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・「法テラスなら、任意整理の費用をタダにしてくれる」
・「無職や収入が少ないと、法テラスは使えない」
こんなふうに思っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、どちらも正確ではありません。法テラスの立替制度は費用を「立て替えて」あとから分割で返す仕組みで、法テラス自身が「立替えた費用は、分割でのお支払いとなります。利息等はありません」と説明しています。無料になるのではなく、利息なしの分割です。また、対象は「収入や資産が一定基準以下」の人=収入が少ないほど使いやすい制度で、無職であること自体は使えない理由になりません。
とはいえ、収入・資産が基準を超えていれば立替は使えず、無職で返済に充てるお金がなければ、法テラスが「支払をしていくことが必要な債務整理手続ですので、そのための原資の確保や家計管理が必要です」と説明する任意整理そのものが選べないのも事実です。
本記事では、法テラスで任意整理を頼める条件(収入・資産の基準表)、費用の目安、審査から依頼までの流れ、そして法テラスが使えないときの次の手について紹介します。
現在すでに費用が払えなくて相談をためらっている人はもちろんのこと、自分が法テラスの対象になるか分からないという人も、条件を数字でしっかりと確認しておきましょう。

任意整理をしたいんですが、弁護士さんの費用が払えません。法テラスを使えば安く済むと聞いたんですが、自分が使えるのか分からなくて。

使えるかどうかは、収入と資産の2つの数字でほぼ決まります。1人暮らしなら、手取りの平均月収が182,000円以下(東京23区などは200,200円以下)、資産が180万円以下が目安です。

それなら私、たぶん当てはまります。でも、法テラスって費用が無料になるんじゃないんですか?

相談は無料ですが、依頼の費用は「立替」=あとから利息なしで分割返済です。そこを混同したまま動くと、あとで戸惑います。順番に整理していきましょう。
🔎 30秒でわかる結論
- 法テラスで任意整理を頼むには3つの条件=①収入や資産が一定基準以下 ②勝訴の見込みがないとはいえない ③民事法律扶助の趣旨に適する。①は数字で自己判定できる(下の表)
- 収入基準の目安(手取りの平均月収・賞与含む)=1人 182,000円以下(東京都特別区・大阪市などは200,200円以下)。家賃・住宅ローンは1人41,000円(東京都特別区は53,000円)まで控除。資産は1人180万円以下
- 「無料相談」と「費用の立替」は別の制度。無料相談は同一問題につき3回・1回30分。立替は審査(通常2週間程度)があり、「分割でのお支払い」「利息等はありません」
- 費用の目安(法テラスの立替基準)=任意整理1社43,000円・3社86,000円/自己破産1〜10社155,000円。原則報酬金なし(過払金を回収したときのみ)
- 無職でも収入基準は満たしやすいが、任意整理は「支払をしていくことが必要な債務整理手続」(法テラス)=返済の原資がなければ自己破産を含めて検討する
- 生活保護を受給中でも立替は使える。受給中は返済が猶予され、事件終了後も受給中なら免除を申請できる(必ず免除になるわけではない)
- 基準を超えて使えなくても、道は残る=一般の事務所の分割払い(費用は事務所ごと・日弁連)/弁護士会・司法書士会の相談センター/金融庁が案内する相談窓口。どの道でも、まず無料相談で「自分が法テラスの対象か」から聞くのが最短
📖 この記事でわかること
- 結論:法テラスで任意整理を頼める3つの条件(収入・資産の基準表)
- 「無料相談」と「費用の立替」は別の制度
- 費用はいくら?(任意整理・自己破産の目安と、立て替えてもらえない費用)
- 法テラスが使えないのはどんなとき?(4つのケース)
- 法テラスが使えないときの次の手
- 無職・生活保護の人はどうなる?
- 法テラスに電話したら、何をしてくれる?(サポートダイヤルと電話の法律相談の違い)
- 申込みから依頼までの流れ(5ステップ)
- よくある質問
結論:法テラスで任意整理を頼める3つの条件(収入・資産の基準表)
法テラス(日本司法支援センター)の「弁護士・司法書士費用等の立替制度」は、「経済的にお困りの方を対象としているため、収入や資産が一定基準以下であることなど、以下の3つの条件を満たす方が利用できます」とされています。
| 条件 | 内容(法テラスの説明) | 任意整理での意味 |
|---|---|---|
| ① 収入や資産が一定基準以下であること | 「収入(手取りの平均月収 ※賞与も含む)や資産(お持ちの現金・預貯金及び不動産や有価証券の額)が一定基準以下の方が対象となります」 | 下の表で自己判定できる |
| ② 勝訴の見込みがないとはいえないこと | 「自己破産事件であれば免責決定の見込みがあること……など、問題が解決する見込みがあることが必要です」。無料相談FAQでは「和解、調停、示談等により紛争解決の見込みがあるもの……は、(2)に含みます」 | 任意整理=和解による解決の見込み。返済の原資があるかが問われる |
| ③ 民事法律扶助の趣旨に適すること | 「報復目的や自己宣伝、権利濫用的な訴訟などは援助できません。また、極端に訴額が少ない訴訟や回収可能性がない場合も費用対効果の観点から援助できません」 | 通常の借金の整理で問題になることはまずない |
出典:法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(2026年9月時点)
① 収入の基準(手取りの平均月収・賞与を含む)
| 同居の家族人数 | 東京都特別区・大阪市などの地域 | 上記以外の地域 |
|---|---|---|
| 1人 | 200,200円 | 182,000円 |
| 2人 | 276,100円 | 251,000円 |
| 3人 | 299,200円 | 272,000円 |
| 4人 | 328,900円 | 299,000円 |
| 5人以上 | 1名増えるごとに33,000円を加算 | 1名増えるごとに30,000円を加算 |
出典:法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(2026年9月時点)
法テラスは例として「5人家族で東京に住んでいる場合、収入は361,900円、資産は300万円が基準となります」と示しています。さらに「家賃や住宅ローンを支払っている場合、以下の表に記載の限度額まで収入から控除することができます」。
| 家族人数 | 家賃・住宅ローンの控除限度額 | 東京都特別区にお住まいの場合 |
|---|---|---|
| 1人 | 41,000円 | 53,000円 |
| 2人 | 53,000円 | 68,000円 |
| 3人 | 66,000円 | 85,000円 |
| 4人 | 71,000円 | 92,000円 |
出典:法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(2026年9月時点)
💡 手取りが少し超えていても
たとえば1人暮らしで手取り月収が21万円、家賃が6万円の人(東京都特別区以外)は、21万円−41,000円(控除限度額)=169,000円で判定され、基準の182,000円以下に収まります。「上記の表以上の収入や資産をお持ちでも、家賃や住宅ローン、医療費や教育費等を支払っているなど、やむを得ない事情がある場合には、基準を満たす可能性があります」と法テラスも案内しています。表の数字を少し超えていても、あきらめる前に相談してください。
② 資産の基準(現金・預貯金・不動産・有価証券)
| 同居の家族人数 | 資産基準 |
|---|---|
| 1人 | 180万円以下 |
| 2人 | 250万円以下 |
| 3人 | 270万円以下 |
| 4人 | 300万円以下 |
出典:法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(2026年9月時点)
借金の返済に追われている人の多くは、この資産基準を下回ります。持ち家がある場合は「不動産……の額」として資産に含まれ得るため、評価額を含めて相談のときに確認してください。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
「無料相談」と「費用の立替」は別の制度

法テラスに電話すれば、その場で弁護士さんが動いてくれるんですか?

いいえ、2段階です。まず「無料相談」、依頼するなら別に「立替の審査」。相談した弁護士に必ず依頼しなくてもいいですし、法テラスが特定の弁護士を紹介することもありません。
法テラスは民事法律扶助業務を「経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)業務です」と説明しています(総合法律支援法30条1項2号)。つまり「相談」と「立替」は別の援助で、条件も違います。
| 項目 | 無料法律相談 | 費用の立替(代理援助・書類作成援助) |
|---|---|---|
| 使える条件 | ①資力基準 と ③趣旨の2条件(「(1)(3)の条件を満たす方」) | ①②③すべて(「(1)(2)(3)すべての条件を満たす方」) |
| 回数・時間 | 「同一問題につき、3回まで」「1回の相談時間は30分」。3回分をまとめて1時間30分は不可 | 審査は「通常申込みから決定まで2週間程度」 |
| 誰が対応するか | 「法テラスと契約のある弁護士・司法書士が相談を担当します」 | 相談した弁護士・司法書士に依頼したい場合「その旨を直接伝えてください」 |
| 弁護士の指名 | 「法テラスが特定の弁護士を紹介することはできません」 | 「相談を希望する弁護士が法テラスと契約しているか、弁護士に事前にご確認ください」 |
| 依頼の義務 | 「相談をした弁護士・司法書士に必ず依頼をしなければならないというものではありません」。回数内なら別の弁護士・司法書士にも相談できる | 「相談した弁護士・司法書士が必ず事件を受任してくれるとは限りません」(受任の判断は各弁護士・司法書士) |
| お金 | 無料 | 「分割でのお支払いとなります。利息等はありません」。月額は審査で決定 |
出典:法テラス「無料法律相談に関するよくあるご質問」「立替制度に関するよくあるご質問」「ご利用の流れ」(2026年9月時点)
💡 ここ、勘違いされがち
「法テラスに頼む」という言い方は正確ではありません。相談も依頼も、担当するのは法テラスと契約している弁護士・司法書士で、法テラスは費用を立て替える側です。弁護士・司法書士は受任するかどうかを自分で判断し、法テラスはそこに関与しません。相談した弁護士と合わなければ、3回の範囲で別の弁護士・司法書士に相談し直せます。
無料相談に持っていくものも、法テラスが明示しています。「借金の相談の場合は、以下の項目を一覧表にしたメモをご持参ください。借入先(名称、住所) 借入時期 現在の借金の額」。原則として事前の予約が必要です。
相談と依頼を混同して足が止まっているという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。
費用はいくら?(任意整理・自己破産の目安と、立て替えてもらえない費用)

立替になるとして、任意整理だと結局いくらになるんですか?

法テラスは借入先の数ごとの目安を公表しています。任意整理は1社43,000円から。ただし「実際の費用は審査で決まる」と明記されています。
① 任意整理の費用の目安(着手金+実費)
| 債権者数 | 着手金 | 実費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 1社 | 33,000円 | 10,000円 | 43,000円 |
| 2社 | 49,500円 | 15,000円 | 64,500円 |
| 3社 | 66,000円 | 20,000円 | 86,000円 |
| 4社 | 88,000円 | 20,000円 | 108,000円 |
| 5社 | 110,000円 | 25,000円 | 135,000円 |
| 6〜10社 | 154,000円 | 25,000円 | 179,000円 |
| 11〜20社 | 176,000円 | 30,000円 | 206,000円 |
| 21社以上 | 198,000円 | 35,000円 | 233,000円 |
出典:法テラス「任意整理 費用の目安」(2026年9月時点)
同じページには「原則として報酬金は発生しませんが、過払金を回収できた場合、報酬金が発生します」「実際の費用は、事件の内容等により審査によって決まります。必ずこの金額になるとは限りません……」とあります。
② 自己破産の費用の目安(任意整理が難しい場合の比較用)
| 債権者数 | 着手金 | 実費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 1〜10社 | 132,000円 | 23,000円 | 155,000円 |
| 11〜20社 | 154,000円 | 23,000円 | 177,000円 |
| 21社以上 | 187,000円 | 23,000円 | 210,000円 |
出典:法テラス「自己破産 費用の目安」(2026年9月時点)
③ 立て替えてもらえない費用
法テラスのよくある質問は、立替の対象外を次のように明記しています。「生活保護を受給している方を除き、自己破産事件の予納金は立替えの対象とはなりません。なお、民事再生事件の予納金については、生活保護の受給の有無にかかわらず、立替えの対象とはなりません」。また「原則、実費だけを立て替えることは出来ません」。任意整理は裁判所を使わないため予納金の問題はありませんが、自己破産・個人再生を選ぶ場合は裁判所に納める予納金を自分で用意する必要があります。
💡 月々の返済額は審査で決まる
審査で決まるのは「援助開始決定の有無や、弁護士や司法書士に支払う着手金や実費の金額、立替金の支払い方法や月額」です。月々いくら返すかは、あなたの収入をもとに審査で決まります。立替金の返済は援助が始まると同時に開始されます(「併せて費用の返済も開始されます」)。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
法テラスが使えないのはどんなとき?(4つのケース)

私は使えそうですが、友人は「法テラスは無理だった」と言っていました。どういう場合ですか?

使えないのは、はっきり4つに分かれます。どれに当たるかで、次にとる手が変わります。
| ケース | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| ① 収入・資産が基準を超えている | 前の章の表を超える場合。ただし家賃・住宅ローン・医療費・教育費などの控除や「やむを得ない事情」で満たす可能性がある | 法テラス「ご利用の流れ」条件1 |
| ② 解決の見込みがない・趣旨に反する | 「勝訴の見込みがないとはいえないこと」を満たさない場合(自己破産なら免責決定の見込みがない等)、「極端に訴額が少ない訴訟や回収可能性がない場合」 | 法テラス「ご利用の流れ」条件2・3 |
| ③ すでに立替で依頼中の事件について、別の弁護士に無料相談したい | 「すでに法テラスの立替制度を利用して弁護士に依頼をしている場合、その事件について、法テラスの無料法律相談はご利用いただけません。有料相談などのご利用をご検討ください」 | 法テラス「無料法律相談に関するよくあるご質問」 |
| ④ 相談した弁護士・司法書士が受任しない | 「事件の受任(依頼を引き受けるか)については、それぞれの弁護士・司法書士が判断します」「受任に関する判断に法テラスが関与することはできません」 | 法テラス「無料法律相談に関するよくあるご質問」 |
出典:法テラス「ご利用の流れ」「無料法律相談に関するよくあるご質問」(2026年9月時点)
💡 「法テラスが無理」と「任意整理が無理」は別
「任意整理そのものが選べない」ケースもあります。法テラスは任意整理を「自己破産などと異なり、支払をしていくことが必要な債務整理手続ですので、そのための原資の確保や家計管理が必要です」と説明しています。収入がなく、返済に充てるお金の見込みも立たない場合、任意整理は和解の見込み(条件②)を満たしにくく、自己破産(免責決定の見込みがあれば条件②を満たす)を含めて検討することになります。法テラスが使えないのではなく、手続きの選択が変わるという話です。
返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
法テラスが使えないときの次の手
基準を超えて立替が使えなくても、任意整理の道が閉じるわけではありません。公的に確認できる「次の手」を3つ並べます。
① 一般の事務所に、費用の支払い方を含めて相談する
日弁連は「弁護士の費用は、個々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準小売価格というようなものはありません」と説明しています。費用は事務所ごとの報酬表で決まるため、分割払いに応じる事務所もあります(公的な決まりはなく、事務所ごとに確認が必要です)。日弁連の「弁護士職務基本規程」33条は、弁護士に法律扶助制度等の説明を求めており、日司連の「債務整理事件の処理に関する指針」5条も報酬表を提示したうえで民事法律扶助の教示を求めています。つまり、「法テラスが使えるか、使えないならどう払うか」は、弁護士・司法書士に正面から聞いてよい質問です。
債務整理の弁護士報酬には日弁連のルールがあり、任意整理の解決報酬金は1社あたり2万円以下、減額報酬金は減額分の10%以下、着手金は上限規制なしですが計算手数料・管理手数料などの名目の手数料は禁止です。司法書士は日司連の指針で1社あたり合計50,000円以下(減額報酬・過払金報酬は別枠)です。費用の相場そのものは、下の記事で公的な数字だけを並べています。
② 弁護士会・司法書士会の相談窓口
日弁連の「ひまわりお悩み110番」は、弁護士会の法律相談センターにつながる窓口で、「相談時間はおおむね30分、相談料は地域や相談内容により異なりますが、5500円前後とお考えください」と案内されています。日司連は全国約150か所の司法書士総合相談センターを設けています。いずれも法テラスの資力基準とは別に利用できます。
③ 金融庁が案内する「多重債務についての相談窓口」
金融庁は「多重債務についての相談窓口」として、法テラスのほか、日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会・日本貸金業協会・日本クレジットカウンセリング協会・全国銀行協会の窓口を案内しています。「どこに行けばいいか分からない」段階なら、ここから入るのが公的な入口です。
✅ どの道でも、まず聞くのは2点
①〜③のどれを選んでも、弁護士・司法書士が受任して貸金業者に通知すれば、法テラスは「通常、貸金業者からの連絡は止まります」と案内しています(貸金業法21条1項9号)。法テラスの対象かどうかで迷って動かない時間が、いちばんもったいない。まず無料相談で「自分は法テラスの対象か」「対象外なら費用をどう払えるか」の2点を聞いてください。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
無職・生活保護の人はどうなる?

今は仕事を辞めていて収入がありません。それでも法テラスで任意整理できますか?

法テラスの収入基準は満たしやすい状態です。ただ、任意整理は「払っていく」手続きなので、返済の原資があるかが別に問われます。そこを正直に出せば、合う手続きが決まります。
① 無職の場合
収入がない人は、収入基準(1人182,000円以下など)を当然に満たします。問題は法テラスではなく任意整理の側です。法テラスは任意整理を「支払をしていくことが必要な債務整理手続ですので、そのための原資の確保や家計管理が必要です」と説明しています。就職の見込みがある、家族の援助で月々払える、といった原資があれば任意整理は候補に残ります。原資の見込みがなければ、自己破産(「自己破産事件であれば免責決定の見込みがあること」が条件②)を含めて相談で決めます。無職であること自体を理由に、法テラスが使えないわけではありません。
② 生活保護を受給している場合
法テラスは「生活保護を受給している場合でも、法テラスの立替制度はご利用いただけます。生活保護を受給中の間は、返済は猶予されます。また、事件が全て終了した後も生活保護を受給されている場合は、返済の免除の申請ができます」と明記しています。自己破産の予納金も、生活保護受給者に限って立替の対象です。
💡 ここ、勘違いされがち
ただし法テラスは「生活保護を受給していることのみを理由に必ず立替金の返済が免除になる、費用が無料になるということではありません」と注意しています。免除は「法テラスの援助事件がすべて終了し、終結決定がされた後」に申請し、「免除申請をした時点での経済状況や事件の結果得た経済的利益等」を踏まえて判断されます。相手方から金銭を得た場合は、原則としてその25%を償還に充てていないと免除されません。「生活保護=タダ」と思い込まず、猶予と免除申請の仕組みとして理解してください。
収入がない、生活保護を受けているという理由で相談をためらっているという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。
法テラスに電話したら、何をしてくれる?──サポートダイヤルと電話の法律相談は別物

法テラスに電話すれば、その場で借金の相談に乗ってもらえるんですか。

代表の電話(法テラス・サポートダイヤル)は、制度や相談先を案内する窓口で、弁護士の法律相談ではありません。借金の相談そのものは、地方事務所に予約して受けます。電話で相談を受けられる事務所もありますが、相談の方法は地域によって違います。
| 窓口 | してくれること | 法テラスの説明(逐語) |
|---|---|---|
| 法テラス・サポートダイヤル 0570-078374 (IP電話などは03-6745-5600) | 法制度や相談窓口の案内。個別の法律相談はしない | 「オペレーターは個別の法律相談や法的判断を行うことはできません。」 |
| 地方事務所の無料法律相談(予約制) | 弁護士・司法書士による相談(1回30分・同じ問題で3回まで)。面談のほか、電話やオンラインで実施しているところもある | 「対面(面談)だけでなく電話やオンラインでも相談を実施しているところもあります。」 |
| メールでの問合せ | 法律や制度の紹介、相談窓口の案内。回答はメールのみで数日かかる | 「個別具体的なご質問に対して、法律の専門家が回答やアドバイスを行う法律相談とは異なります。」 |
※サポートダイヤルの受付は「平日の9時~21時、土曜日の9時から17時 (祝日・年末年始を除く)」。利用料は0円で、通話料は利用者の負担です。「折り返しのお電話はしておりません。」とされています。
出典:法テラス「法テラス・サポートダイヤル」(2026年10月時点)
法テラスの業務は、総合法律支援法30条1項に定められています。1号が制度や相談窓口の情報提供、2号が費用を払う余裕がない人への民事法律扶助(無料の法律相談と、弁護士・司法書士費用の立替え)です。サポートダイヤルやメールは1号の情報提供で、借金の中身に踏み込んだ相談は2号の無料法律相談で受ける、という分担です。
電話で相談の予約をするときの流れ
| 順番 | やること | 法テラスの説明(逐語) |
|---|---|---|
| 1 | 相談したい地方事務所に電話(一部はWebでも)で予約する | 「ご予約は、電話のほか一部相談場所ではWeb 上でも受け付けています。」 |
| 2 | 予約のときに収入と資産を聞かれる。無料相談の対象は、収入と資産が一定の基準以下の人 | 「※ご予約時に収入(平均月収)や資産(お持ちの現金・預貯金)をお聞きします。」 |
| 3 | 借入先の一覧メモ(借入先の名称と住所・借入時期・現在の借金の額)と、届いた書類を用意する | 「裁判所や事件の相手方から届いた書類(訴状や呼出状、請求書など)をご準備ください。」 |
| 4 | 相談の前に「援助申込書」を書く | 「相談前に「援助申込書」をご記入いただく必要があるため、時間には余裕を持ってお越しください」 |
※借入先の一覧メモの3項目は、法テラス「無料法律相談に関するよくあるご質問」の「相談に必要な書類」の案内によります。
出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」(2026年10月時点)
💡 督促状や裁判所の書類が届いているなら、期限を先に確認
相談の場所や日時は地域によって違うので、予約の電話で空いている日を確認します。督促状や裁判所からの書類がすでに届いている人は、書類に書かれた期限が相談日より前に来ないかを確かめ、予約の電話でそのことも伝えてください。期限が近いなら、法テラス以外の無料相談窓口にも並行して連絡するのが安全です。なお、すでに法テラスの立替制度を使って弁護士に依頼している事件は、無料法律相談の対象外です。
✅ このセクションのまとめ
法テラスの代表電話は案内の窓口で、借金の相談は地方事務所に予約して受けるものです。予約の電話で収入と資産を聞かれます。無料相談を受けられるのは、収入と資産が一定の基準以下の人です。
督促状や裁判所の書類が届いているという方は、予約の電話を後回しにせず、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
申込みから依頼までの流れ(5ステップ)
法テラスが公表している立替制度の流れを、そのまま並べます。
| ステップ | 内容(法テラスの説明) |
|---|---|
| STEP01 弁護士・司法書士に相談する | 「立替制度の利用前に弁護士や司法書士に相談しましょう。相談をした弁護士・司法書士に依頼をしたい場合、その旨を直接伝えてください」 |
| STEP02 審査に必要な書類の準備をする | 援助申込書・事件調書・資力申告書・収入を証明する資料(給与明細書2か月分・賞与明細書、源泉徴収票、所得証明書など)・住民票など。「事件の内容に応じて立替を行う金額や月々の返済額なども併せて決定します」 |
| STEP03 審査が完了する | 「審査が完了すると法テラスから「援助開始決定」が出ます」。決定書・契約書・返済に関する案内を受け取り、契約書にサインして提出。審査は「申込みをした法テラスの地方事務所」で行い、審査員は「各地の弁護士や司法書士」。期間は「通常申込みから決定まで2週間程度」 |
| STEP04 弁護士・司法書士が問題解決に動く | 「弁護士や司法書士からの連絡には必ず対応をするようにしましょう。また、併せて費用の返済も開始されます」 |
| STEP05 問題が解決する | 弁護士・司法書士が法テラスに報告書を提出。「成果がある場合には弁護士や司法書士にお支払いいただく報酬を決定します」 |
出典:法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」「立替制度に関するよくあるご質問」(2026年9月時点)
任意整理の場合、受任した弁護士・司法書士が貸金業者へ通知を送ることで、「通常、貸金業者からの連絡は止まります」(法テラス)。つまりSTEP04に入れば、督促が止まった状態で交渉と返済の組み直しが進みます。STEP01の相談を先延ばしにするほど、この日が遠のきます。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
よくある質問
Q. 法テラスを使えば、任意整理の費用は無料になりますか?
A. 無料になるのは相談(同一問題につき3回まで・1回30分)です。依頼の費用は立替で、「立替えた費用は、分割でのお支払いとなります。利息等はありません」。月額は審査で決まり、援助開始と同時に返済が始まります。生活保護受給中は返済が猶予され、事件終了後も受給中なら免除を申請できますが、必ず免除になるわけではありません。
Q. 無職でも法テラスで任意整理できますか?
A. 無職であること自体は、法テラスが使えない理由になりません。収入基準はむしろ満たしやすくなります。ただし任意整理は「支払をしていくことが必要な債務整理手続」(法テラス)なので、月々払う原資の見込みがあるかで、任意整理か自己破産かが変わります。原資の有無を正直に出して、相談で手続きを決めてください。
Q. 自分で見つけた弁護士に、法テラスの立替を使って頼めますか?
A. 法テラスは「相談を希望する弁護士が法テラスと契約しているか、弁護士に事前にご確認ください」と案内しています。法テラスと契約している弁護士・司法書士であることが前提です。契約の有無は、その事務所に直接聞くのが確実です。
Q. 審査にはどれくらいかかりますか?その間、督促は止まりますか?
A. 法テラスは「通常申込みから決定まで2週間程度かかります」としています(書類不備やお盆・年末年始はさらに時間がかかることも)。督促が止まるのは、弁護士・司法書士が受任して貸金業者に通知した後です。受任のタイミングは弁護士・司法書士との契約によるため、相談のときに「通知はいつ出るか」を確認してください。
Q. 法テラスで個人再生や自己破産もできますか?
A. できます。自己破産の費用の目安は1〜10社で155,000円(着手金132,000円+実費23,000円)です。ただし予納金は立替の対象外で、「生活保護を受給している方を除き、自己破産事件の予納金は立替えの対象とはなりません。なお、民事再生事件の予納金については、生活保護の受給の有無にかかわらず、立替えの対象とはなりません」。裁判所に納めるお金は自分で用意する前提で計画してください。
Q. 相談した弁護士と合わなかったら、変えられますか?
A. 依頼前なら、「相談をした弁護士・司法書士に必ず依頼をしなければならないというものではありません」。同一問題で3回までの範囲で別の弁護士・司法書士に相談できます。ただし、すでに立替制度で依頼したあとは、その事件について法テラスの無料相談は使えず、「有料相談などのご利用をご検討ください」とされています。依頼する前に、面談で方針・費用・不利益の説明を受けてから決めるのが安全です。
まとめ:法テラスの対象かどうかは数字で決まる。対象外でも道は残る
法テラスで任意整理を頼む条件は、①収入や資産が一定基準以下(1人なら手取り月収182,000円以下・東京都特別区などは200,200円以下、資産180万円以下。家賃・住宅ローンは41,000円・53,000円まで控除)、②勝訴の見込みがないとはいえない、③民事法律扶助の趣旨に適する、の3つです。無料相談は同一問題につき3回・30分、依頼の費用は立替で「分割でのお支払い」「利息等はありません」。任意整理の目安は1社43,000円・3社86,000円です。
無職でも法テラスは使えますが、任意整理は「支払をしていくことが必要な債務整理手続」なので、原資の見込みで手続きが変わります。生活保護受給中は返済が猶予され、終了後も受給中なら免除を申請できます。基準を超えて使えなくても、一般の事務所の分割払い・弁護士会や司法書士会の相談窓口・金融庁が案内する窓口が残ります。
「自分は法テラスの対象か」は、手取りと資産の2つの数字を出せば今日分かることです。対象でも対象外でも、次にやることは同じ——借入先・借入時期・現在の額をメモして、まず無料相談で聞いてください。
借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
📚 出典(公的機関・法令)を見る
- 法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(3つの条件/収入基準=東京都特別区・大阪市など1人200,200円・2人276,100円・3人299,200円・4人328,900円/その他1人182,000円・2人251,000円・3人272,000円・4人299,000円/加算33,000円・30,000円/5人家族で東京の例361,900円/家賃・住宅ローン控除限度額1人41,000円(53,000円)・2人53,000円(68,000円)・3人66,000円(85,000円)・4人71,000円(92,000円)/資産基準1人180万円・2人250万円・3人270万円・4人300万円以下/やむを得ない事情/条件2・3の説明/STEP01〜05/分割でのお支払い・利息等はありません) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyou.html
- 法テラス「無料法律相談に関するよくあるご質問」(同一問題につき3回まで/1回30分/3回分を1回にまとめることは不可/(1)(3)で相談可・(1)(2)(3)すべてで立替可/法テラスと契約のある弁護士・司法書士が相談を担当/特定の弁護士の紹介はできない/受任の判断は各弁護士・司法書士/相談をした弁護士・司法書士に必ず依頼をしなければならないというものではありません/立替で依頼中の事件は無料相談不可/借金相談のメモ=借入先(名称、住所)・借入時期・現在の借金の額/原則予約制) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/soudanqa.html
- 法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」(審査は地方事務所・審査員は各地の弁護士や司法書士/援助開始決定の有無・着手金や実費の金額・立替金の支払い方法や月額を決定/通常申込みから決定まで2週間程度/原則、実費だけを立て替えることは出来ません/自己破産事件の予納金は生活保護受給者を除き対象外・民事再生事件の予納金は対象外/生活保護受給中でも利用可・返済猶予・免除の申請) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/tatekaeqa.html
- 法テラス「任意整理 費用の目安」(1社43,000円/2社64,500円/3社86,000円/4社108,000円/5社135,000円/6〜10社179,000円/11〜20社206,000円/21社以上233,000円/原則報酬金なし・過払金回収時のみ/実際の費用は審査によって決まる) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/seirihiyou.html
- 法テラス「自己破産 費用の目安」(1〜10社155,000円/11〜20社177,000円/21社以上210,000円=着手金+実費) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/jikohasanhiyo.html
- 法テラス「償還免除申請に関するよくあるご質問」(生活保護受給中の方を対象とした立替金の返済の免除制度/援助事件がすべて終了し終結決定がされた後に申請/必ず免除になるものではない/経済状況や事件の結果得た経済的利益等を踏まえて判断/金銭等の25%を償還に充当していない場合は免除不可) https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html
- 法テラス「民事法律扶助業務」(無料で法律相談を行い(法律相談援助)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(代理援助・書類作成援助)業務/総合法律支援法第30条第1項2号) https://www.houterasu.or.jp/site/about-houterasu/minjihouritsufujo.html
- 法テラス よくある相談「任意整理とは何ですか。」(裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続/自己破産などと異なり、支払をしていくことが必要な債務整理手続ですので、そのための原資の確保や家計管理が必要です) https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-001.html
- 法テラス よくある相談「弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、貸金業者からの連絡が止まるのですか。」(通常、貸金業者からの連絡は止まります) https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-004.html
- 日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」(弁護士の費用は、個々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準小売価格というようなものはありません) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid.html
- 日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」(着手金は上限規制なし・計算手数料等の名目の手数料は禁止/解決報酬金1社あたり2万円以下/減額報酬金 減額分の10%以下) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html
- 日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」(会規第70号・PDF。33条=法律扶助制度等の説明) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf
- 日本弁護士連合会「ひまわりお悩み110番」(相談時間はおおむね30分、相談料は地域や相談内容により異なりますが、5500円前後とお考えください) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/search/himawari110.html
- 日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」(PDF。5条=契約書交付・報酬表提示・民事法律扶助の教示/9条=任意整理事件の報酬は債権者一人あたり50,000円以下) https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement_list/uploads/eef60054829e003e2c157ee6edde90442d7e2ec8.pdf
- 日本司法書士会連合会「司法書士総合相談センター」(全国約150か所) https://www.shiho-shoshi.or.jp/activity/consultation/center_list/
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」(法テラス・日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会・日本貸金業協会・日本クレジットカウンセリング協会・全国銀行協会) https://www.fsa.go.jp/soudan/
- e-Gov法令検索「貸金業法」(21条1項9号=弁護士等に委託した旨の書面通知後、正当な理由なく本人へ直接弁済を要求し、直接要求しないよう求められたにもかかわらずさらに要求することの禁止) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032
- 法テラス「法テラス・サポートダイヤル」(「オペレーターは個別の法律相談や法的判断を行うことはできません。」・受付時間・0570-078374/IP電話等は03-6745-5600・「折り返しのお電話はしておりません。」) https://www.houterasu.or.jp/site/soudanmadoguchi-houseido/support-dial.html
- 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」(予約・収入と資産の聴取・持参書類・援助申込書・電話やオンラインでの相談) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyounonagare.html
- 法テラス「メールでのお問合せ」(法律相談とは異なる・回答はメールのみ) https://www.houterasu.or.jp/site/soudanmadoguchi-houseido/mail-form.html
- e-Gov 総合法律支援法 30条1項1号(情報提供)・2号(民事法律扶助:イ=代理援助の立替え/ホ=法律相談) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000074
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年9月時点)
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