※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています
・「差押予告書が届いたら、もう差し押さえは止められない」
・「期限を1日でも過ぎたら、給料も口座もすぐに全部取られる」
こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、差押予告書は、法律で送ることが決められた書類ではありません。さいたま市は、差押えの前に送る催告書(差押事前通知書)について「法律上の規定はなく、あくまで納税者に自主納付を促す文書です。」と説明しています。そして自治体は、一度に払えない人に、窓口へ連絡して相談するよう呼びかけています。
とはいえ、税金や国民健康保険料の差押えは裁判所の手続きなしで行うことができ、事前の連絡はしないと明言している自治体があるのも事実です。
本記事では、差押予告書が届いたときの意味と期限、税金・国保と借金での違い、本物か詐欺かの見分け方、差し押さえを止めるためにできることについて紹介します。
すでに書面の期限が過ぎてしまった人はもちろんのこと、届いたばかりで何から手をつければいいか分からない人も、差し押さえが実行される前にしっかりと確認しておきましょう。

「差押予告書」という封筒が届きました。住民税を払えていなくて……。もう給料を取られるんでしょうか。

予告書は、差し押さえる前に「自分から払ってください」と促す知らせです。ただ、期限までに納付も相談もなければ、差し押さえに進む可能性があります。まずは書面に書かれた窓口に、分割で払えないかを相談しましょう。

でも、カードの返済もあって、税金に回すお金がないんです。

税金は自己破産しても免除されません。だからこそ、カードなどの借金のほうを債務整理して、税金に回すお金を作るという考え方があります。

借金の相談をしても、税金の問題は解決しないと思っていました。

税金そのものは減りません。でも、毎月の支払いの全体を組み直すと、役所との分納の約束を守れるようになることがあります。両方を一緒に考えるのが近道です。
🔎 30秒でわかる結論
- ★本人あてに届く差押予告書(差押事前通知書・催告書など)は、法律で決められた書類ではない。法律が差押えの前提にしているのは、原則として督促状。予告書は「自主納付を促す文書」(さいたま市)
- ★税金・国保は、裁判所を通さずに差し押さえられる。税金は「督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに」完納しないと差し押さえなければならない、と法律が定めている。国保料も、督促状の指定期限を過ぎると税と同じやり方で差し押さえられる
- ★予告書の期限が過ぎたら、いつ差し押さえられてもおかしくない。事前の連絡はしないとする自治体もある。「予告から何日」という決まりはない
- ★一度に払えないなら、期限内に窓口へ分納・猶予の相談。国税の換価の猶予は、納期限から6か月以内の申請・原則1年以内(地方税は申請できる期間が条例で決まり、猶予は同じく1年以内)
- ★税金は債務整理で減らせない。だからこそ、カードなどの借金を整理して、税金に回すお金を作るという考え方がある
- ★メールやSMSの「差押予告」は要注意。国税庁は差押えに関するSMS・メールの連絡をしていない
📖 この記事でわかること
- 差押予告書とは?督促状との違い
- 誰から届いた?税金・国保と、カード・消費者金融の借金では意味が違う
- 期限切れ・無視したらどうなる?
- 届いたらやること:分割納付・猶予の相談
- 本物?詐欺?メール・SMSで届いた「差押予告」の見分け方
- 税金は債務整理で減らない。それでも借金の相談をする意味
- 債務整理のデメリットと、それでも今動く理由
- 今の状況ごとに、最短でやること
差押予告書とは?督促状との違い

督促状は前にも来ていました。予告書とは何が違うんですか。

督促状は法律で決められた書類、予告書は自治体などが任意に送る書類です。督促状を発した日から10日を過ぎても完納しないと、法律上は差し押さえに進める状態になります。
税金の差押えは、督促状が出発点です。習志野市は督促状を「法令に定められた滞納処分の前提手続き」と説明し、「納期限を過ぎても納付がなければ、督促は法律に基づいて必ず送付されます。」としています。
一方、差押えの前に届く「差押予告書」「差押事前通知書」「催告書」などについて、さいたま市は次のように書いています。
「なお、催告書(差押事前通知書)は督促状と異なり、法律上の規定はなく、あくまで納税者に自主納付を促す文書です。早期に徴収する必要があるなど状況によっては、催告書(差押事前通知書)を送付する前に滞納処分を受ける場合もあります。一時に納付が困難な方は、市税事務所納税課までご連絡ください。」
| 書類 | 法律上の位置づけ | 届いたときの意味 |
|---|---|---|
| 督促状 | 法律で送ることが決められている(差押えの前提) | 法律上は、発した日から10日を過ぎても完納しなければ差押えに進める状態 |
| 差押予告書・差押予告通知書・差押事前通知書・催告書など | 法律上の規定はない(さいたま市)。名前や送るかどうかは自治体による | 差押えの前に、自分から払うよう促す知らせ。書面の期限までに納付も相談もなければ、差押えに進む可能性がある |
※「差押予告書」と「差押予告通知書」の違いを公的に定めた資料は見当たりません。送り主によって呼び方が違う、と考えてください。なお、保証人などにあてた「納付催告書」は法律上の書類です。また、繰上請求を受けた国税など督促が不要とされている国税は督促なしで(国税徴収法47条1項2号)、督促のあとでも繰上請求にあたる事実が生じたときは10日を待たずに(同条2項)、差押えができます。
✅ このセクションのまとめ
予告書は「自分から払ってください」というお知らせであって、法律上の必須の手順ではありません。送らずに差し押さえる場合もあると、自治体自身が書いています。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
誰から届いた?税金・国保と、カード・消費者金融の借金では意味が違う

カード会社からも「法的手続きの予告」という手紙が来ています。同じものですか。

同じものではありません。送り主が役所か、民間の会社かで、差し押さえまでの道のりがまったく違います。まず封筒の差出人を確認してください。
税金・国民健康保険料:裁判所を通さずに差し押さえられる
国税徴収法47条1項1号は、差押えをしなければならない場合として「滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。」を挙げています。住民税(市町村民税)は地方税法331条1項1号、自動車税は同法168条1項1号に同じ形の定めがあります。
国民健康保険料も同じ扱いです。国民健康保険法79条の2は保険料を地方自治法231条の3第3項の「法律で定める歳入」とし、同項は督促の期限までに納めないときは「地方税の滞納処分の例により処分することができる。」と定めています。葛飾区も「督促状の指定期限を過ぎても国民健康保険料の納付がない場合、国民健康保険法第79条の2、地方自治法第231条の3第三項に基づく地方税法、国税徴収法の例により、財産の差押え等を行います。」と案内しています。
八王子市は「また税金滞納による差押の場合、裁判所への手続等は必要とせず、自力で差押を執行することができます。」と説明しています。
カード・消費者金融の借金:差し押さえには裁判所の手続きが要る
民間の借金で差し押さえ(強制執行)をするには、判決などの「債務名義」が必要です。民事執行法22条は「強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。」とし、確定判決や仮執行の宣言を付した支払督促などを挙げています。裁判所も、債権執行の申立ての前に「債務名義(Q&A)を取得してください。」と案内しています。
つまり、カード会社や消費者金融からの「差押予告」「法的手続きの予告」が届いた段階で、債務名義がまだなければ、原則として強制執行(差し押さえ)はできません。ただし、強制執行を受け入れる旨が書かれた公正証書(同条5号)や、裁判上の和解調書・調停調書など確定判決と同じ効力を持つもの(同条7号)は、それ自体が債務名義になります。また、不在などで書類を受け取れていなくても、裁判の手続きが進んでいる場合があります。「裁判所から何も来ていないはず」と思い込まず、予告の段階で動いてください。
| 税金・国民健康保険料 | カード・消費者金融の借金 | |
|---|---|---|
| 差し押さえに裁判所の手続き | 要らない(税金は督促状を発した日から10日、国保料は督促状の指定期限を過ぎても納めなければ差押えができる) | 要る(判決・支払督促などの債務名義) |
| 予告書の意味 | 自治体などが任意に送る、自主納付を促す文書 | 業者が訴訟や支払督促の前に送る通知(法律上の書類ではない) |
| 予告書の後に来るもの | 差押え(給与・預貯金・不動産・自動車など) | 裁判所からの訴状・支払督促→判決など→差押え |
| 債務整理で減らせるか | 減らせない(自己破産でも免責されない) | 減額・免責の対象になりうる |
カード会社や消費者金融から予告が届いているという方は、裁判所の書類が届く前に、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
期限切れ・無視したらどうなる?

予告書の期限、実はもう過ぎてしまいました。

期限が過ぎたら、いつ差し押さえられてもおかしくない状態です。「何日後」という決まりはないので、今日のうちに窓口へ電話してください。
横浜市は、催告書の期限について「差押事前通知の場合は、この期限までに納付が確認できないと滞納処分が執行されます。」と書いています。中野区は住民税について、差押えの前に督促状を送って自主納付を促しているとしたうえで、「なお、差押などの滞納処分にあたり、事前の連絡はいたしません。」としています。
一方で、長浜市は「自主的な納付を進めるため、差し押さえまでに必ず督促などの通知が送付されており、何の通知もなく差し押さえになることはありません。」と書いています。ここでいう通知には督促状も含まれます。督促状のあとに、予告書などの追加の連絡があるかどうかは、自治体によって説明が違うということです。予告書の後に、さらに知らせが来ると期待しないでください。
| 差し押さえで起きること | 自治体の説明 |
|---|---|
| 対象になる財産 | 習志野市「給与、預貯金、不動産、動産、自動車、売掛金などすべての財産」(財産調査の対象として) |
| 金額が少なくても | 中野区「滞納金額に関係なく、差押の対象になります。」 |
| 給与の差押え | 習志野市「給与の差押えは、滞納市税が完納に至るまで、毎月の給与等から一定額が差し引かれます。」 |
| 差し押さえた後 | 習志野市「差押え後も納付がない場合は、市が売却(公売)し滞納市税等に充てることがあります。」 |
| 解除 | 中野区「原則、差し押えられた未納の税金をすべて納めなければ、差押は解除できません(国税徴収法第79条)。」 |
※給与は全額が差し押さえられるわけではなく、国税徴収法76条で差し押さえられない部分が定められています(具体額は収入・家族構成などで変わります)。
💡 ここ、勘違いされがち
「期限が過ぎたから、もう相談しても遅い」ということはありません。習志野市は、払えないからとそのままにせず担当課に必ず相談するよう呼びかけています。一番まずいのは、何も連絡しないことです。
カードなどの返済も重なって滞納が長引きそうな場合は、窓口への連絡とあわせて、少しでも早い段階で弁護士などの専門家にも相談してください。
届いたらやること:分割納付・猶予の相談

一括では絶対に払えません。役所に行っても、怒られるだけじゃないですか。

怒られに行く場所ではなく、払い方を相談する窓口です。一度に払えない人のための制度も、法律に用意されています。国税の例を見てみましょう。
国税庁は「なお、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予(換価の猶予、納税の猶予)が認められる場合があります。」としています。さらに「猶予が認められた場合は、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予されるほか、猶予期間中の延滞税が免除または軽減されます。」とも書いています。
申請による換価の猶予は、次の要件をすべて満たすときに「原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合があります。」(国税庁)。
| 換価の猶予の要件(国税) |
|---|
| 1 国税を一時に納付することにより、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。 |
| 2 納税について誠実な意思を有すると認められること。 |
| 3 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。 |
| 4 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること。 |
| 5 原則として、担保の提供があること。 |
出典:国税庁 タックスアンサーNo.9206「国税を期限内に納付できないとき」(2026年10月時点)
納期限から6か月を過ぎていても、あきらめる必要はありません。国税には、申請による換価の猶予のほかに、税務署長の職権による換価の猶予もあります(国税徴収法151条)。まず税務署に相談してください。
住民税など地方税にも、申請による換価の猶予があります。ただし申請できる期間は、地方税法15条の6で「当該地方団体の条例で定める期間内」とされていて、自治体によって違います(猶予の期間は1年以内)。また、災害や病気、事業の廃止などの事情があるときは、国税には国税通則法46条の納税の猶予、地方税には地方税法15条の徴収の猶予もあります。
窓口に電話するときに伝えること
| 伝えること | 理由 |
|---|---|
| 届いた書面の名前と日付・期限 | どの段階か(督促状の後か・予告書の後か)を窓口が確認できる |
| 一度に払えない理由(収入の減少・病気・失業など) | 猶予や分納の判断材料になる |
| 毎月いくらなら払えるか | 分納の計画を立てるため。払えない額で約束すると、守れずに差押えに進みやすい |
| 他にも借金の返済があること | 家計全体の見直しが必要かどうかの判断になる |
中野区は、差押えをする場合の例として「事前に納付相談されていても納付約束などが守られていない」ことも挙げています。守れない分納の約束をしても、差押えは止まりません。カードなどの返済で家計が回らない人は、分納の額を決める前に、借金のほうの整理を考えてください。
カードなどの返済も苦しいという方は、分納の額を決める前に、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
本物?詐欺?メール・SMSで届いた「差押予告」の見分け方

スマホに「未納の税金を払わないと差し押さえる」というメッセージが来ました。本物ですか。

国税庁は、差押えに関するSMSやメールの連絡をしていません。ただ、市区町村の中にはSMSで納付を呼びかけるところもあるので、見分けるポイントを押さえましょう。
国民生活センターは、「国税庁を名乗るメールが届き、「税金の未納分を24時間以内に支払わなければ資産を差押える」と記載があった。」という相談を紹介し、「国税庁・国税局・税務署では、SMSやメールにより差押えに関する連絡をしていません。」と注意を呼びかけています。
一方、八王子市は「市税等(市民税・都民税、固定資産税・都市計画税、軽自動車税、国民健康保険税)の納付が確認できない方に対して、SMS(ショートメッセージサービス)によるメール催告を行っています。」としています。市川市も、未納の人にSMSで連絡する場合があり、内容は電話連絡のお願いだとしています。
| あやしいサイン | 自治体・国の説明 |
|---|---|
| メッセージのURLから支払い・個人情報の入力を求める | 八王子市「メールに記載したURLへアクセスし、口座情報等の個人情報の入力をお願いすることはありません。」 |
| 特定の口座への振込みを求める | 八王子市「特定の金融機関や口座番号への振込みをお願いすることはありません。」 |
| 支払方法が特定の決済サービスだけ | 市川市が詐欺の可能性がある内容として「支払方法が特定の決済サービス(PayPay等)のみ。」を挙げている |
| 国税の差押えをSMS・メールで予告してくる | 国税庁「国税の納付の求めや差押えに関して、ショートメッセージやメール、LINEによるメッセージを送信することはありません。」 |
迷ったら、SMSやメールに書かれた番号ではなく、自治体や税務署の公式サイトで調べた番号に電話して確かめてください。郵送の書面でも不審な点があれば、同じように公式サイトの番号で確認できます。裁判所も、裁判所を名乗る郵便について「記載されている電話番号がにせものでないか電話帳等で確かめた上で,裁判所に直接電話でお問い合わせください。」としています。
💡 「詐欺だと思って放置」も危ない
逆に、本物の裁判所からの郵便を「架空請求だろう」と放置するのは危険です。裁判所は「そのため,裁判所から郵便物が送付されて来ているのに,身に覚えがないとしてそのまま放置してしまうと,架空の請求について判決などがなされ,強制執行を受けるようなことがあります。」と注意しています。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
税金は債務整理で減らない。それでも借金の相談をする意味

税金が減らないなら、弁護士に相談しても意味がない気がします。

税金は減りません。でも、税金を払うお金を作るために、借金のほうを整理するのは意味があります。手続きごとに見てみましょう。
破産法253条1項は、免責が確定しても責任を免れないものとして、1号に「租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)」を挙げています。租税等の請求権は、国税徴収法または国税徴収の例によって徴収できる請求権のことで(破産法97条4号)、住民税や国民健康保険料もこれにあたります。自己破産をしても、税金や国保の滞納分は残ります。
一方で、カードや消費者金融の借金は、債務整理の対象です。
| 手続き | カード・消費者金融の借金 | 税金・国保の滞納 | 期待できること |
|---|---|---|---|
| 任意整理 | 将来の利息のカットなどを交渉し、分割で払う(相手との合意しだい) | 対象外 | 毎月の返済額が下がれば、税金の分納に回すお金を作れる可能性がある |
| 個人再生 | 裁判所の手続きで大きく減額されうる(認可されるかは裁判所が判断) | 減らない | 借金の返済が軽くなった分を、税金の支払いに回せる可能性がある |
| 自己破産 | 免責が認められれば支払う責任を免れる(一定の財産は手放す) | 免責されない | 借金の返済がなくなった分を、税金の分納に回せる可能性がある |
※どの手続きが使えるか、どれだけ負担が変わるかは、借金の額・収入・財産によります。
そして民間の借金は、裁判所から書類が届く前なら、差し押さえの前に手を打てる段階にあります。税金と借金の両方の予告書が届いているなら、税金は役所に分納の相談、借金は弁護士・司法書士に債務整理の相談、と分けて同時に動くのが近道です。
税金と借金の両方の支払いに追われているという方は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
債務整理のデメリットと、それでも今動く理由
債務整理には、先に知っておくべきデメリットがあります。
債務整理で期待できること
- カードや消費者金融の返済の負担を軽くできる可能性がある
- 弁護士・司法書士が依頼を受けて書面で通知し、本人が直接請求しないよう求めると、貸金業者は正当な理由なく電話・FAX・訪問などで返済を求め続けることが禁じられる(貸金業法21条1項9号)
- 税金の分納に回すお金を作りやすくなる
債務整理のデメリット
- 税金・国保の滞納は減らない
- 信用情報に事故情報が登録される(期間は信用情報機関や手続きによって異なる)
- 手続き中は新しい借入れができない
- 自己破産では一定の財産を手放す・一部の職業に制限・官報に載る
- 保証人付きの借金は、保証人に請求がいく
デメリットはありますが、税金の差押えは、給与や預金に直接かかります。差し押さえられてから家計を立て直すのは、差し押さえられる前よりずっと難しくなります。差し押さえが実行される前の今のうちが、選べる手が多い時期です(期限が過ぎていても、まず今日窓口へ連絡してください)。
返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
今の状況ごとに、最短でやること
| 今の状況 | 最短でやること |
|---|---|
| 税金・国保の差押予告書が届いた(期限内) | 期限内に書面の窓口へ電話し、分納・猶予を相談。払える額で約束する |
| 税金・国保の予告書の期限が過ぎた | 今日窓口へ電話。電話した日時と担当者名をメモしておく |
| 税金も借金も払えない | 税金は役所に分納の相談、借金は弁護士・司法書士に債務整理の相談を同時に |
| カード会社・消費者金融から「法的手続きの予告」が届いた | 裁判所から書類が届く前に、弁護士・司法書士に相談 |
| 裁判所から支払督促・訴状が届いた | 期限(支払督促は2週間)が短いので、すぐに相談 |
| メール・SMSで「差押え」と言われた | URLを開かず、公式サイトで調べた番号に電話して確認 |
差押予告書が届いて、どこから手をつければいいか分からないという方は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
よくある質問
Q. 差押予告書と差押予告通知書は、何が違いますか。
A. 公的に区別した定義は見当たりません。自治体や送り主によって「差押予告書」「差押予告通知書」「差押事前通知書」「催告書」など呼び方が違います。さいたま市は、こうした書面について「法律上の規定はなく、あくまで納税者に自主納付を促す文書です。」としています。
Q. 差押予告書の期限が切れたら、すぐに差し押さえられますか。
A. 「何日後」という決まりはありません。税金は、法律上は督促状を発した日から10日を過ぎれば差し押さえられる状態です。横浜市は差押事前通知の期限までに納付が確認できないと滞納処分が執行されるとし、中野区は事前の連絡はしないとしています。期限が過ぎたら、すぐに窓口へ連絡してください。
Q. 差押予告書を無視したら、どうなりますか。
A. 税金・国保なら、給与・預貯金・不動産・自動車などが差し押さえられる可能性があります。差し押さえた財産は公売されることもあります(習志野市)。中野区は、原則として未納の税金をすべて納めなければ差押えは解除できないとしています。
Q. 少額の滞納でも差し押さえられますか。
A. 中野区は「滞納金額に関係なく、差押の対象になります。」としています。少額だから大丈夫、とは考えないでください。
Q. メールやSMSで差押予告が届きました。本物ですか。
A. 国税庁は、差押えに関してSMSやメール、LINEで連絡することはないとしています。市区町村にはSMSで納付を呼びかけるところもありますが、URLから個人情報を入力させたり、特定の口座に振り込ませたりはしないとしています(八王子市)。公式サイトで調べた番号に電話して確かめてください。
Q. 税金の滞納は、自己破産すればなくなりますか。
A. なくなりません。破産法253条1項1号で、租税等の請求権は免責されないと定められています。ただし、カードなどの借金を整理して、税金の分納に回すお金を作れる可能性はあります。
まとめ
差押予告書が届いたときに押さえておくことは、次のとおりです。
🔎 30秒でわかる結論
- 差押予告書は法律で決められた書類ではなく、自主納付を促す知らせ。法律上の前提は督促状
- 税金・国保は、裁判所の手続きなしで差し押さえられる(税金は督促状を発した日から10日、国保料は督促状の指定期限を過ぎても納めないとき)
- 期限が過ぎたら、いつ差し押さえられてもおかしくない。事前の連絡をしないとする自治体もある
- 一度に払えないなら、期限内に窓口へ分納・猶予の相談(国税の換価の猶予は納期限から6か月以内に申請)
- カード・消費者金融の差押えには、原則として判決などの債務名義が必要。予告の段階で相談
- 税金は債務整理で減らないが、借金を整理すれば税金に回すお金を作れる可能性がある
届いた書面と、借入の一覧を持って相談すれば、税金の分納と借金の整理をどう組み合わせるかを、弁護士と一緒に見立てられます。差し押さえが実行される前に、まず相談してみてください。
借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
📚 出典(公的機関・法令)を見る
- e-Gov 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)47条(差押の要件)・76条(給与の差押禁止)・151条(職権による換価の猶予)・151条の2(申請による換価の猶予) https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
- e-Gov 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)37条(督促)・46条(納税の猶予) https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066
- e-Gov 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)15条(徴収の猶予)・15条の6(申請による換価の猶予)・168条(自動車税に係る滞納処分)・331条(市町村民税に係る滞納処分) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
- e-Gov 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)79条の2(滞納処分) https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192
- e-Gov 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)231条の3第3項(督促・滞納処分等) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067
- e-Gov 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)22条(債務名義・5号執行証書・7号確定判決と同一の効力を有するもの) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
- e-Gov 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)391条1項・393条(支払督促の2週間) https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
- e-Gov 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)21条1項9号(取立て行為の規制) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032
- e-Gov 破産法(平成十六年法律第七十五号)97条4号(租税等の請求権)・253条1項1号(免責されない請求権) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
- さいたま市「催告書(差押事前通知書)を送付しております」 https://www.city.saitama.lg.jp/001/153/004/003/p082313.html
- 横浜市「催告書について」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/nouzei-soudan/tainou/saikoku.html
- 習志野市「法令に基づく「滞納処分」」 https://www.city.narashino.lg.jp/soshiki/saikenkanri/gyomu/sinosaiken/tainoushobun.html
- 八王子市 よくある質問「税金を滞納していたところ、財産を差し押さえたという旨の通知が届きました。」 https://www.city.hachioji.tokyo.jp/question/004/noufu/sizeitainou/p000707.html
- 中野区「納期限までに住民税の納付がない場合」 https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/zeikin/jyuminzei-nozei/nokigen.html
- 長浜市 よくある質問(差し押さえの前の通知) https://www.city.nagahama.lg.jp/faq/faq_detail.php?co=cat&frmId=418&frmCd=6-2-0-0-0
- 葛飾区「国民健康保険料を納めないと」 https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000049/1001690/1001717.html
- 国税庁 タックスアンサーNo.9206「国税を期限内に納付できないとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9206.htm
- 国税庁「不審なメールや電話にご注意ください」 https://www.nta.go.jp/information/attention/attention.htm
- 国民生活センター「国税庁がSMSやメールで税金の納付を求めることはありません!」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260527_1.html
- 八王子市「SMSによるメール催告のお知らせ」 https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/zeikin/ag569/ak002/ak0007/p025105.html
- 市川市「市県民税・国民健康保険税の支払いに関する詐欺メールにご注意ください」 https://www.city.ichikawa.lg.jp/page/61585.html
- 裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html
- 裁判所「裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。」 https://www.courts.go.jp/about/topics/kakuuseikyuu/index.html
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年10月時点)
▼あわせて読みたい

