SMBCモビットから一括請求が来たらどうなる?「1回の遅れで全額」の規約とできることを解説

債務整理の基礎知識

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

・「一括請求が来たら、もう分割の話は一切できない」

・「払えなければ、すぐに給料を差し押さえられる」

SMBCモビットからの一括請求の書面を前に、こんなふうに固まっている人も多いのではないでしょうか?

しかし、どちらも正確ではありません。一括請求のあとに裁判所から支払督促が届いた場合でも、受け取りから2週間以内に「督促異議」を申し立てれば通常の訴訟=話し合いの土俵に移行することが民事訴訟法で保障されています(391条1項・395条)。また、任意整理という「支払額や支払方法について合意をする手続」(法テラス)も制度として存在します。一括請求は「終わり」の通知ではありません。

とはいえ、放置すれば債権譲渡・裁判・差押えへと段階が進む道筋が規約と法律で用意されているのも事実です。

本記事では、SMBCモビットの一括請求がどういう仕組みで来るのか、その後に何が起きるのか、いま何ができるのかを、会員規約と法律の条文だけを根拠に紹介します。

現在すでに一括請求の書面が手元にある人はもちろんのこと、滞納が続いていていつ来るか不安という人も、仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

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相談者

モビットから「残額を一括でお支払いください」という書面が来ました。とても払える金額じゃありません……もう終わりでしょうか。

あかり

終わりではありません。まず、その書面が何なのかを正確に知りましょう。それは「期限の利益の喪失」といって、会員規約に書かれた手続きの一段階です。この後にも、法律で決められた期限と、使える手続きが残っています。

相談者

期限の利益……?初めて聞く言葉です。

あかり

「分割で払っていい」という利益のことです。これを失うと残額を一括で請求される。なぜ失ったのか、次に何が来るのか、順番に見ていきますね。

🔎 30秒でわかる結論

  • 一括請求の正体=「期限の利益の喪失」。分割で支払う利益を失い、残額全体をただちに支払う状態になること
  • 会員規約23条1項5号により、「当社に対する債務の一つでも期限に支払わなかったとき」は通知催告がなくても当然に期限の利益を失う建て付け=「催告が来ていないのに一括請求」は規約上ありうる
  • 期限の利益を失うと契約は当然に終了し(規約19条4項)、終了後も残債務は規約に従い支払う(20条)。遅延損害金は実質年率20.00%(公式FAQ)
  • 放置すると:債権譲渡(規約24条)→ 裁判所からの支払督促・訴状 → 差押え。支払督促は受け取りから2週間以内の督促異議で訴訟=話し合いの土俵に移行できる(民訴391条1項・395条)
  • いまできることは3つ:①全額を支払う ②事情を伝えて支払いの相談 ③任意整理などの債務整理。弁護士等に依頼すると、受任通知により貸金業者は正当な理由なく取り立てできなくなる(貸金業法21条1項9号)
  • 給料の差押えまで進んでも手取りの4分の3(44万円超の場合は33万円まで)は差押え禁止(民事執行法152条1項・法テラス)=生活のすべてを失うわけではない

📖 この記事でわかること

  • 一括請求の正体——「期限の利益の喪失」とは
  • なぜ催告なしで来ることがあるのか(会員規約23条)
  • 一括請求のあとに起きること(債権譲渡・支払督促・差押え)
  • いまできること3つ(全額・相談・任意整理)
  • 払えないまま放置したらどうなるか
  • よくある質問

一括請求の正体——「期限の利益の喪失」とは

カードローンの返済は本来、毎月の約定返済日に決められた額を支払えばよい契約です。この「期限が来るまで支払わなくてよい」という債務者の利益を「期限の利益」と呼びます。

一括請求とは、この期限の利益を失った(=喪失した)結果、残債務の全額をただちに支払う状態になったことの通知です。モビットカード会員規約23条1項は、所定の事由が生じたとき「当社の通知催告がなくても、お客様は、本規約にもとづく一切の債務について当然に期限の利益を失い、債務の全額をただちに支払います」と定めています。

💡 一括請求と同時に起きていること

期限の利益を失うと、会員規約19条4項により契約は当然に終了します(いわゆる強制解約の状態)。そして20条により、契約が終了しても残債務は規約に従って支払い続けることになります。「契約が終わったから払わなくていい」にはなりません。遅延損害金(実質年率20.00%=公式FAQ)も残債務にかかり続けます。

返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

なぜ催告なしで来ることがあるのか(会員規約23条)

相談者

「支払わないと一括請求します」みたいな予告って、来ないものなんですか?いきなり全額と言われて驚いています。

あかり

実際には催告の書面が先に届くことが多いのですが、規約の建て付け上は、予告なしの一括請求もありうるんです。条文を正確に見ましょう。

会員規約23条1項が定める「当然喪失」(通知催告なしで期限の利益を失う)の事由は、次の6つです。

事由(23条1項)内容
1号支払停止となったとき
2号強制執行の申立があったとき
3号破産、民事再生手続開始等の申立があったとき
4号お客様の所在が当社にとって不明となったとき
5号本規約にもとづく債務であるかを問わず、当社に対する債務の一つでも期限に支払わなかったとき
6号当社に差入れた書面に虚偽の記載があったとき、または収入、支出等について虚偽の申告があったとき

返済の遅れは5号に正面から当たります。つまり、1回の不払いの時点で、規約上は「いつ全額請求されてもおかしくない状態」に入っているということです。このほか23条2項には、信用状態が悪化し当社が債権保全のために必要と認めたときなどに「当社の請求により」期限の利益を失う定めもあります。

⚠ クレジットカードとの違い

クレジットカードの分割払い・リボ払いには、割賦販売法30条の2の4により「20日以上の相当な期間を定めた書面での催告」が必要ですが、カードローン(金銭の貸付け)はこの割賦販売法の保護の対象外です。カードローンの期限の利益喪失は基本的に契約(規約)の定めによります。「催告が来ていないから、まだ大丈夫」という判断は、モビットの規約とは噛み合いません。

そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。

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一括請求のあとに起きること(債権譲渡・支払督促・差押え)

一括請求の書面を放置した場合に進む道筋も、規約と法律に書かれています。

① 債権譲渡——請求元が変わることがある(規約24条)

会員規約24条は、当社が債権を金融機関等に担保として差し入れることがある旨、また債権を他に譲渡した場合は「債権譲渡の通知を受けた後は譲受人を債権者として債務を支払います」と定めています。長期の滞納では、債権回収会社(サービサー)などSMBCモビット(三井住友カード)以外の会社から請求が来ることがありえます。なお、債権回収会社は法務大臣の許可制で、法務省が許可業者の一覧を公表しています。見知らぬ社名からの請求は、支払う前に実在確認をしてください(実在の会社を騙る詐欺もあるためです)。

② 支払督促・訴訟——裁判所からの書類には期限がある

次の段階は、裁判所からの支払督促または訴状です。支払督促は、債権者の申立てにより裁判所書記官が発する督促手続で(民事訴訟法382条)、受け取った日から2週間以内に督促異議を申し立てないと仮執行の宣言がされます(391条1項)。逆に、異議を申し立てれば通常の訴訟に移行し(395条)、分割払いの和解などを話し合う土俵に戻ります。訴状の場合は、同封書類が指定する答弁書の提出期限を確認してください。詳しくは裁判所からの通知が届いたときの記事で解説しています。

③ 差押え——それでも生活のすべては失わない

仮執行宣言付支払督促や確定判決の後は、給料・預金の差押えが可能になります。ただし給料は手取りの4分の3に相当する部分の差押えが禁止されています(民事執行法152条1項。手取額が44万円を超える場合は33万円まで=法テラス)。また、給料が差し押さえられた場合でも、債権者が実際に取り立てられるのは差押命令が債務者に送達された日から4週間を経過してからです(155条2項)。

一括請求の書面がすでに届いているという方は、次の段階(裁判所からの書類)に進む前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

いまできること3つ(全額・相談・任意整理)

選択肢内容と注意点
① 全額を支払う一括請求額(元金+利息+遅延損害金)を支払えば終了。ただし別の借入で穴を埋めるのは悪化の典型。「審査なし・ブラックOK」をうたう業者はヤミ金
② 事情を伝えて支払いの相談モビットコールセンター(0120-24-7217)へ。公式FAQは罹災・長期入院・失職などの事情による返済計画見直しの相談を明記している。ただし一括請求後に応じるかは会社の判断
③ 任意整理などの債務整理任意整理=「裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続」(法テラス)。弁護士等に依頼すると受任通知により、貸金業者は正当な理由なく電話・訪問等で弁済を要求できなくなる(貸金業法21条1項9号)

どれを選ぶべきかは、残債務の額・収入・他社借入の有無で変わります。金額が大きく全額は無理、という時点で③の検討に入るのが現実的です。任意整理で何がどう変わるかはSMBCモビットの任意整理の記事で詳しく解説しています。

万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。

払えないまま放置したらどうなるか

一括請求の段階で動かなかった場合に確実に積み上がっていくのは、実質年率20.00%の遅延損害金です。たとえば残債務が50万円なら、単純計算で1年あたり約10万円のペースで負担が増えていきます(実際の計算は日割りで、支払があれば変わります)。

さらに、信用情報には延滞の事実が残ります。同意条項によれば、CICには「債務の支払を延滞した事実」が契約期間中および契約終了後5年間、JICCには債権回収・債務整理・強制解約等の「取引事実に関する情報」が契約継続中および契約終了後5年以内(債権譲渡の事実については発生日から1年以内)登録されます。放置は「時間が解決してくれる」方向には進みません。遅延損害金と登録期間は、放置した分だけ延びていきます。

返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

よくある質問

Q. 一括請求の書面を無視したら、すぐ裁判になりますか?

A. 何日後に法的手続きに移るかは公表されていません。ただし一括請求の段階は、規約上の手続き(期限の利益喪失・契約終了)が済んだ状態であり、債権者はいつでも支払督促や訴訟の申立てができる位置にいます。裁判所からの書類が届いてからでは、2週間などの短い期限の中で対応することになるため、その前に動くほうが選択肢は多く残ります。

Q. 一括請求のあとでも分割に戻せますか?

A. 自動的には戻りません。可能性は2つです。①SMBCモビットとの合意=一括請求後に分割の相談に応じるかは会社の判断です。②任意整理=弁護士等を通じて支払額や支払方法について合意をする手続(法テラス)で、分割での和解を目指します。どちらも「話し合いで合意を作り直す」道であり、合意ができるまで遅延損害金は発生し続けるため、早く動くほど有利です。

Q. 家族に知られたくないのですが、書面はこれからも届きますか?

A. 滞納が続けば、催告や法的手続きの書面が自宅に届く可能性は高くなります。弁護士等に債務整理を依頼した場合、受任通知後は正当な理由なく債務者本人への直接の取り立てが禁止され(貸金業法21条1項9号)、連絡の窓口は原則として依頼した弁護士等に一本化されます。家族に知られる主な経路と対策は債務整理は家族にばれるかの記事で解説しています。

Q. 金額が大きすぎて、何も考えられません。

A. お金の手続きより先に、気持ちの相談窓口を使ってください。よりそいホットライン 0120-279-338(24時間・無料)など、国が案内する窓口があります(厚生労働省「まもろうよ こころ」)。一括請求は手続きの通知であって、人生の判決ではありません。必ず出口があります。

まとめ:一括請求は「終わり」ではなく「期限付きの分岐点」

SMBCモビットの一括請求は、会員規約23条が定める期限の利益の喪失(「債務の一つでも期限に支払わなかったとき」等は通知催告なしの当然喪失)の結果であり、契約の当然終了(19条4項)・残債務の支払継続(20条)・実質年率20.00%の遅延損害金を伴います。放置すれば債権譲渡(24条)・支払督促(異議は2週間以内=民訴391条1項)・差押えへ進みます。

しかし、支払督促には異議という条文上の出口があり、任意整理という合意を作り直す手続きがあり、差押えにも生活を守る下限があります。一括請求の書面は、まだ「選べる側」にいるうちに届いた最後の分岐点です。全額払えるなら払う。払えないなら、裁判所からの書類が来る前に相談する。放置だけが、残っている選択肢を一つずつ消していきます。

借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。

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📚 出典(公的機関・法令)を見る
  • モビットカード会員規約・新旧対照表(2022年9月30日改定)(19条=契約の終了〔4項・23条の期限の利益喪失により契約は当然に終了、5項・契約終了後はあらたな借入不可〕/20条=契約終了後も残債務は本規約に従い支払う/21条=保全、訴訟または執行の費用等の負担/23条1項=当社の通知催告がなくても当然に期限の利益を失い債務の全額をただちに支払う〔1号・支払停止、2号・強制執行の申立、3号・破産、民事再生手続開始等の申立、4号・所在不明、5号・当社に対する債務の一つでも期限に支払わなかったとき、6号・虚偽の記載または申告〕・23条2項=信用状態悪化等の場合の請求による喪失/24条=債権の担保差入れ、譲渡) https://www.mobit.ne.jp/other/info/pdf/kiyaku_20220930.pdf
  • モビットカード会員規約および同意条項の一部改定(2023年5月29日・2023年7月1日の三井住友カード株式会社との合併に伴う改定=当社は三井住友カード株式会社/同意条項=JICC・CICに加盟、全国銀行個人信用情報センターと提携/CIC=債務の支払を延滞した事実は契約期間中および契約終了後5年間/JICC=取引事実に関する情報〔債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等〕は契約継続中および契約終了後5年以内・債権譲渡の事実にかかる情報は当該事実の発生日から1年以内) https://www.mobit.ne.jp/other/info/pdf/kiyaku_20230529.pdf
  • SMBCモビット 公式FAQ「利率を確認したいのですが、どうしたらいいですか?」(遅延利率は、実質年率20.00%です) https://faq.mobit.ne.jp/app/answers/detail/a_id/1009/
  • SMBCモビット 公式FAQ「返済期日までに返済できないのですが、どうしたらいいですか?」(自然災害などの罹災、長期入院や失職などのご事情によりご返済が難しい場合は、今後の返済計画を見直すご相談を承ります/モビットコールセンター) https://faq.mobit.ne.jp/app/answers/detail/a_id/1099/
  • SMBCモビット お知らせ(モビットコールセンター 0120-24-7217・営業時間9:00〜18:00) https://www.mobit.ne.jp/other/info/index.html
  • 割賦販売法 30条の2の4(分割払い等の契約解除・期限の利益喪失には二十日以上の相当な期間を定めた書面による催告が必要=クレジットの割賦払いに適用される規定)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159
  • 貸金業法 21条1項9号(弁護士等への委託の書面通知後、正当な理由なく電話・訪問等で弁済を要求することの禁止)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032
  • 民事訴訟法 382条(支払督促=債権者の申立てにより裁判所書記官が発する)・391条1項(債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときの仮執行の宣言)・395条(督促異議の申立てによる訴訟への移行)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 民事執行法 152条1項(給料等の4分の3に相当する部分の差押禁止)・155条2項(給料等の取立ては差押命令が債務者に送達された日から四週間を経過するまでできない)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 法テラス「差し押さえることができない『債権』には、どのようなものがありますか。」(給料や賞与のうち、手取額の4分の3に相当する部分〔手取額が44万円を超える場合は、33万円まで〕は差押禁止債権) https://www.houterasu.or.jp/site/faq/saiban-shikko-003.html
  • 法テラス「任意整理とは何ですか。」(裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続) https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-001.html
  • 法務省「債権回収会社(サービサー)制度」(債権管理回収業に関する特別措置法=法務大臣の許可制) https://www.moj.go.jp/housei/servicer/kanbou_housei_chousa01.html
  • 法務省「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」 https://www.moj.go.jp/housei/servicer/kanbou_housei_chousa15.html
  • 厚生労働省「まもろうよ こころ」(よりそいホットライン 0120-279-338) https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年8月時点)

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