生活保護を受けていても債務整理はできる?借金があると受けられない?

債務整理の基礎知識

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

・「借金があると、生活保護は受けられない」

・「借金をつくった自分が、助けてもらうのは申し訳ない」

こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?

しかし、これは誤解です。生活保護法4条が定める要件に「借金がないこと」は含まれておらず、厚生労働省も「生活保護の申請は国民の権利です」と明記しています。

とはいえ、保護費を借金の返済に充てることは想定されておらず、借金については別に債務整理で整理するよう自治体が案内しているのも事実です。

本記事では、生活保護の要件に借金の有無がどう書かれているのかを、法律の条文と厚生労働省の公表資料でそのまま確認したうえで紹介します。

現在すでに生活保護を受給していて借金を抱えている人はもちろんのこと、これから申請を考えていて借金があるために窓口に行けずにいるという人も、生活保護と借金の関係についてしっかりと理解しておきましょう。

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・#いのちSOS 0120-061-338(フリーダイヤル・無料/24時間365日)
・こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(ナビダイヤル=通話料がかかります。厚生労働省は「NTTドコモビジネスが定める通話料がかかります。電話会社の通話料割引サービスや、携帯電話の料金定額プランの無料通信は適用されませんのでご注意ください。」と注記しています)
(いずれも厚生労働省「まもろうよ こころ」に掲載されている窓口です)

相談者

借金があると、生活保護は受けられないんですよね……。

あかり

そこがまず誤解されがちなところです。生活保護法が定める要件に、「借金がないこと」は入っていません。条文を一緒に見てみましょう。

相談者

でも、保護費で借金を返すことはできないと聞きました。それだと結局どうすれば……。

あかり

はい、そこは事実です。だからこそ自治体の案内では、借金は債務整理で整理するようすすめられているんです。対立ではなく、順番の問題なんですよ。

🔎 30秒でわかる結論

  • 生活保護の要件に「借金がないこと」は含まれていない。生活保護法4条が定めるのは「利用し得る資産、能力その他あらゆるもの」の活用と、扶養義務者の扶養・他の法律の扶助の優先
  • 厚生労働省は「生活保護の申請は国民の権利です」と明記している
  • 保護費を借金の返済に充てることは想定されていない。そのため自治体の案内では「借金については、法テラスなどに相談し、債務整理をするようにしてください」とされている
  • 生活保護を受給していても法テラスの立替制度は使える。受給中は返済が猶予され、事件終了後も受給していれば免除の申請ができる
  • ただし「生活保護なら必ず無料」ではないと法テラス自身が明言している。免除には要件があり、審査がある
  • 生活保護の受給権・受け取った保護金品は差し押さえられない(生活保護法58条)

📖 この記事でわかること

  • 生活保護の要件に「借金がないこと」は入っているのか(条文で確認)
  • なぜ保護費で借金を返せないのか
  • 生活保護を受けながら債務整理はできるのか
  • 費用はどうなるのか(法テラスの立替・猶予・免除)
  • 「生活保護なら無料」ではない、という法テラス自身の説明
  • 差押えと生活保護の関係
  • 生活保護の前に検討できる制度(生活困窮者自立支援制度)
  • 相談・申請の窓口はどこか
  • デメリットと注意点(先に福祉事務所か、借金の相談も並行か)

生活保護の要件に「借金がないこと」は入っているのか

生活保護の要件を定めているのは、生活保護法4条です。条文をそのまま引用します。

💡 条文が定める「要件」

「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。2 民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。3 前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。」(生活保護法4条)

読んでのとおり、この条文のどこにも「借金がないこと」は書かれていません。要件とされているのは資産・能力その他あらゆるものの活用であり、扶養義務者の扶養や他の法律の扶助が優先される、という順序の定めです。

厚生労働省の「生活保護制度」のページも、同じ趣旨を「生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。」と説明しています。

厚生労働省が公表している説明資料では、対象となる状態が次のように挙げられています。

厚生労働省が挙げている「以下のような状態の方が対象となります」
不動産、自動車、預貯金等のうち、ただちに活用できる資産がない。
就労できない、又は就労していても必要な生活費を得られない。
年金、手当等の社会保障給付の活用をしても必要な生活費を得られない。

出典:厚生労働省「生活保護制度」(説明資料)(2026年8月時点)

💡 厚生労働省が明記していること

そして、同じ資料には次の一文があります。「また、生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに自治体までご相談ください。」「借金をつくった自分は対象外だ」という自己判断は、この記載とは矛盾します。

なお厚生労働省の「生活保護を申請したい方へ」のページには、「必要な書類が揃っていなくても申請はできます。」「住むところがない人でも申請できます。」という記載もあります。「よくある誤解」として整理されているものです。

✅ このセクションのまとめ

生活保護法4条の要件は「資産・能力その他あらゆるものの活用」と「扶養・他法の優先」であり、借金の有無は要件として書かれていない。厚生労働省は申請が国民の権利であると明記している。

万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。

なぜ、保護費で借金を返せないのか

相談者

じゃあ、生活保護を受けながら少しずつ返していけばいいのでは?

あかり

そこが、この記事のいちばん大事なところです。それは想定されていません。

生活保護は、最低限度の生活を維持するために支給されるものです。その性質上、借金の返済に回すことは想定されていません。自治体の案内でも、この点ははっきり書かれています。

💡 自治体の公式な案内

「利用(受給)できますが、借金は返済できません。原則として生活保護を利用(受給)しながら、借金を返済することはできません。借金については、法テラスなどに相談し、債務整理をするようにしてください。」
——東京都国分寺市「借金があっても生活保護を利用(受給)できますか。」

ここで注目してほしいのは、「借金があるから受けられません」ではなく「受給できますが、返済はできません」と書かれていることです。そして、その先の案内が「法テラスなどに相談し、債務整理をするようにしてください」——つまり公的機関が示している道筋そのものが、生活保護と債務整理の組み合わせなのです。

⚠ 条文と運用は分けて理解する

なお、生活保護法には「保護費を借金の返済に充ててはならない」と直接書いた条文はありません。関係する条文は、60条(被保護者は…収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り…生活の維持及び向上に努めなければならない)、61条(収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき…すみやかに…届け出なければならない)といった義務の規定です。取扱いは自治体の運用によるため、実際の判断は必ず福祉事務所に確認してください。

生活保護を受けながら、債務整理はできるのか

結論から書くと、生活保護を受給していることが、債務整理を妨げる要件にはなっていません。それどころか、上で見たとおり、自治体は債務整理を案内しています。

自己破産で免責許可の決定が確定した場合の効果は、破産法253条1項が「免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。」と定めています(ただし書きで租税等の非免責債権が列挙されています)。この規定に「生活保護を受けている者を除く」といった限定はありません。

💡 ここ、勘違いされがち

ただし、税金・国民健康保険料などは免責されません(破産法253条1項1号)。これらは債務整理では減らせないため、別に納税の猶予・換価の猶予・分納などの制度で扱う必要があります。

また、免責の効力は保証人には及びません(破産法253条2項)。保証人がいる場合は債務整理をすると保証人・連帯保証人はどうなる?を先に確認してください。

どの手続を選ぶかは事案によります。収入を要件としない手続と、収入の見込みを要件とする手続がある点は、収入がない人(専業主婦・無職)でも債務整理はできる?で整理しています。

生活保護を受けながら借金の整理も進めたいという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。

費用はどうなるのか(法テラスの立替・猶予・免除)

相談者

弁護士に頼むお金がありません。生活保護なので、なおさら……。

あかり

そこに使えるのが法テラスの制度です。ただし「必ず無料」ではないので、そこも正直にお伝えしますね。

法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助では、一定の条件を満たす場合に弁護士・司法書士の費用を立て替えてもらい、分割で返していくことができます。同一の問題について3回まで無料の法律相談を受けられる仕組みもあります。

生活保護を受給している場合の扱いについて、法テラスは次のように説明しています。

💡 受給中は返済が猶予される

「生活保護を受給している場合でも、法テラスの立替制度はご利用いただけます。生活保護を受給中の間は、返済は猶予されます。また、事件が全て終了した後も生活保護を受給されている場合は、返済の免除の申請ができます。」——法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」

あわせて、裁判所に納める予納金の扱いには重要な区別があります。法テラスは「また、生活保護を受給している方を除き、自己破産事件の予納金は立替えの対象とはなりません。なお、民事再生事件の予納金については、生活保護の受給の有無にかかわらず、立替えの対象とはなりません。」と明記しています。

費目生活保護を受給している場合受給していない場合
弁護士・司法書士の費用(着手金・実費等)立替えの対象(受給中は返済が猶予される)立替えの対象(分割で返済)
自己破産事件の予納金立替えの対象になりうる立替えの対象外
民事再生事件(個人再生)の予納金立替えの対象外立替えの対象外

出典:法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」(2026年8月時点)

参考までに、裁判所に納める額の一例として、東京地方裁判所民事第20部が公表している「破産事件の手続費用一覧(令和8年1月1日現在)」では、申立手数料(個人自己破産及び免責申立て)1,500円、同時廃止事件の予納金基準額13,046円、予納郵券4,950円とされています。(管財事件になる場合は別の基準です)

「生活保護なら無料」ではない、という法テラス自身の説明

ここは、あえて読者に不利に見える事実を書きます。期待だけ持たせて窓口に行き、話が違ったとなるのがいちばん辛いからです。

⚠ 「必ず免除」ではない

法テラスは、援助を行う弁護士等に向けたQ&Aの中で次のように述べています。「生活保護受給者であれば立替金が免除されるという制度ではありませんので、『費用がかからない』といった案内は相当ではありません。」

免除の要件についても公表されています。法テラスの説明では、「生活保護受給者に係る免除の要件は、(1)生活保護法による保護を受けていること(2)事件の結果得た利益の25%を償還していること、または25%の償還を不要とする特別の事情があること(3)免除を認める相当性があること」とされています。

さらに、「免除の可否は、被援助者のすべての援助事件が終結後、被援助者が免除申請をした時点での被援助者の状況や事件の結果得た利益等をあわせて審査します。」とも説明されています。つまり免除は自動ではなく、終結後に自分で申請して審査を受けるものです。

💡 ポイント

法テラスの別ページには「生活保護受給中の方を対象とした立替金の返済の免除制度があります。」と明記されている一方、「生活保護を受給していることのみを理由に必ず立替金の返済が免除になる、費用が無料になるということではありません。」とも書かれています。制度はある。ただし自動ではない——これが正確な理解です。

それでも、受給中は返済が猶予され、終結後も受給していれば免除の申請ができます。無料ではない部分があっても、督促や差押えの不安を抱えたまま先延ばしにするより、今、法テラスと福祉事務所の両方に状況を話すほうが、負担は小さく済みます。

そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。

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差押えと生活保護の関係

生活保護を受けている状態で差押えを心配される方も多いので、条文を確認します。

💡 保護費は差し押さえられない

「(差押禁止)第五十八条 被保護者は、既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利を差し押さえられることがない。」(生活保護法58条)

つまり、保護費そのものや、それを受け取る権利は差押えの対象になりません。ただし、これは「借金がなくなる」という意味ではありません。債務そのものは残り、督促や訴訟は起こりえます。差押えの一般的な仕組みは給料や銀行口座を差し押さえられたら?で解説しています。

生活保護の前に検討できる制度(生活困窮者自立支援制度)

「生活保護までは考えていないが、いまの生活が回らない」という段階の方に向けて、生活困窮者自立支援制度があります。厚生労働省は、次のような支援を挙げています。

事業厚生労働省の説明
自立相談支援事業「あなただけの支援プランを作ります。生活に困りごとや不安を抱えている場合は、まずは地域の相談窓口にご相談ください。支援員が相談を受けて、どのような支援が必要かを相談者と一緒に考え、具体的な支援プランを作成し、寄り添いながら自立に向けた支援を行います。」
家計改善支援事業「家計の立て直しをアドバイス。家計状況の『見える化』と根本的な課題を把握し、相談者が自ら家計を管理できるように、状況に応じた支援計画の作成、相談支援、関係機関へのつなぎ、必要に応じて貸付のあっせん等を行い、早期の生活再生を支援します。」

出典:厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」(2026年8月時点)

借金の相談窓口については、借金の相談はどこにすればいい?国の公的な無料窓口と選び方に電話番号・受付時間・料金をまとめています。

返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

相談・申請の窓口はどこか

厚生労働省は、生活保護の窓口を次のように案内しています。「生活保護の相談・申請窓口は、現在お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設置しています。(注)福祉事務所を設置していない町村にお住まいの方は、町村役場でも申請の手続を行うことができます。」

借金の整理については、法テラスの無料法律相談(同一の問題につき3回まで)が入口になります。法テラスは無料法律相談について「無料法律相談は経済的にお困りの方を対象としています。」「収入(手取りの平均月収 ※賞与も含む)と資産(お持ちの現金・預貯金)が一定基準以下の方が対象です。基準は家族人数やお住まいの地域などによって異なります。」と説明しています。

デメリットと注意点

起きること内容
信用情報への登録CIC・JICCは契約継続中および契約終了後5年以内、KSCは取引情報が契約終了日(未完済の場合は完済日)から5年を超えない期間、官報情報は決定日から7年を超えない期間
手続中の借入れ・カード新たな借入れやクレジットカードの利用・作成は難しくなります
自己破産の場合一定の財産の処分、資格・職業の制限、官報への掲載があります
免責されないもの税金・国民健康保険料等は免責されません(破産法253条1項1号)
保証人への影響免責の効力は保証人には及びません(破産法253条2項)
法テラスの立替金受給中は返済が猶予されますが、免除は自動ではなく、終結後の申請と審査が必要です
減額の程度どれだけ減るか・そもそも減るかは事案によります。保証されるものではありません

こう並べると重く見えますが、費用面は受給中の返済猶予・終結後の免除申請という形で軽くする道があり、保護費そのものは差押えの対象になりません(生活保護法58条)。費用や差押えへの不安だけで動けなくなるより、いま福祉事務所と無料相談の両方に状況を伝えておくほうが、後から選べる対応の幅は広く残ります。

まず福祉事務所に相談したほうがよい場合

  • 家賃・食費など、今日明日の生活費が足りない
  • 医療費が払えず、受診できていない
  • 働けない事情(病気・けが・介護)がある
  • 住むところを失いそう/すでに失っている

借金の相談も並行したほうがよい場合

  • 督促の電話や書面が続いている
  • 裁判所から支払督促・訴状が届いた
  • 保証人がいる借入れがある
  • 税金・国民健康保険料の滞納も重なっている

督促や差押えの不安を抱えたまま生活が苦しくなるリスクが生じる前に、まずは無料相談で現状を話してみてください。

よくある質問

Q. 借金があることを、福祉事務所に言わなければいけませんか?

A. 生活保護法61条は「被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があつたときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。」と定めています。取扱いは自治体の運用によりますので、隠すのではなく、窓口で率直に相談してください。国分寺市の案内のように、借金については債務整理を案内する自治体もあります。

Q. 生活保護を受けると、必ず自己破産しなければいけませんか?

A. 「必ず」と定めた条文は確認できません。どの手続が適切かは、借金の額・内容・資産・収入の見込みなどによります。任意整理・個人再生・自己破産の違いは債務整理とは?4つの方法と選び方で比較しています。

Q. 生活保護を受ける前に、先に債務整理をしたほうがよいですか?

A. どちらが先かを一律に定めた公的なルールは確認できません。ただし、法テラスの立替金の扱い(受給中は返済猶予・終結後に受給していれば免除申請可)や、自己破産事件の予納金の立替対象が受給の有無で変わる点を考えると、順番によって費用の扱いが変わりうるのは事実です。福祉事務所と法テラスの両方に、いまの状況を伝えて確認してください。

Q. 生活保護を受けていると、弁護士費用は無料になりますか?

A. いいえ。法テラス自身が「生活保護受給者であれば立替金が免除されるという制度ではありませんので、『費用がかからない』といった案内は相当ではありません。」と説明しています。受給中は返済が猶予され、終結後も受給していれば免除の申請ができる、というのが正確な内容です。

Q. 保護費が差し押さえられることはありますか?

A. 生活保護法58条は「被保護者は、既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利を差し押さえられることがない。」と定めています。ただし債務そのものが消えるわけではなく、督促や訴訟は起こりえます。

Q. 自分は対象にならない気がして、窓口に行けません。

A. 厚生労働省の説明資料には「また、生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに自治体までご相談ください。」と書かれています。また「必要な書類が揃っていなくても申請はできます。」「住むところがない人でも申請できます。」という記載もあります。対象かどうかを自分で判定する必要はありません。

まとめ

生活保護法4条が定める要件は、「利用し得る資産、能力その他あらゆるもの」の活用と、扶養義務者の扶養・他の法律の扶助の優先です。借金の有無は、要件として書かれていません。

一方で、保護費を借金の返済に充てることは想定されていません。だからこそ自治体は「借金については、法テラスなどに相談し、債務整理をするようにしてください」と案内しています。生活保護と債務整理は対立するものではなく、公的機関が示している道筋そのものが、この組み合わせなのです。

費用については、法テラスの立替制度が使え、受給中は返済が猶予されます。ただし「生活保護なら必ず無料」ではないことを法テラス自身が明言しています。期待も不安も、正確な情報の上に置いてください。判断に迷うときは、福祉事務所と、公的な無料相談窓口の両方に同じ状況を話してみることをおすすめします。

📚 出典(公的機関・法令)を見る
  • 生活保護法 第4条(保護の補足性)・第58条(差押禁止)・第60条(生活上の義務)・第61条(届出の義務)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144
  • 厚生労働省「生活保護制度」(生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提/生活保護の相談・申請窓口は、現在お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html
  • 厚生労働省「生活保護制度」説明資料(また、生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに自治体までご相談ください/不動産、自動車、預貯金等のうち、ただちに活用できる資産がない 等) https://www.mhlw.go.jp/content/000988958.pdf
  • 厚生労働省「生活保護を申請したい方へ」(必要な書類が揃っていなくても申請はできます/住むところがない人でも申請できます) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsuhogopage.html
  • 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」(自立相談支援事業/家計改善支援事業) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059425.html
  • 東京都国分寺市「借金があっても生活保護を利用(受給)できますか。」(利用(受給)できますが、借金は返済できません。原則として生活保護を利用(受給)しながら、借金を返済することはできません。借金については、法テラスなどに相談し、債務整理をするようにしてください。) https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/faq/kurashi/1005238/1005295/1025767/1027709.html
  • 法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」(生活保護を受給している場合でも、法テラスの立替制度はご利用いただけます。生活保護を受給中の間は、返済は猶予されます。また、事件が全て終了した後も生活保護を受給されている場合は、返済の免除の申請ができます/生活保護を受給している方を除き、自己破産事件の予納金は立替えの対象とはなりません。なお、民事再生事件の予納金については、生活保護の受給の有無にかかわらず、立替えの対象とはなりません) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/tatekaeqa.html
  • 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」(無料法律相談は経済的にお困りの方を対象としています/同一の問題につき、3回まで無料で相談できます) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyounonagare.html
  • 法テラス よくあるQ&A「被援助者が生活保護を受給中であれば、事件にかかる費用については免除されると案内してよいか。」(生活保護受給者に係る免除の要件は、(1)生活保護法による保護を受けていること(2)事件の結果得た利益の25%を償還していること、または25%の償還を不要とする特別の事情があること(3)免除を認める相当性があること/生活保護受給者であれば立替金が免除されるという制度ではありませんので、「費用がかからない」といった案内は相当ではありません) https://www.houterasu.or.jp/site/bengoshitou-faq/fujo-faq-12.html
  • 法テラス よくあるQ&A「援助開始時に生活保護受給者であれば、必ず免除になるか。」(免除の可否は、被援助者のすべての援助事件が終結後、被援助者が免除申請をした時点での被援助者の状況や事件の結果得た利益等をあわせて審査します) https://www.houterasu.or.jp/site/bengoshitou-faq/fujo-faq-11.html
  • 法テラス「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」(生活保護受給中の方を対象とした立替金の返済の免除制度があります/生活保護を受給していることのみを理由に必ず立替金の返済が免除になる、費用が無料になるということではありません) https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html
  • 法テラス「自己破産 費用の目安」(1〜10社:着手金132,000円/実費23,000円/合計155,000円) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/jikohasanhiyo.html
  • 東京地方裁判所民事第20部「破産事件の手続費用一覧(令和8年1月1日現在)」(申立手数料1,500円/同時廃止事件13,046円/予納郵券4,950円) https://www.courts.go.jp/tokyo/vc-files/tokyo/min20_hasanq4_hasantetudukihiyouitiran_R080101.pdf
  • 破産法 第253条第1項(免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる/同項第1号=租税等の請求権)・第253条第2項(保証人への効力)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
  • 厚生労働省「まもろうよ こころ」(よりそいホットライン0120-279-338=フリーダイヤル・無料/#いのちSOS 0120-061-338=フリーダイヤル・無料/こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556=ナビダイヤル「NTTドコモビジネスが定める通話料がかかります」) https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/
  • CIC「CICが保有する信用情報」(クレジット情報=契約期間中および契約終了後5年間) https://www.cic.co.jp/guide/credit-information/possession/
  • JICC「信用情報の内容と登録期間」 https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration
  • 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター「センターの概要」 https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/about/

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年8月時点)

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