄を、実際に一緒に住んでいるか、家計が一緒かで書かせています(高知・札幌・新潟・松江)。世帯を分けても、家族の分を書かなくてよくなるとは限りません。

高知地裁の申立書の記載例には、同居人を書く欄に「住民票が同じでなくても,現実に一緒に住んでいる人及び別居しているが家計の負担をしている家族」とあり、さらに「家族でない,または住民票が同じでなくても同居している方がいれば,記載(家計が別の場合は,備考欄に「家計は別」等の記載)してください」と注意書きがあります。

そもそも住民票の「世帯」は、「居住と生計をともにする社会生活上の単位」とされています(総務省の資料が引用する住民基本台帳事務処理要領)。同じ家で家計も一緒なのに書類の上だけ分けても、こうした裁判所の書式では実態どおり書くことになります。

💡 実態と違う書き方はしない

世帯分離で家族の書類を出さずに済ませようとして、同居や家計の実態を書かなかったり、事実と違うことを書いたりすると、手続きで問題にされるおそれがあります。家計が本当に別なら、高知地裁の例のように「家計は別」と書いて説明すれば足ります。

✅ このセクションのまとめ

確認できた裁判所のうち千葉・松江・秋田は世帯全員の住民票を求める一方、家計の収支や同居人の欄は実際の同居と家計で書かせる裁判所があります。世帯分離で家族の書類を省けるとは考えず、家計が別ならその事情を弁護士に伝えましょう。

世帯分離をしたほうがいいのか迷っているという方は、手続きをする前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

家族名義の預金や、親の家にある物はどうなる?

相談者

親名義の口座に、私の給料から少し貯金しているんです。これも取られますか?

あかり

あなたのお金で貯めたものなら、債権者への配当にあてる財産として扱われる可能性があります。名義が親でも、札幌地裁はあなたの財産として書くよう求め、松江地裁は換価・配当の対象になると説明しています。隠さずに弁護士に伝えてください。

破産法34条1項は、「破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産……は、破産財団とする。」と定めています。破産財団は、債権者への配当にあてる財産です。

札幌地裁の案内は、「あなたが親族等の他人名義で貯蓄している預貯金(例えば、名義人である親族等の資産・収入のみではなく、あなたの資産・収入をも原資としている預貯金)がある場合には、あなた名義の預貯金と同様に書いてください。」としています。松江地裁も、「実質的には破産者の財産であれば、その名義が他人になっていても換価・配当の対象となり」と説明しています。

反対に、名義も中身も家族のもの(親が自分の収入で貯めた預金など)を、あなたの財産として扱うと定めた規定は、確認できた条文・案内の範囲では見当たりません。どこまでがあなたの財産にあたるかは、お金の出どころで変わるので、家族名義の口座にあなたのお金が入っているなら、申立ての前に弁護士に伝えてください。

✅ このセクションのまとめ

家族名義でも、あなたのお金で貯めた預金は、あなたの財産として書くよう求める裁判所があります。お金の出どころを整理して、弁護士に伝えましょう。

そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。

家族に知られる経路はどこ?

相談者

配偶者に内緒で自己破産することはできますか?

あかり

完全に内緒で進めるのは難しいのが実情です。裁判所から家族に通知することは、家族が債権者でない限りありません。ただ、同居していると、家計の書類や郵便物などで知られる経路がいくつかあります。経路を知っておけば、どこで家族に話すかを自分で決められます。

千葉地裁の案内は、「破産手続は,通常の訴訟手続と違って非公開で行われますから,破産債権者になっていない限り,裁判所から勤務先やご家族あてに通知することはありません。ただ,破産した人の氏名や住所は,官報に掲載されます。」としています。

経路中身根拠
家計・収入の書類同居家族の収入や支出を書く・家族の書類を集める(裁判所による)札幌・秋田・新潟・松江・高知の案内
住民票「世帯全員」の住民票を求める裁判所・法テラスがある千葉・松江・秋田の案内、法テラス
裁判所からの郵便申立書に書いた送達場所に届く札幌・新潟の案内
郵便物の転送破産管財人が選ばれた場合、本人あての郵便物を管財人に届けるよう裁判所が嘱託することがある破産法81条1項・82条1項
官報破産した人の氏名や住所が載る千葉地裁の案内

郵便物の転送は、破産法81条1項が「裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは……破産者にあてた郵便物……を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。」と定めているものです。対象は破産した本人あての郵便物で、家族あての郵便物ではありません。破産管財人が選ばれない手続き(同時廃止)では、この転送はありません。

送達場所(裁判所からの郵便を受け取る場所)について、新潟地裁は「あなたが何らかの理由で郵便物を受け取ることができなかったとしても,あなたが郵便物を受け取ったのと同じ効果が発生します。」と注意しています。家族に知られたくないからといって受け取れない場所を書くと、自分が不利になります。

信用情報については、CICが「ご家族の信用情報を確認することはできません。」と説明しています。家族があなたの信用情報を開示して知る、ということは原則としてありません。

✅ このセクションのまとめ

家族が債権者でない限り、裁判所から家族に通知はしませんが、同居していると、家計の書類・住民票・郵便物で知られる経路があります。どの経路があるかを弁護士と確かめ、話す時期を決めましょう。

家族に知られずに手続きを進められるか知りたいという方は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

法テラスの収入基準と、同居家族・実家暮らし

相談者

弁護士費用は法テラスで立て替えてもらおうと思っています。実家暮らしだと、親の収入も見られるんですか?

あかり

同居している家族の収入は、「家計への貢献の範囲で」合算すると法テラスは説明しています。親の収入がそのまま全部足されるわけではありませんが、無関係でもありません。

法テラスの「民事法律扶助のしおり」は、弁護士費用などの立替え(代理援助・書類作成援助)について、「申込者と配偶者と同居している家族の収入は、家計への貢献の範囲で申込者と配偶者の収入に合算します。」、「同居の家族から食費等生活費の援助を受けている場合には、一定額を申込者の収入に加算します。」としています。配偶者の収入は、紛争の相手方でない限り合算されます。

家族の人数収入の基準(東京都特別区・大阪市など)収入の基準(それ以外の地域)
1人200,200円182,000円
2人276,100円251,000円
3人299,200円272,000円
4人328,900円299,000円

※手取りの平均月収(賞与も含む)。5人以上の家族は、同居の家族が1名増えるごとに、東京や大阪などの地域は33,000円、それ以外の地域は30,000円を加算します。家賃や住宅ローンを払っている場合は、限度額まで収入から控除できます。

出典:法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(2026年10月時点)

ここでいう家族の人数は、しおりでは「家族人数=①申込者+②配偶者+③申込者又は配偶者の扶養家族」で、②と③は申込者と同居している場合だけ数えます。実家で暮らしていても、親があなたの扶養家族でなければ、親は人数に入りません。親の収入は、人数とは別に「家計への貢献の範囲で」合算されます。また、収入とは別に、申込者と配偶者の現金・預貯金の合計にも基準があります。

申込みには、「本籍、筆頭者、続柄、世帯全員の記載があるもの」の住民票が必要です(法テラス「審査に必要な書類について」)。立て替えてもらった費用は、しおりによると「援助開始決定後、5,000 円~10,000 円程度の分割で毎月返済していただきます。」。法テラスのよくある質問では、生活保護を受給中の間は返済が猶予されるとしています。

✅ このセクションのまとめ

法テラスの立替えでは、同居家族の収入も家計への貢献の範囲で合算されます。実家暮らしで基準を満たすかは、家族の人数と家計の分担しだいなので、法テラスか弁護士に確かめましょう。

法テラスを使えるか、実家暮らしだとどうなるか知りたいという方は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

自己破産のデメリットと、それでも今動く理由

相談者

家族に話すくらいなら、このまま自分だけで返し続けたほうがいい気もして……。

あかり

返せないまま延滞が続くなら、先延ばしはおすすめできません。督促や裁判の書類が自宅に届き、かえって家族に知られやすくなります。先にデメリットも整理しておきますね。

デメリット内容出典
財産を失う「生活に必要な家財道具等の一定の財産以外は、失うことになる。(ただし、99万円以下の現金は手元に残せる。)」法テラス
官報に載る破産した人の氏名や住所が官報に掲載される千葉地裁
家族の協力が要ることがある同居家族の収入・家計の書類を求める裁判所がある札幌・秋田・新潟・松江・高知
保証人への請求は残る免責は保証人などへの請求に影響しない破産法253条2項

一方で、自己破産は戸籍や住民票に載らず、家族が保証人や一緒に借りた人でなければ家族の借金になるわけでもありません。家族に負担がかかるのは、主に書類集めへの協力と、保証人になっている場合の請求です。どちらも、早く相談するほど準備の時間がとれます。家族に話す前に弁護士と整理しておくのが、家族の負担をいちばん小さくする方法です。

✅ このセクションのまとめ

自己破産にはデメリットがありますが、家族への影響は、書類の協力と保証人の問題に絞られます。延滞が長引く前に相談するほうが、家族への負担を小さくできます。

返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

今の状況ごとに、最短でやること

今の状況最短でやること
実家で親と同居している住んでいる地域と家計の分担(毎月入れている額・援助)をメモして相談し、親に頼む書類を先に確かめる
配偶者と同居している配偶者が保証人か、借りたお金を家計に使ったかを整理して相談する。配偶者の収入の書類が要るか確かめる
親や配偶者が保証人になっている保証人への請求は残るので、保証人になっている借金を一覧にして相談する
家族からお金を借りている家族も債権者になる。先に家族にだけ返さず、相談してから進める
世帯分離を考えている分ける前に相談する。実態と違う書き方はしない
家族に知られたくない知られる経路(書類・住民票・郵便・官報)を弁護士と確かめ、話す時期を決める

どの状況でも、家族に話す前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

よくある質問

Q. 自己破産すると、同居している家族の信用情報にも傷がつきますか。

A. 家族が保証人や契約者になっている契約でなければ、あなたの自己破産で家族の信用情報が変わると説明した公的な資料は、確認した範囲では見当たりません。CICは、開示の申込みは原則として本人からとしたうえで、「ご家族の信用情報を確認することはできません。」と説明しています。ただし、家族が保証人になっている借金や、家族の名前で契約したローンやカードは、家族自身の契約として扱われます。どの契約が誰の名義かを、弁護士に伝えてください。

Q. 親の通帳を出したくないと言われたら、どうなりますか。

A. 同居者の通帳を求めるかどうかは裁判所ごとに違います(札幌地裁は求め、千葉・新潟・松江の破産の案内には同居者の通帳の指示が見当たりません)。求められる地域で出せない事情があるときは、どう説明するかを弁護士と相談してください。出さないまま進めようとすると、手続きが止まることがあります。

Q. 子どもに影響はありますか。

A. 自己破産は戸籍や住民票に記載されません(法テラス)。子どもが保証人や一緒に借りた人でなければ、子どもが借金を払う立場にはなりません。家計の収支を書くときに、同居している子どもの収入や支出も書くことはあります。

Q. 夫婦のうち、片方だけ自己破産することはできますか。

A. できます。自己破産は申し立てた本人の借金を整理する手続きです。ただし、配偶者が保証人になっている借金は、免責を受けても配偶者への請求が残ります(破産法253条2項)。法テラスの立替えでは、配偶者の収入も原則として合算されます(民事法律扶助のしおり)。

Q. 同居人が家族ではない(友人・恋人)場合も、書く必要がありますか。

A. 書かせる裁判所があります。松江地裁は「同居している人はすべて記載し(家族以外の者を含む。)」、高知地裁は「家族でない,または住民票が同じでなくても同居している方がいれば,記載」するよう求めています。家計が別なら、その旨を書いて説明します。

まとめ

自己破産と同居の家族について押さえておくことは、次のとおりです。

🔎 30秒でわかる結論

  • 破産手続は非公開で、家族が債権者でない限り、裁判所から家族に通知はしない(千葉地裁)。氏名や住所は官報に載る
  • 家族の通帳・収入の書類が要るかは、裁判所ごとに違う(札幌は同居者の通帳全ページまで、秋田は課税証明書か源泉徴収票など)
  • 家計収支表は、同居して家計を共にする家族の分も書かせる裁判所が多い(確認できた札幌・新潟・松江・高知)
  • 世帯分離をしても、家計や同居人の欄は実際の同居・家計で書かせる裁判所がある(高知地裁など)
  • 家族名義でも、あなたのお金で貯めた預金はあなたの財産として扱われうる(札幌は記載を求め、松江は換価・配当の対象と説明)
  • 家族が保証人なら、免責されても家族への請求は残る(破産法253条2項)
  • 法テラスの立替えでは、同居家族の収入も家計への貢献の範囲で合算

住んでいる地域と、同居している家族(続柄・働いているか・家計の分担)、保証人になっている人、借入先の一覧を持って相談すれば、家族に何をお願いする必要があるかを、家族に話す前に弁護士と整理できます。一人で抱え込まず、まず相談してください。

借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。

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📚 出典(公的機関・法令)を見る
  • e-Gov 破産法(平成十六年法律第七十五号)34条1項・81条1項・82条1項・253条2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
  • 札幌地方裁判所「破産・免責申立書の書き方と留意事項」(R6.1版・家計収支・同居者の給与明細・通帳・他人名義の預貯金・送達場所) https://www.courts.go.jp/sapporo/vc-files/sapporo/file/hasan_saisei/R6.1_moushitatesyonokakikata.pdf
  • 秋田地方裁判所「個人破産申立添付書類一覧表(本人申立て用)」 https://www.courts.go.jp/akita/vc-files/akita/file/02tenpushorui.pdf
  • 千葉地方裁判所 民事第4部「破産・免責手続について-よくあるご質問・お問い合わせ-」(住民票・Q18) https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/file/setsumeisho.pdf
  • 千葉地方裁判所「通帳の提出についての留意点」 https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/minjisyoshiki/hasan/09-08-ryuuiten.pdf
  • 千葉地方裁判所 小規模個人再生手続開始申立書(令和6年3月1日版・家族の収入・家計全体の状況) https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/2024/minji/saisei/02_2_20240426.pdf
  • 新潟地方裁判所「自己破産申立について(説明と書き方)」(令和3年2月改訂) https://www.courts.go.jp/niigata/vc-files/niigata/file/30205001.pdf
  • 松江地方裁判所「破産手続のあらまし・申立書記入要領」 https://www.courts.go.jp/matsue/vc-files/matsue/2023/20240115_hasanzikensyosiki/1_hasantetudukinoaramashi_moushitateshokinyuuyouryou.pdf
  • 高知地方裁判所「破産申立て 申立書記載例」(同居人・家計収支表の記載) https://www.courts.go.jp/kouchi/vc-files/kouchi/file/hasan1-2_20190701.pdf
  • 総務省「資料3 記載事項について」(住民基本台帳事務処理要領の「世帯」) https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/zairyu_1/pdf/080630_1_si3.pdf
  • 法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(収入・資産の基準) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyou.html
  • 日本司法支援センター(法テラス)「民事法律扶助のしおり」(配偶者・同居家族の収入の合算・返済) https://www.houterasu.or.jp/uploaded/attachment/7483.pdf
  • 法テラス「審査に必要な書類について」 https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/document.html
  • 法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」 https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/tatekaeqa.html
  • 法テラス よくある相談「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-002.html
  • CIC「家族の借入状況を確認できますか?」 https://www.cic.co.jp/faq/detail/kaiji/kaiji01/002527.html

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年10月時点)

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