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・「弁護士費用の分割が今月払えない。事務所に言ったら怒られて、辞任されるのでは」
・「辞任されたら、止まっていた督促がまた始まって、もう打つ手がなくなるのでは」
こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、法令や弁護士会の規程に、弁護士費用が1回遅れたら必ず辞任する、という定めはありません。弁護士・司法書士には、依頼を受けるときに費用や見通しを説明する決まりがあり、払えないときの扱いも、まず委任契約書と担当者に確かめられます。法テラスの立替を使っている場合も、返済が難しくなったときは「必ず文書や電話等でご利用の地方事務所に申し出てください。」と案内しています。
とはいえ、連絡しないまま滞納が続いて辞任になれば、業者からの直接の督促が再開しうるのも事実です。金融庁の監督指針は、弁護士への「委任が終了した旨の通知があった場合」を、業者が本人へ直接連絡できる「正当な理由」にあたる可能性が高い例に挙げています。
本記事では、債務整理を頼んだあとで弁護士費用が払えなくなったときに何が起きるのか、辞任されたらどうなるのか、その前にできることについて紹介します。
今月の分割がすでに遅れている人はもちろんのこと、来月以降の支払いが見えないという人も、黙っていることがいちばん不利になる理由をしっかりと理解しておきましょう。

任意整理を頼んで、弁護士費用を毎月分割で払っています。今月どうしても払えません。

まず、今日のうちに事務所へ連絡してください。払えないこと自体より、連絡が取れなくなることのほうが、ずっと事態を悪くします。

言いにくくて、事務所からの電話にも出られていません…。辞任されたらどうなるんですか。

辞任になると、業者からの督促が再開しうるのが一番の問題です。弁護士から書面で通知が届くと、貸金業者は電話や訪問などで本人に返済を求めることが制限されますが、委任が終わればその前提がなくなります。

じゃあ、どうすれば…。

払えない月があること、いつならいくら払えるかを、正直に伝えることです。支払いの予定を組み直すのか、手続きそのものを見直すのか、相談できることはいくつもあります。順番にお伝えします。
🔎 30秒でわかる結論
- ★法令や弁護士会の規程に、1回遅れたら必ず辞任という定めはない(扱いは委任契約書の内容による)。弁護士職務基本規程43条は、依頼者との信頼関係が失われ、回復が難しいときに、説明のうえ辞任などの措置を採るよう弁護士に求めている。連絡が取れないと、信頼関係が保てず辞任を検討される理由になりうる
- ★辞任=委任の終了が業者に伝わると、直接の督促が再開しうる。金融庁の監督指針は「委任が終了した旨の通知があった場合」を、直接連絡の「正当な理由」にあたる可能性が高い例に挙げている
- ★受任通知は「取立ての方法」を制限するもので、借金そのものは消えていない。辞任後は、業者と本人の直接のやりとりに戻りうる(どう扱われるかは業者や契約の内容による)
- ★払えないと分かった時点で、事務所に「いつ・いくらなら払えるか」を伝える。弁護士・司法書士には費用と見通しを説明する決まりがある(日弁連規程4条、日司連指針4条3項・5条2項)
- ★法テラスの立替なら、返済が難しいときは申し出る。月5,000〜10,000円程度の分割が目安で、猶予・免除の仕組みもある
- ★分割の返済そのものが無理なら、手続きを変える相談もできる(任意整理から個人再生・自己破産へ)
📖 この記事でわかること
- 弁護士費用の支払いが遅れると、何が起きるのか
- 辞任されたら、督促は再開するのか
- 払えないと分かった時点でやること
- 任意整理の弁護士・司法書士の報酬には上限がある(日弁連・日司連のルール)
- 法テラスの立替を使っている場合
- 手続きを変える・事務所を変えるという選択肢
- 連絡すると不利になる?よくある不安と、それでも今動く理由
- 今の状況ごとに、最短でやること
弁護士費用の支払いが遅れると、何が起きるのか

1回遅れただけで、すぐ辞任されてしまうんですか。

1回で必ず辞任、と決めた法令や弁護士会の規程はありません。ただ、委任はお互いの信頼で成り立つ契約なので、連絡が取れない状態が続くのがいちばん危ないです。
弁護士への依頼は、法律上は「委任」という契約です。民法651条1項は「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」と定めています。依頼した本人だけでなく、弁護士の側からも契約を終わらせることができるということです(同じ条文の2項は、相手に不利な時期に解除した場合などは、やむを得ない事由がない限り損害の賠償が必要になると定めています)。
弁護士の職業上のルールである弁護士職務基本規程43条は、「弁護士は、受任した事件について、依頼者との間に信頼関係が失われ、かつ、その回復が困難なときは、その旨を説明し、辞任その他の事案に応じた適切な措置を採らなければならない。」と定めています。費用の遅れが続くことも信頼関係に影響しえますが、連絡が取れず、話し合いができない状態になると、立て直しの相談をする余地そのものがなくなり、信頼関係が保てず辞任を検討される理由になりえます。
| 段階 | 起きやすいこと |
|---|---|
| ① 引き落とし・振込が遅れる | 事務所から電話・メール・書面で連絡が来る |
| ② 連絡に応じない・遅れが続く | 事務所から、支払いの見通しの確認や、辞任の可能性を伝える連絡が来ることがある |
| ③ 辞任(委任の終了) | 事務所が業者に委任の終了を通知することがある。業者からの直接の連絡が再開しうる |
| ④ 本人と業者の直接のやりとりに戻る | 借金はそのまま残る。業者との話し合いや請求が本人相手に進みうる(どう扱われるかは業者や契約の内容による) |
※実際の流れや猶予の長さは、事務所との委任契約の内容によって変わります。まず手元の委任契約書の「費用の支払い」「契約の解除」の欄を確認してください。
✅ このセクションのまとめ
辞任は「1回の遅れ」で自動的に起きるものではありません。連絡を絶つことが、いちばん避けたいことです。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
辞任されたら、督促は再開するのか

弁護士に頼んでから、督促がぴたっと止まりました。辞任されたら、また来るんですか。

再開しうる、と考えておいてください。督促が止まっていたのは、借金がなくなったからではなく、弁護士が間に入っていたからです。
督促が止まる根拠は、貸金業法21条1項9号です。貸金業者は、借りた人が債務の処理を弁護士などに頼み、弁護士などや裁判所から書面で通知があった場合に、正当な理由がないのに、電話・電報・ファクシミリ・訪問の方法で本人に支払いを求め、本人から直接要求しないよう求められたのにさらに求めることが禁じられます。
この「正当な理由」について、金融庁の「貸金業者向けの総合的な監督指針」は、個別の事実関係で判断するとしたうえで、該当する可能性が高い例として「a.弁護士若しくは弁護士法人又は司法書士若しくは司法書士法人(以下「弁護士等」という。)からの承諾がある場合。」「b.弁護士等又は債務者等から弁護士等に対する委任が終了した旨の通知があった場合。」を挙げています。辞任で委任が終わったことが業者に伝われば、本人への直接の連絡が「正当な理由」にあたる可能性が高くなる、ということです。
💡 督促が止まっている間も、借金は残っている
受任通知は、業者の取立ての方法を制限するものです。借金を消すものではありません。弁護士が業者と話し合っている間に本人が返済を止めていた場合、その間の扱いも含めて、辞任後は本人と業者の間で話が進みうることになります。「督促が止まっている=借金が止まっている」ではないことを、先に知っておいてください。
業者によっては、遅れが続くと残りをまとめて請求される(期限の利益の喪失)定めを置いています。一括請求や裁判の書類が届いたときの流れは、次の記事で詳しく説明しています。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
払えないと分かった時点でやること

事務所に連絡して、何を話せばいいんですか。

「今月いくら足りないか」「いつならいくら払えるか」「来月以降の見通し」の3つです。そのうえで、相談したいことを添えます。謝ることより、数字を伝えることのほうが、事務所も次の手を考えやすくなります。
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| 今月の状況 | 「今月の分割◯円のうち、◯円しか用意できません」 |
| 払える日と金額 | 「◯月◯日に◯円なら入金できます」 |
| 来月以降の見通し | 「収入が減ったので、来月以降も同じ額は難しいです」 |
| 相談したいこと | 「分割の額を見直せるか」「今の手続きのまま続けられるか」 |
弁護士・司法書士には、依頼を受けるときに費用を説明する義務があります。日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」4条は、弁護士は債務整理事件を受任するに際し、事件処理の方針と見通し、弁護士報酬とその他の費用などを説明しなければならないと定めています。日本司法書士会連合会の「債務整理事件の処理に関する指針」5条2項も、「会員は、事件処理にかかる費用について、報酬表を提示する等して報酬額及び費用、またその算定方法を明示したうえで十分に説明を行い、その内容を記載した書面等を依頼者に交付しなければならない。」としています。
つまり、費用の額と払い方は、書面で確認できるはずです。手元の委任契約書を開いて、分割の回数・金額と、支払いが遅れたときの扱いがどう書かれているかを確かめてから連絡すると、話が早く進みます。
💡 費用が払えないのは「計画の見直しどき」のサイン
任意整理では、業者への返済が始まる前に、まず弁護士費用を積み立てる形をとることがあります。その場合、積立てが払えないことは、和解後の返済もそのままでは続けにくいというサインでもあります。費用の払い方だけでなく、手続きの選び方から見直してもらいましょう。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
任意整理の弁護士・司法書士の報酬には上限がある(日弁連・日司連のルール)
払えない原因が、そもそも費用の高さにあるのではないか、と感じている人もいるかもしれません。任意整理の報酬には、弁護士会・司法書士会がそれぞれ上限を決めています。
| 項目 | 弁護士(日弁連の規程・施行規則) | 司法書士(日司連の指針) |
|---|---|---|
| 債権者1社ごとの報酬 | 解決報酬金は1社あたり2万円まで(規程13条・施行規則2条1項) | 着手時の報酬と、その後の報酬などの合計で1社あたり5万円まで(指針9条1項・2項) |
| 減額報酬 | 減額された額の10パーセントまで(規程14条・施行規則3条) | 減額された元本の10パーセントまで(指針10条) |
| 着手金 | 金額の上限はなく、事情に照らして「適正かつ妥当な金額」とする(規程10条) | 上の5万円に含まれる |
※日弁連の上限は消費税を含まない額です(規程9条2項)。事業用資金の借入れで担保がある場合など、例外があります(施行規則2条2項)。過払金の報酬・送金代行の手数料にも別の上限があります。
日弁連の規程13条は、解決報酬金の額を「債権者一人当たり、五万円を超えない範囲内で規則で定める上限の金額を超える金額としてはならない。」とし、施行規則2条1項は「規程第十三条に規定する規則で定める上限の金額は、二万円とする。」としています。日司連の指針9条1項は「任意整理事件又はヤミ金処理事件の委任事務処理の報酬は、債権者又はヤミ金一人あたり50,000円を超える額を請求し、又は受領してはならない。」としています。
請求の内訳がこの上限とかけ離れていると感じたら、まず担当者に内訳の説明を求めてください。納得できない場合は、弁護士なら所属する弁護士会、司法書士なら所属する司法書士会に相談する窓口があります。
内訳に納得できないときは、まず今の事務所に説明を求め、それでも解消しない場合は弁護士会・司法書士会の窓口に相談してください。
法テラスの立替を使っている場合

法テラスで費用を立て替えてもらっています。その返済が遅れたらどうなりますか。

督促が来て、場合によっては裁判所の手続きで回収されることもあり、損害金も付きます。だからこそ法テラスは、返済が難しいときは先に申し出るよう、はっきり案内しています。
法テラスの「民事法律扶助のしおり」は、立替金の返済について「立替金については、援助開始決定後、5,000~10,000円程度の分割で毎月返済していただきます。」「ただし、事情によっては、償還月額を減額又は増額する場合があります。」としています。
返済が遅れた場合については、「決定どおりの返済がなされない場合、電話や文書による督促や法テラスが選定する協力会社等に委託の上、償還金入金のお願いを実施することがあるほか、裁判所を利用した法的手続による回収を実施することがあります。」「民法に定められた3%の損害金も発生します。」としたうえで、「何らかの事情で返済が困難になったときは、必ず文書や電話等でご利用の地方事務所に申し出てください。」と案内しています。
| 法テラスの仕組み | しおりの記載 |
|---|---|
| 事件の進行中の猶予 | 「また、生活保護を受けている方又はそれに準じる程度に生計が困難である方については、あなたからの申請により事件進行中の返済を猶予する場合があります。」 |
| 終結時の猶予 | 「また、生活状況が厳しく返済することが著しく困難である場合は、あなたからの申請により返済を猶予できる場合があります。」 |
| 償還の免除 | 生活保護を受けているときなどに、「終結決定時又はその後において、立替金の償還未済額の返済をあなたからの申請により免除することがあります。」(事件が終わってから申請し、書類で審査される。申請すれば必ず免除されるわけではない) |
| 依頼先の解任 | 「なお、地方事務所長の承認なく受任者等を解任することはできません。」 |
出典:法テラス「民事法律扶助のしおり」(2026年10月時点)
法テラスを使っている場合は、依頼した弁護士・司法書士と、利用している法テラスの地方事務所の両方に事情を伝えておくと安心です。
返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
手続きを変える・事務所を変えるという選択肢

任意整理の返済が始まったら、毎月払っていける自信がありません。

それなら、手続きそのものを見直す段階です。任意整理は、借金を分割で払い続けることが前提の手続きです。払い続けるのが難しいなら、個人再生や自己破産のほうが合っていることがあります。
任意整理は、将来の利息のカットなどを業者と話し合い、残りを分割で払っていく手続きです。弁護士費用の分割も払えない状態なら、業者への返済も重くなる場合があり、和解したあとで返済が止まることになりかねません。借金を大きく減らす個人再生や、支払いの免除を求める自己破産に切り替えられないか、今の事務所に相談できます。
一方で、事務所の対応に納得できず、信頼関係が崩れていると感じるなら、別の事務所に話を聞くこともできます。民法651条1項のとおり、委任は依頼した本人の側からもいつでも解除できます(相手に不利な時期の解除は、同条2項で損害の賠償を求められることがあります)。ただし、解任すると業者への通知の関係で督促が再開しうるので、次の依頼先を決めてから切り替えるのが順番です。法テラスを使っている場合は、地方事務所長の承認なく解任することはできません。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
連絡すると不利になる?よくある不安と、それでも今動く理由
| よくある不安 | 実際のところ |
|---|---|
| 「払えないと言ったら、すぐ辞任される」 | 職務基本規程43条は、信頼関係が失われ回復が困難なときに辞任などの措置を採るよう求める規定。払えないと分かった時点で連絡して話し合うことは、信頼関係を保つ行動 |
| 「辞任されたら、もう誰も引き受けてくれない」 | そんなことはない。別の窓口に相談できるし、費用は手続きの選び方や法テラスの利用で調整できることがある |
| 「手続きを変えたら、今まで払った費用が無駄になる」 | 委任が終わるときは、弁護士は委任契約に従って金銭を清算し、預り金を返す(職務基本規程45条)。着手金などが戻るかどうかは委任契約の内容による |
弁護士職務基本規程45条は「弁護士は、委任の終了に当たり、委任契約に従い、金銭を清算した上、預り金及び預り品を遅滞なく返還しなければならない。」と定めています。また44条は、委任の終了に当たって事件処理の状況や結果を説明しなければならないとしています。
費用が払えない状況を黙って先延ばしにするほど、辞任・督促の再開・一括請求と、選べる手が減っていきます。今月払えないと分かった今が、いちばん多くの手が残っている時点です。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
今の状況ごとに、最短でやること
| 今の状況 | 最短でやること |
|---|---|
| 今月の分割が払えない(初めて) | 今日中に事務所へ連絡し、「いつ・いくらなら払えるか」を伝える |
| すでに数か月遅れている・事務所の電話に出ていない | 辞任の前にこちらから連絡する。委任契約書の解除の欄を確認する |
| 分割の額そのものが家計に合っていない | 分割額の見直しと、手続き(個人再生・自己破産)の見直しを相談する |
| 法テラスの立替を返している | 依頼先と法テラスの地方事務所の両方に申し出る。猶予の申請ができるか確認する |
| すでに辞任された・業者から連絡が来た | 書類や連絡の内容を控え、すぐに次の相談先を探す(一括請求・裁判の書類なら期限がある) |
弁護士費用の支払いに困っているという方は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
よくある質問
Q. 弁護士費用が1回遅れたら、すぐ辞任されますか。
A. 法令や弁護士会の規程に、1回の遅れで必ず辞任とする定めはありません。弁護士職務基本規程43条は、依頼者との信頼関係が失われ、回復が困難なときに辞任などの措置をとると定めています。遅れそうなときに自分から連絡することが大切です。扱いは委任契約書の内容でも変わります。
Q. 辞任されたら、業者からの督促は再開しますか。
A. 再開しうると考えてください。金融庁の監督指針は、弁護士等に対する委任が終了した旨の通知があった場合を、業者が本人に直接連絡する「正当な理由」にあたる可能性が高い例に挙げています。
Q. 着手金が払えないと、依頼を受けてもらえませんか。
A. 事務所によって、分割や後払いの扱いは違います。法テラスの立替(民事法律扶助)を使える場合もあります。日弁連の規程6条・日司連の指針5条3項は、資力が乏しい場合などに、法律扶助の制度を説明・教示するよう定めています。
Q. 法テラスへの返済が遅れたらどうなりますか。
A. 法テラスは、督促や協力会社への委託、裁判所の手続きによる回収をすることがあるとし、民法に定められた3パーセントの損害金も発生するとしています。返済が難しいときは、必ず地方事務所に申し出るよう案内しています。猶予・免除の仕組みもあります。
Q. 払えないなら、自分から解任して別の事務所に頼んでもいいですか。
A. 委任はいつでも解除できます(民法651条1項。相手に不利な時期の解除は損害の賠償を求められることがあります)。ただし解任すると督促が再開しうるので、次の依頼先を決めてから切り替えるのが安全です。法テラスを使っている場合は、地方事務所長の承認なく解任することはできません。
Q. 任意整理の弁護士費用は、いくらまでが普通ですか。
A. 「普通」の額というより、上限が決まっています。日弁連の規程では、個人の任意整理の場合、解決報酬金は債権者1社あたり2万円まで(事業用資金の借入れで担保がある場合などは例外あり)、減額報酬は減額された額の10パーセントまで(いずれも消費税別)です。司法書士は、日司連の指針で1社あたり合計5万円まで、減額報酬は10パーセントまでです。着手金は弁護士の規程では金額の上限がなく、「適正かつ妥当な金額」とするよう定められています。
まとめ
債務整理の弁護士費用が払えないときに、押さえておくことは次のとおりです。
🔎 30秒でわかる結論
- 法令や弁護士会の規程に、1回の遅れで必ず辞任という定めはない。ただ、連絡を絶つと信頼関係が保てず、辞任を検討される理由になりうる
- 辞任で委任の終了が業者に伝わると、直接の督促が再開しうる(金融庁の監督指針)
- 督促が止まっている間も、借金そのものは残っている
- 払えないと分かったら、「いつ・いくらなら払えるか」を事務所に伝える。費用は書面で確認できる
- 法テラスの立替は、返済が難しければ申し出る。猶予・免除の仕組みがある
- 分割の返済そのものが無理なら、個人再生・自己破産への切り替えも相談できる
費用が払えないことは、手続きを見直す合図です。今の事務所に言い出しにくいときは、別の窓口で話を聞いてもらうだけでも、次の一手が見えてきます。
借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
📚 出典(公的機関・法令)を見る
- e-Gov 民法 651条1項(委任の解除) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- e-Gov 貸金業法 21条1項9号(弁護士等から書面による通知があった場合の取立て行為の規制) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032
- 金融庁「貸金業者向けの総合的な監督指針(II.貸金業者の監督に当たっての評価項目)」II-2-19 取立行為規制(法第21条第1項第9号の「正当な理由」に該当する可能性が高い例) https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kashikin/02.html
- 日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(会規第九十三号)4条・6条・9条2項・10条・13条・14条 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf
- 日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程施行規則」(規則第百四十五号)2条・3条 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kisoku/kisoku_no_145.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」(会規第七十号)43条・44条・45条 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf
- 日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」4条3項・5条2項・3項・9条・10条 https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement_list/uploads/eef60054829e003e2c157ee6edde90442d7e2ec8.pdf
- 法テラス「民事法律扶助のしおり」(立替金の返済(償還)・償還の猶予・償還免除・受任者等の解任) https://www.houterasu.or.jp/uploaded/attachment/7483.pdf
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年10月時点)
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