※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています
・「おすすめランキング1位の事務所に頼めば、間違いない」
・「テレビCMをやっている大手なら安心だ」
任意整理を頼む事務所を探していて、こんなふうに考えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、どちらも根拠にはなりません。日本弁護士連合会(日弁連)の「弁護士等の業務広告に関する規程」3条5号は「特定の弁護士……又はこれらの事務所と比較した広告」を禁止し、弁護士職務基本規程13条は「依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない」と定めています。日本司法書士会連合会(日司連)の指針14条も同じです。つまり、弁護士・司法書士の「おすすめ順位」を公式に付けられる主体は存在せず、ランキングは誰かの都合で並んだ表示にすぎません。
とはいえ、基準を持たずに選ぶと、1社の残高が140万円を超えていて司法書士では代理できなかった、広告の「着手金0円」の裏に別名目の手数料があった、といった後悔が起きるのも事実です。
本記事では、ランキングの代わりに使える5つの選び方の基準と、避けるべき広告の型、相談の場で聞くべき質問を、司法書士法と最高裁判例、日弁連・日司連の受任と広告のルール、法テラスの公表資料をもとに紹介します。
すでにいくつかの事務所を見比べている人はもちろんのこと、どこから探せばいいか分からないという人も、基準をしっかりと理解しておきましょう。

「任意整理 おすすめ」で検索したら、ランキングサイトばかりで……どれを信じればいいんでしょう。

どれも信じなくて大丈夫です。弁護士・司法書士の比較広告と紹介料は、ルールで禁止されています。順位を公式に付けられる人はいません。

じゃあ、何を見て決めればいいんですか?

見るのは5つだけです。運営者の実在・140万円・本人の面談と説明・費用の示し方・広告の言い回し。全部、条文とルールで確認できます。

自分でそこまで調べられるでしょうか……。

調べられます。検索ページと、相談のときに聞く質問を用意しました。順番に見ていきましょう。
🔎 30秒でわかる結論
- 「おすすめランキング」に公的な根拠はない。比較広告は禁止(日弁連広告規程3条5号)、紹介の対価も禁止(弁護士職務基本規程13条/日司連指針14条)
- 基準①運営者が弁護士・司法書士本人で、実在が確認できる=日弁連「弁護士情報検索」・日司連「司法書士検索」(簡裁代理権の有無も見られる)
- 基準②あなたの借入先ごとの残高を扱える=1社でも140万円を超えれば弁護士(最高裁 平成28年6月27日判決=個別の債権の価額で判定)
- 基準③本人が面談し、方針・費用・不利益を説明する(日弁連規程3条・4条/日司連指針4条〜6条)。電話だけで契約を迫るのはルール違反
- 基準④費用が報酬表で示され、上限内で、別名目の手数料がない(日弁連=解決報酬金1社2万円以下・減額報酬10%以下・計算手数料等は禁止/日司連=1社あたり合計50,000円以下・減額報酬10%以下)
- 基準⑤広告の言い回しがルールに反していない=「国が認めた借金減額制度」「どう入力しても減額」「体制がないのに全国対応・24時間365日相談対応」は日弁連の指針が違反例に列挙
- 迷ったら、借入先ごとの残高メモを持って無料相談へ行き、5つの質問をするのが最短
📖 この記事でわかること
- なぜ「おすすめランキング」を根拠にできないのか
- 基準①:運営者が弁護士・司法書士本人で、実在が確認できる
- 基準②:あなたの借入先ごとの残高を扱える(140万円)
- 基準③:本人が面談し、方針・費用・不利益を説明する
- 基準④:費用の示し方が明確で、ルールの上限内
- 基準⑤:広告の言い回しがルールに反していない
- 相談で聞く5つの質問
- よくある質問
なぜ「おすすめランキング」を根拠にできないのか
理由は3つあり、いずれもルールに書かれています。
| ルール | 内容 | ランキングとの関係 |
|---|---|---|
| 日弁連「弁護士等の業務広告に関する規程」3条5号 | 「特定の弁護士、弁護士法人……又はこれらの事務所と比較した広告」は禁止 | 弁護士自身が「他より上」と広告できない=順位は弁護士側から出ない |
| 弁護士職務基本規程13条 | 「依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない」 | 事務所が「紹介料」で順位を買う構造はルール違反 |
| 日司連「債務整理事件の処理に関する指針」14条 | 「不当な方法によって債務整理事件の依頼を誘致し」てはならない/紹介の対価を「名目の如何にかかわらず」支払ってはならない | 司法書士側も同じ |
出典:日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」「弁護士職務基本規程」/日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」(2026年9月時点)
つまり、弁護士・司法書士の側から「おすすめ順位」を出すことはできず、第三者が紹介の対価を受け取って順位を付ける構造も認められていません。ランキングを見る時間は、事務所を選ぶ役には立ちません。代わりに、条文とルールで確かめられる5つの基準を使ってください。
💡 ここ、勘違いされがち
本サイトも、特定の事務所を順位付けしません。相談窓口は広告として紹介しており、どこに依頼するかは、以下の基準で読者自身が判断するものです。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
基準①:運営者が弁護士・司法書士本人で、実在が確認できる
任意整理の交渉を代理できるのは、弁護士と、法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)だけです。弁護士法72条は、「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で……法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」と定めています。だから最初に確かめるのは、誰が受任するのかです。
| 確認すること | 見る場所 | できること |
|---|---|---|
| 弁護士の実在・登録番号 | 日弁連「弁護士情報検索」 | 「日本弁護士連合会……に現在登録されているすべての弁護士を検索することができます」。氏名・所属弁護士会・事務所名称・事務所所在地・登録番号などが見られる |
| 司法書士の実在・簡裁代理権 | 日司連「司法書士検索」 | 「司法書士の氏名、事務所所在地、事務所電話番号、事務所名称、簡裁代理権の有無」が見られる。任意整理の代理には簡裁代理権が必要(対象は基準②の140万円以下の債権に限られる) |
| 認定司法書士とは | 法務省 | 「簡裁訴訟代理等関係業務は,業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した司法書士に限り,行うことができるとされています」 |
出典:日本弁護士連合会「弁護士情報検索」/日本司法書士会連合会「司法書士検索」/法務省「司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定」(2026年9月時点)
💡 ポイント
ホームページの「事務所概要」「特定商取引法に基づく表記」で、事務所名と担当する弁護士・司法書士の氏名を確認し、上の検索で実在を確かめます。会社名だけで担当者名がない、検索で出てこない——どちらかに当たれば、その候補は外してください。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
基準②:あなたの借入先ごとの残高を扱える(140万円)

司法書士のほうが安いと聞いたので、司法書士事務所を探しています。

その前に借入先ごとの残高を見てください。1社でも140万円を超えていると、その相手との交渉は司法書士では代理できません。
司法書士法3条1項7号は、認定司法書士が相談に応じ裁判外の和解を代理できる範囲を「紛争の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの」に限り、裁判所法33条1項1号のその額は「百四十万円」です。そして最高裁判所 平成28年6月27日判決は、この140万円を「当該債務整理の対象となる個別の債権の価額」で判定すると判断しました。借金の合計ではなく、1社ごとです。
| あなたの状況 | 候補になる事務所 |
|---|---|
| 1社でも140万円を超える借入先がある | 弁護士事務所(司法書士はその債権の和解を代理できない) |
| 全社140万円以下 | 弁護士事務所・認定司法書士事務所のどちらも候補 |
| 自己破産・個人再生になりそう | 弁護士事務所(司法書士は裁判所に提出する書類の作成まで=司法書士法3条1項4号) |
| 訴えられた(簡易裁判所で140万円以下の訴訟を除く)、または差押えの通知が来た | 弁護士事務所(司法書士の代理は簡易裁判所の140万円以下の手続きに限られ、強制執行に関する事項は代理不可) |
出典:e-Gov法令検索「司法書士法」「裁判所法」/裁判所「最高裁判所判例集 平成28年6月27日 第一小法廷判決」(2026年9月時点)
💡 ここ、勘違いされがち
「安いから司法書士」で選んで、あとから140万円超の借入先が見つかると、弁護士に頼み直しになり、費用は二重になります。事務所を探す前に、借入先ごとの残高を1枚の紙に書き出してください。
借入先ごとの残高がはっきりしないという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。
基準③:本人が面談し、方針・費用・不利益を説明する
受任のしかたにも、ルールがあります。日弁連の「債務整理事件処理の規律を定める規程」3条は、受任する予定の弁護士が「当該債務者と自ら面談をして」、債務の内容・資産や収入や生活費などの生活状況・不動産の処理に関する希望・処理に関する意向を聴取しなければならないと定め、日弁連はこれを「弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則です」と説明しています。4条は、事件処理の方針及び見通し・弁護士費用と、資格の制限・信用情報機関への登録・資産を失う可能性といった不利益事項の説明を義務づけています。
司法書士も同じです。日司連の指針4条1項は「自ら依頼者又はその法定代理人と直接面談を行わなければならない」(面談できない合理的な理由があり、かつ依頼者が希望する場合はテレビ電話・ウェブ会議も可)、5条は契約書の交付と報酬表の提示、6条は「事例に応じ予想される不利益を十分に説明しなければならない」と定めています。
| 基準③を満たしている | 満たしていない(外す) |
|---|---|
| 担当する弁護士・司法書士本人が面談する | 事務員や「相談員」だけで話が進み、本人が出てこない |
| 方針・見通し・費用・不利益をその場で説明する | 費用の話を後回しにする、不利益の説明がない |
| 契約書を交付し、依頼するかは持ち帰って決められる | 電話だけで契約を迫る、面談前に着手金を求める |
| 他の借入先も含めて全体を聴く | 他の借入先を聴かずに過払い金だけを扱おうとする(日司連指針7条2項が禁止) |
💡 ポイント
日弁連の規程18条には広告の規制もあり、日弁連の解説では「弁護士と面談する必要があることを広告に表示するよう努めることになっています」と説明されています。「面談が必要です」と書いてある事務所は、ルールどおりに動いているサインです。
返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
基準④:費用の示し方が明確で、ルールの上限内
費用に公的な一律料金表はありません。日弁連は「弁護士の費用は、個々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準小売価格というようなものはありません」と説明しています。だからこそ、見るべきは「示し方」と「上限内か」です。
| 項目 | 弁護士(日弁連の規程) | 司法書士(日司連の指針) |
|---|---|---|
| 着手金 | 上限規制なし。ただし計算手数料・管理手数料等の名目の手数料は禁止(10条・11条) | 1社あたり合計50,000円以下に含まれる(9条) |
| 解決報酬金 | 1社あたり2万円以下が原則(商工ローンは5万円以下) | 独立した区分はなく、着手金などと合算して1社あたり50,000円以下(9条) |
| 減額報酬 | 減額分の10%以下 | 減額・免れた元本の10%以下(10条) |
| 過払金報酬 | 訴訟によらない場合20%以下/訴訟による場合25%以下 | 20%/25%(11条) |
| その他の名目 | 個別手数料は原則受領禁止 | 「名目の如何にかかわらず」禁止(13条) |
| 報酬の示し方 | 広告に報酬基準を表示するよう努める(18条) | 報酬表を提示し、書面を交付(5条2項) |
出典:日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」/日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」(2026年9月時点)
広告の「着手金0円」にも注意が要ります。日弁連の「業務広告に関する指針」は、「着手金0円」「着手金はいただきません」と記載しているにもかかわらず、事件の受任に当たり手数料、管理料等の名目で金銭を収受する場合を、誤導又は誤認のおそれのある広告の例に挙げています(別途収受する旨の明瞭な表示がある場合を除く)。「着手金0円」の事務所には、「別の名目で払うものはありますか」と必ず聞いてください。
公的に確認できる目安は、法テラスの立替基準です。任意整理は1社43,000円(着手金33,000円+実費10,000円)〜21社以上233,000円で、「原則として報酬金は発生しませんが、過払金を回収できた場合、報酬金が発生します」とされています。これは法テラスの立替制度を使う場合の目安ですが、比較の物差しにはなります。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
基準⑤:広告の言い回しがルールに反していない
日弁連の「弁護士等の業務広告に関する規程」3条は、事実に合致していない広告・誤導又は誤認のおそれのある広告・誇大又は過度な期待を抱かせる広告・困惑させ又は過度な不安をあおる広告などを禁止し、「業務広告に関する指針」(令和8年2月19日改正)が債務整理の広告について具体例を挙げています。日司連の指針19条も、「有利な結果を保証するような内容の広告宣伝」と「面談等を行う以前に、過払金の発生、又は債務の減額を期待させる内容の表示」を禁じています。これらは、そのまま避けるべき広告の型のリストになります。
| 広告の言い回し | ルール上の位置づけ |
|---|---|
| 「国が認めた借金減額制度」「国が認めた借金救済制度」 | 誇大又は過度な期待を抱かせる広告の例(そのような制度は存在しない) |
| 「減額診断」でどのように入力しても「0円又は減額になる可能性があります」と表示 | 誇大又は過度な期待を抱かせる広告の例 |
| 「当事務所ではどんな事件でも解決してみせます」「たちどころに解決します」 | 誇大又は過度な期待を抱かせる広告の例 |
| 「必ず減る」など、有利な結果を保証する表示 | 日司連指針19条1項=有利な結果を保証するような内容の広告宣伝の禁止 |
| 体制がないのに「全国対応」 | 誤導又は誤認のおそれのある広告の例(受任体制が整っていないにもかかわらず) |
| 体制がないのに「24時間365日相談対応」 | 誤導又は誤認のおそれのある広告の例(相談体制が整っていないにもかかわらず) |
| 「着手金0円」で別名目の手数料を取る | 誤導又は誤認のおそれのある広告の例 |
| 強硬な取立ての体験記で不安をあおって勧誘 | 困惑させ、又は過度な不安をあおる広告の例 |
| 「訴訟の勝訴率」の表示 | 規程4条1号=表示できない広告事項 |
| 他の事務所との比較・順位 | 規程3条5号=比較広告の禁止 |
出典:日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」3条・4条/「業務広告に関する指針」(2026年9月時点)
💡 ここ、勘違いされがち
広告の言い回しは、事務所がルールをどれだけ守る姿勢かを映します。上の表に当たる表現を使っている候補は、ほかの基準を満たしていても外すのが安全です。減るかどうかは面談でしか判断できないのですから、「減る」と言い切らない事務所のほうが、ルールどおりに動いています。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
相談で聞く5つの質問
基準を満たしているかは、面談で次の5つを聞けば確かめられます。借入先ごとの残高メモを持って行き、そのまま読み上げてください。
| 質問 | 確かめている基準 | 答えの見方 |
|---|---|---|
| 「担当していただく先生のお名前と登録番号を教えてください」 | ①運営者の実在 | 名前が出れば検索で確認。出なければ外す |
| 「この借入先ごとの残高で、先生に代理していただけますか」 | ②140万円 | 司法書士なら1社ごとの額で判定される。超える社があるなら弁護士へ |
| 「方針と、信用情報などの不利益を今日説明していただけますか」 | ③面談と説明 | 説明義務(日弁連規程4条/日司連指針6条)を果たす事務所は、その場で答える |
| 「着手金・報酬金の内訳と、それ以外に払う名目があるか教えてください」 | ④費用 | 報酬表で示され、上限内で、別名目がなければ合格 |
| 「減るかどうかは、今の時点で分かりますか」 | ⑤言い回し | 「面談と取引履歴を見てから」「事案による」と答えるのがルールどおり。「必ず減ります」は外す |
女性の弁護士・司法書士に相談したい場合は、事務所に直接その希望を伝えてください。法テラスも「女性(男性)の弁護士・司法書士に相談したいです。」という質問に対して、法テラスと契約のある事務所に直接電話して希望を伝えるよう案内しています(相談を引き受けるかの判断は各弁護士・司法書士が行うため、必ず希望どおりになるとは限りません)。
💡 ポイント
5つの質問に答えられない事務所は、答えられる事務所に替えればよいだけです。法テラスの無料法律相談は同一問題で3回まで、別の弁護士・司法書士にも相談できます。比べる時間の上限は、借入先ごとの残高を書き出してから2〜3件の面談までと決めてください。迷っている間も、遅延損害金(貸金業者は利息制限法7条1項の上限=年2割)と督促は進みます。
返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
よくある質問
Q. 任意整理は、どこの事務所に頼むのがおすすめですか?
A. 特定の事務所を順位付けすることはできません。弁護士・司法書士の比較広告は日弁連の広告規程3条5号で禁止され、紹介の対価も弁護士職務基本規程13条・日司連指針14条で禁じられているため、「おすすめ順位」に公的な根拠はありません。代わりに、運営者の実在・140万円・本人の面談と説明・費用の示し方・広告の言い回しの5つの基準で判断してください。
Q. 大手の事務所やテレビCMをしている事務所なら安心ですか?
A. 規模やCMの有無は基準になりません。確認すべきは、担当する弁護士・司法書士本人が面談して方針・費用・不利益を説明するか(日弁連規程3条・4条/日司連指針4条〜6条)、費用が報酬表で示され上限内か、広告の言い回しがルールに反していないか、です。日弁連の指針は、受任体制が整っていないにもかかわらず「全国対応」と表示することを誤導の例に挙げています。
Q. 司法書士事務所のほうが安いので、司法書士に頼みたいのですが。
A. まず借入先ごとの残高を確認してください。1社でも140万円を超える借入先があれば、その債権の和解は司法書士では代理できません(最高裁 平成28年6月27日判決)。全社140万円以下なら候補になります。費用は事務所ごとの報酬表で決まり、司法書士には1社あたり合計50,000円以下という上限(日司連指針9条)があります。
Q. 女性の弁護士・司法書士に相談したいです。
A. 事務所に直接、その希望を伝えてください。法テラスも、法テラスと契約のある事務所に直接電話して女性(男性)の弁護士・司法書士との相談を希望する旨を伝えるよう案内しています。相談を引き受けるかは各弁護士・司法書士が判断するため、必ず希望どおりになるとは限りません。
Q. 無料相談で複数の事務所を比べてもいいですか?
A. 構いません。法テラスは「相談をした弁護士・司法書士に必ず依頼をしなければならないというものではありません」とし、同一問題で3回まで別の弁護士・司法書士に相談できるとしています。ただし比べる期間は短くしてください。迷っている間も遅延損害金と督促は進み、信用情報の「契約継続中及び契約終了後5年以内」(JICC)というカウントは決着させるまで始まりません。
Q. 事務所の広告に「国が認めた借金減額制度」と書いてありました。
A. そのような制度はありません。日弁連の指針は、この表現を「あたかも破産や民事再生以外に、債務者にとって特別に有利な法的債務整理の制度が存在するとの期待を抱かせる表現」として、誇大又は過度な期待を抱かせる広告の例に挙げています。この表現を使っている候補は外してください。
まとめ:ランキングではなく、5つの基準で選ぶ
弁護士・司法書士の比較広告は禁止され(日弁連広告規程3条5号)、紹介の対価も禁じられているため(弁護士職務基本規程13条/日司連指針14条)、「おすすめランキング」に公的な根拠はありません。代わりに使えるのは5つの基準です。①運営者が弁護士・司法書士本人で実在が確認できる(弁護士情報検索・司法書士検索)、②借入先ごとの残高を扱える(1社でも140万円超なら弁護士)、③本人が面談し、方針・費用・不利益を説明する(日弁連規程3条・4条/日司連指針4条〜6条)、④費用が報酬表で示され、上限内で、別名目の手数料がない、⑤広告の言い回しがルールに反していない。
面談では、担当者の名前と登録番号・自分の残高で代理できるか・方針と不利益の説明・費用の内訳と別名目の有無・減るかどうかを今言えるか、の5つを聞いてください。答えられない事務所は替えればよく、法テラスの無料相談なら同一問題で3回まで別の弁護士・司法書士に相談できます。
比較サイトを回る時間を、借入先ごとの残高を書き出す時間に替えてください。それを持って面談に行けば、5つの基準はその場で確かめられます。依頼するかどうかは、話を聞いてから決められます。
借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
📚 出典(公的機関・法令)を見る
- 日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」(会規第44号・PDF。3条=事実に合致していない広告/誤導又は誤認のおそれのある広告/誇大又は過度な期待を抱かせる広告/困惑させ、又は過度な不安をあおる広告/特定の弁護士等又はこれらの事務所と比較した広告 等の禁止/4条1号=訴訟の勝訴率は表示できない) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_044.pdf
- 日本弁護士連合会「業務広告に関する指針」(令和8年2月19日改正・PDF。誤導又は誤認の例=「着手金0円」と記載しながら手数料・管理料等の名目で金銭を収受/相談体制が整っていないにもかかわらず「24時間365日相談対応」/受任体制が整っていないにもかかわらず「全国対応」/「借金減額診断」等で入力のみでは処理方針等が判断できないにもかかわらず判断ができる旨の記載。誇大又は過度な期待の例=「当事務所ではどんな事件でも解決してみせます」「国が認めた借金減額制度」「国が認めた借金救済制度」/どのように入力しても「0円又は減額になる可能性があります」等と表示。不安をあおる例=強硬な取立ての状況の体験記を記載する等して勧誘) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/other/shishin_kaiki_44.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」(会規第70号・PDF。13条=依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価の支払禁止/30条=弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書の作成義務) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf
- 日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」(弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則/規程3条=面談による事情聴取/4条=方針・不利益事項の説明/着手金は上限規制なし・計算手数料・管理手数料等の名目の手数料は禁止(10条・11条)/解決報酬金1社あたり2万円以下・商工ローン5万円以下/減額報酬金10%以下/過払金報酬金20%・25%以下/18条=報酬基準の広告表示努力義務・面談を要する旨の広告表示努力義務) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html
- 日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(会規第93号・PDF。3条=債務の内容・資産収入生活費その他の生活状況・不動産の処理に関する希望・処理に関する意向を自ら面談して聴取/4条=事件処理の方針及び見通し、弁護士報酬及びその他の費用、資格制限・信用情報機関への登録・資産を失う可能性等の不利益事項の説明) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」(弁護士の費用は、個々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準小売価格というようなものはありません) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid.html
- 日本弁護士連合会「弁護士情報検索」(日本弁護士連合会に現在登録されているすべての弁護士を検索することができます/氏名、所属弁護士会、事務所名称、事務所所在地、登録番号、性別等) https://member.nichibenren.or.jp/general_search
- 日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」(令和7年2月19日〜20日理事会決定・同年4月23日〜24日理事会改正・PDF。4条=受任予定の司法書士が自ら直接面談・合理的な理由があり依頼者が希望する場合はテレビ電話又はウェブ会議も可/5条=契約書の交付・報酬表の提示/6条=不利益の説明/7条2項=他の債務の有無を聴取せず過払金返還請求事件のみを受任してはならない/9条=任意整理事件の報酬は債権者一人あたり50,000円以下/10条=減額報酬10%/11条=過払金返還報酬20%・25%/13条=名目の如何にかかわらずその他の報酬の禁止/14条=不当誘致の禁止・紹介の対価の支払・受領の禁止/19条=有利な結果を保証するような内容の広告宣伝の禁止・面談等を行う以前に過払金の発生又は債務の減額を期待させる内容の表示の禁止) https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement_list/uploads/eef60054829e003e2c157ee6edde90442d7e2ec8.pdf
- 日本司法書士会連合会「司法書士検索」(日本司法書士会連合会に現在登録されている司法書士及び司法書士法人を検索/司法書士の氏名、事務所所在地、事務所電話番号、事務所名称、簡裁代理権の有無) https://www.shiho-shoshi.or.jp/other/doui/
- 法務省「司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定」(簡裁訴訟代理等関係業務は,業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した司法書士に限り,行うことができる) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji116.html
- e-Gov法令検索「司法書士法」(3条1項4号=裁判所に提出する書類の作成/6号ただし書=再審及び強制執行に関する事項は代理不可/7号=紛争の目的の価額が裁判所法33条1項1号に定める額を超えない民事紛争の相談・裁判外の和解の代理) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197
- e-Gov法令検索「裁判所法」(33条1項1号=訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000059
- 裁判所「最高裁判所判例集 平成26(受)1813 平成28年6月27日 第一小法廷判決」(債務整理を依頼された認定司法書士は、当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が司法書士法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することができない) https://www.courts.go.jp/hanrei/85969/detail2/index.html
- e-Gov法令検索「弁護士法」(72条=弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で……法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205
- 法テラス「任意整理 費用の目安」(1社43,000円=着手金33,000円+実費10,000円〜21社以上233,000円/原則として報酬金は発生しないが過払金を回収できた場合は発生) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/seirihiyou.html
- 法テラス「無料法律相談に関するよくあるご質問」(相談をした弁護士・司法書士に必ず依頼をしなければならないというものではありません/同一問題で3回まで・別の弁護士・司法書士に相談をすることもできます/女性(男性)の弁護士・司法書士に相談したい場合は法テラスと契約のある事務所に直接電話して希望を伝える・相談を引き受けるかの判断は各弁護士・司法書士が行う) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/soudanqa.html
- e-Gov法令検索「利息制限法」(7条1項=営業的金銭消費貸借の賠償額の予定は年2割を超える部分が無効) https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100
- JICC「信用情報の内容と登録期間」(取引事実に関する情報=債務整理等/契約日2019年10月1日以降=契約継続中及び契約終了後5年以内) https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年9月時点)
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