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・「任意整理の弁護士費用は高くて、結局払えない」
・「安い事務所に頼むと、あとから追加でいろいろ取られる」
こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、任意整理の報酬には日弁連・日司連が定めた上限ルールがあり、「管理手数料」「計算手数料」のような名目の手数料は原則として禁止されています。弁護士は、報酬の支払時期を報酬の基準と委任契約書に書くことも決められています。
とはいえ、弁護士の費用には「標準小売価格というようなもの」がなく、比べ方を知らないと高いか安いかの判断がつかないのも事実です。
本記事では、任意整理の費用を1社あたりで確かめる方法と、報酬の上限、いつ・どこに払うのかについて紹介します。
現在すでに依頼先を探している人はもちろんのこと、費用が心配で相談そのものをためらっているという人も、任意整理の費用の仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

任意整理の費用って、1社いくらくらいが相場なんですか?

一律の相場表はありません。ただ、公的に確かめられる数字が3つあります。法テラスの目安と、日弁連・日司連が決めた報酬の上限です。

いつ払うんですか?一度にはとても払えません……。

支払時期は、事務所が報酬の基準と委任契約書に書くルールです。契約前に確かめられます。収入が少なければ、法テラスの立替え(分割・利息なし)もあります。
🔎 30秒でわかる結論
- 任意整理の費用に公的な「相場表」はない(日弁連「標準小売価格というようなものはありません」)。確かめられる数字は①法テラスの立替基準 ②日弁連の上限 ③日司連の上限の3つ
- 法テラスの目安=1社43,000円/2社64,500円/3社86,000円/5社135,000円(着手金+実費。原則として報酬金は発生しない)
- 弁護士の上限=解決報酬金1社あたり2万円以下(商工ローンは5万円以下)・減額報酬金は減額分の10%以下・過払金報酬金は20%(訴訟25%)以下。着手金に上限はないが、管理手数料・計算手数料などの名目の手数料は原則禁止
- 司法書士の上限=債権者1社あたり50,000円以下(着手時以後の報酬とその他の名目の合計。減額報酬10%・過払金20%/25%・支払代行手数料は別)。しかも債権者の請求額を超えてはならない
- いつ払うかは、弁護士が報酬の基準と委任契約書に「支払時期」を書くことになっている(弁護士の報酬に関する規程3条・5条4項)。契約前に書面で確認できる
- 法テラスの立替制度なら、費用を法テラスが立て替え、利息なしの分割で法テラスに返す。月額は審査で決まる
- 費用だけで迷っている間も利息は増える。自分の場合の見積りは、無料相談で「総額」と「支払時期」を聞くのが最短
📖 この記事でわかること
- 任意整理の費用相場は?公的に確かめられる3つの数字
- 1社あたりで計算すると?(日弁連の計算例で見る)
- いつ払う?どこに払う?(支払時期は契約書に書かれる)
- 一度に払えない人は法テラスの立替制度を使う
- 「安いところ」を選ぶ前に見るべき3つのサイン
- 不安潰し:費用のデメリットと、それでも依頼したほうが得な理由
- 費用を惜しんで放置するとどうなるか
- よくある質問
任意整理の費用相場は?公的に確かめられる3つの数字
日弁連は、「弁護士に事件を依頼するときの報酬額には一律の基準はありません。それぞれの弁護士が自分の報酬基準を持っています」と説明しています。そのため、ネットで見かける「相場」は事務所ごとの金額を並べたもので、公的な数字ではありません。公的に確かめられる数字は、次の3つです。
① 法テラスの立替基準(任意整理)
| 債権者数 | 着手金 | 実費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 1社 | 33,000円 | 10,000円 | 43,000円 |
| 2社 | 49,500円 | 15,000円 | 64,500円 |
| 3社 | 66,000円 | 20,000円 | 86,000円 |
| 4社 | 88,000円 | 20,000円 | 108,000円 |
| 5社 | 110,000円 | 25,000円 | 135,000円 |
| 6〜10社 | 154,000円 | 25,000円 | 179,000円 |
| 11〜20社 | 176,000円 | 30,000円 | 206,000円 |
| 21社以上 | 198,000円 | 35,000円 | 233,000円 |
出典:法テラス「任意整理 費用の目安」(2026年9月時点)
同じページには「原則として報酬金は発生しませんが、過払金を回収できた場合、報酬金が発生します」、「実際の費用は、事件の内容等により審査によって決まります」とあります。これは法テラスの立替制度を使う場合の目安です。
② 弁護士の報酬の上限(日弁連の規程)
| 報酬の種類 | 中身 | 上限 |
|---|---|---|
| 着手金 | 結果にかかわらず受任時に受ける報酬 | 上限規制なし(ただし通常の事務について追加の着手金や個別の手数料を取ることは原則禁止) |
| 解決報酬金 | 業者との事件が解決したこと自体により発生する報酬金 | 1社あたり2万円以下が原則(商工ローンは5万円以下) |
| 減額報酬金 | 業者が主張する債権額と実際に払う額との差額をもとにした報酬金 | 減額分の10%以下 |
| 過払金報酬金 | 回収した過払金額をもとにした報酬金 | 訴訟によらない場合20%以下・訴訟による場合25%以下 |
| 個別手数料 | 管理手数料・引き直し計算の計算手数料など | 原則受領禁止(例外=送金代行手数料) |
出典:日弁連「債務整理の弁護士報酬のルールについて」(2026年9月時点)
日弁連の解説は、上限をいずれも「消費税別」としています。この上限は「債務整理事件処理の規律を定める規程」にもとづくもので、「2011年4月1日以降に弁護士が受任した債務整理事件は、このルールにしたがうことになります」。なお、同じ解説は「破産事件、民事再生事件などは報酬規制の対象外です」とも説明しています。
③ 司法書士の報酬の上限(日司連の指針)
| 報酬の種類 | 上限 | 指針の条文 |
|---|---|---|
| 任意整理の報酬 | 債権者一人あたり50,000円以下(着手時に限らず、その後の報酬とその他の名目の報酬の合計) | 9条1項・2項 |
| 同上の追加ルール | 債権者が依頼者に支払を要求している額を超えてはならない | 9条3項 |
| 減額報酬 | 減額され、又は免れた元本金額の10%を超えない | 10条 |
| 過払金返還報酬 | 訴訟によらずに回収=20%/訴訟により回収=25% | 11条 |
| 支払代行手数料 | 依頼者一人につき1か月あたり1,000円を超えない(利用を強制してはならない) | 12条 |
| その他の報酬 | 名目の如何にかかわらず、上記以外は請求・受領禁止 | 13条 |
出典:日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」(2026年9月時点)
💡 ここ、勘違いされがち
弁護士の「解決報酬金2万円」と、司法書士の「1社50,000円」は、同じものを比べた数字ではありません。弁護士の2万円は解決報酬金だけの上限で、着手金は別に事務所ごとに決まります。司法書士の50,000円は、着手時からの報酬とその他の名目を合計した上限です。比べるときは、必ず「1社あたりの総額」にそろえてください。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
1社あたりで計算すると?(日弁連の計算例で見る)

上限はわかりましたが、実際にはいくらになるんですか?

日弁連が、上限いっぱいで計算した例を公開しています。それを見ると、報酬金の仕組みがつかめます。
日弁連の解説には、A業者から50万円、B業者から70万円を請求されていた人の例が載っています。引き直し計算の結果、A業者には過払金があって30万円を裁判によらずに回収し、B業者には50万円を分割で払うことになったケースです。
| 相手 | 結果 | 解決報酬金 | 減額報酬金 | 過払金報酬金 | 報酬金の計 |
|---|---|---|---|---|---|
| A業者 | 請求50万円→支払いゼロ・過払金30万円を回収 | 2万円 | 5万円(減額分50万円の10%) | 6万円(30万円の20%) | 13万円 |
| B業者 | 請求70万円→50万円を分割で支払い | 2万円 | 2万円(減額分20万円の10%) | なし | 4万円 |
| 合計 | 17万円+消費税(着手金は別) |
出典:日弁連「債務整理の弁護士報酬のルールについて」(すべて上限の場合の例)(2026年9月時点)
この例からわかるのは、減額報酬金と過払金報酬金は「減った」「戻った」ときだけ発生するということです。弁護士に頼んだ場合、引き直し計算をしても残高が変わらず、そのまま分割にしたときの報酬金は解決報酬金だけになります。この考え方で、借入先が3社(各50万円・減額なし・過払金なし)のケースを当てはめると、次のようになります。
| 依頼先 | 3社(各50万円・減額なし)の費用の考え方 | 根拠 |
|---|---|---|
| 法テラスの立替え | 86,000円(着手金66,000円+実費20,000円)。原則として報酬金なし | 法テラス「任意整理 費用の目安」 |
| 弁護士 | 着手金(事務所ごと)+解決報酬金は最大2万円×3社=6万円(消費税別) | 日弁連の規程・施行規則 |
| 司法書士 | 1社50,000円×3社=15万円以下(着手時以後の報酬とその他の名目の合計・消費税別) | 日司連 指針9条 |
上限・目安からの計算例です。実際の金額は事務所の報酬基準と委任契約で決まります。
💡 少額の1社で「費用倒れ」にならない歯止め
日司連の指針9条3項は、司法書士の任意整理の報酬(1社あたり50,000円以下)について、「任意整理事件の債権者……が、依頼者に対して支払を要求している額を超えてはならない」と定めています。たとえば残高が3万円の1社について、5万円の報酬を取ることはできません。「借金が少ない1社だけ頼むと、費用のほうが高くつく」という心配には、この歯止めがあります。
自分の場合に総額がいくらになるのか見当がつかないという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。
いつ払う?どこに払う?(支払時期は契約書に書かれる)

費用は、依頼したその日に全額払うんですか?

一律の決まりはありません。ただ、弁護士は「支払時期」を報酬の基準と委任契約書に書くことになっています。
日弁連の「弁護士の報酬に関する規程」は、支払時期について次のように定めています。
| 条文 | 定めている内容 |
|---|---|
| 3条1項・2項 | 弁護士は報酬の基準を作って事務所に備え置き、その基準には「報酬の種類、金額、算定方法、支払時期その他弁護士等の報酬を算定するために必要な事項」を明示しなければならない |
| 4条 | 依頼しようとする人から申出があったときは、報酬見積書の作成及び交付に努める |
| 5条1項 | 受任するときは、報酬及びその他の費用について説明しなければならない |
| 5条4項 | 委任契約書には「弁護士等の報酬の種類、金額、算定方法及び支払時期」と、「委任契約が中途で終了した場合の清算方法」などを記載しなければならない |
出典:日弁連「弁護士の報酬に関する規程」(会規第68号)(2026年9月時点)
司法書士についても、日司連の指針5条2項が「報酬表を提示する等して報酬額及び費用、またその算定方法を明示したうえで十分に説明を行い、その内容を記載した書面等を依頼者に交付しなければならない」と定めています。また日弁連の「弁護士等の業務広告に関する規程」9条の2は、電話やメールなどで受任する場合の広告に「報酬の種類、金額、算定方法及び支払時期」の表示を求めています。
つまり、「いつ・いくら払うのか」は契約前に書面で確かめられるということです。一括か分割か、分割なら何回かは事務所の基準しだいで、公的な決まりはありません。だからこそ、相談の場で次の点を聞いてください。
| 相談で聞くこと | 見る書類 |
|---|---|
| 1社あたりの着手金・報酬金・実費の総額はいくらか | 報酬の基準・見積書 |
| いつ払うのか(受任時か、和解後か、分割できるか) | 見積書・委任契約書 |
| 途中でやめた場合、費用はどう清算されるか | 委任契約書 |
| 和解後の返済を事務所経由で払う場合(送金代行)の手数料はいくらか | 見積書・委任契約書 |
どこに払うかも整理しておきます。費用は、依頼した弁護士・司法書士の事務所に払います。法テラスの立替制度を使った場合は、法テラスが立て替え、あなたは法テラスに分割で返します。和解後の返済そのものは債権者に払うお金で、事務所に送金を代行してもらう場合の手数料は、司法書士なら1か月1,000円以下(日司連 指針12条)と決まっています。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
一度に払えない人は法テラスの立替制度を使う

収入が少なくて、費用を払う余裕がありません。

収入や資産が一定以下なら、法テラスが費用を立て替えて、利息なしの分割で返す制度があります。
法テラスの「立替制度」は、①収入や資産が一定基準以下であること②勝訴の見込みがないとはいえないこと③民事法律扶助の趣旨に適することの3つが条件です。収入基準(手取りの平均月収・賞与を含む)は、たとえば単身者で182,000円以下(東京都特別区・大阪市などは200,200円以下)です。立て替えられた費用は「分割でのお支払いとなります。利息等はありません」。
法テラスの「立替制度に関するよくあるご質問」によると、審査では「援助開始決定の有無や、弁護士や司法書士に支払う着手金や実費の金額、立替金の支払い方法や月額を決定します」。審査は「通常申込みから決定まで2週間程度」で、弁護士・司法書士が問題解決に動き始めると、「併せて費用の返済も開始されます」。生活保護を受給している間は返済が猶予されます。
💡 「法テラスを使えるか」は聞いていい
日弁連の規程6条は、弁護士が事案に応じ、債務者の経済生活の再生の観点から必要かつ相当と認められる場合には法律扶助制度などを説明し、利用を希望するときは利用できるように努めることを定めています。日司連の指針5条3項も、依頼者が民事法律扶助制度の資力要件に該当する場合は制度を教示し、利用するか否かの選択の機会を与えるとしています。相談の場で「法テラスは使えますか」と聞くのは、遠慮することではありません。
返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
「安いところ」を選ぶ前に見るべき3つのサイン

できるだけ安い事務所を探したいです。どこを見ればいいですか?

「着手金」だけで比べないことです。ルールで禁止されている名目や、広告の注意点を先に知っておくと見分けやすくなります。
① 「着手金0円」は総額で確かめる
日弁連の「業務広告に関する指針」は、着手金・手数料・管理料等に関する不正確な表現の例として「着手金0円」「着手金はいただきません」を挙げ、そう書いているのに事件の受任に当たり手数料・管理料等の名目で金銭を受け取る場合(手数料・管理料等を別途受け取る旨の明瞭な表示がある場合を除く)を前提としています。着手金が0円でも、報酬金・実費を含めた1社あたりの総額で比べてください。
② 「管理手数料」「計算手数料」は原則として取れない
日弁連の解説は、「任意整理事件の処理をしている間の管理手数料とか、引き直し計算の計算手数料といった名目での手数料を取ることは禁止されています」と明記しています。司法書士も、指針13条で「名目の如何にかかわらず」9条〜12条以外の報酬を禁止しています。見積書にこうした名目があれば、何の対価なのかを必ず確かめてください。
③ 面談なしで契約させようとしない
日弁連の規程3条は、受任する予定の弁護士が「当該債務者と自ら面談をして」事情を聴くことを原則としています。日司連の指針4条も、受任する予定の司法書士が自ら直接面談を行うことを定めています(合理的な理由があり依頼者が希望する場合はテレビ電話等も可)。費用の説明も、この面談の中で受けるのが本来の流れです。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
不安潰し:費用のデメリットと、それでも依頼したほうが得な理由

費用を払ってまで任意整理する意味があるのか、不安です。

隠さずに言うと、費用はかかります。そのうえで、いまの利息と比べてみてください。
① 費用は月々の返済とは別にかかる
任意整理の費用は、和解後の返済とは別のお金です。法テラスの立替えでも、立て替えてもらった費用は返す必要があります。費用の支払いと和解後の返済を合わせて、家計で無理がないかを面談で確かめてください。
② 元本そのものは原則として減らない
法テラスは任意整理を「支払額や支払方法について合意をする手続」と説明しています。取引履歴を利息制限法の上限で計算し直して残高が変わることはありますが、減らなければ減額報酬金も発生しません。元本を大きく減らす手続きは、個人再生・自己破産です。
③ 信用情報に登録される
JICC(株式会社日本信用情報機構)は、取引事実に関する情報に「債務整理」を挙げ、2019年10月1日以降の契約では「契約継続中及び契約終了後5年以内」登録されるとしています。この間は新しいカードやローンの審査に通りにくくなります。
そのうえで、費用と利息を並べてみます。利息制限法1条の上限では、元本10万円以上100万円未満の借入れは年18%です。
| 比べるもの | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|
| 3社から50万円ずつ借りている場合の利息(上限で計算) | 年27万円(1社あたり年9万円) | 利息制限法1条 |
| 同じ3社を法テラスの立替えで任意整理する費用の目安 | 86,000円(分割・利息なし) | 法テラス「任意整理 費用の目安」 |
✅ それでも依頼したほうが得な理由
費用は一度きりですが、利息は借りている限り毎年かかります。上限の利率で借りているなら、3社で年27万円の利息は、法テラスの目安86,000円の3倍以上です。和解後に利息がつかない条件で合意できるかは債権者しだいで保証はありませんが、費用を惜しんで動かないほうが、支払う総額は大きくなりやすい。デメリットを知ったうえで、今動くほうが得です。
費用が理由で依頼をためらっているという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。
費用を惜しんで放置するとどうなるか
費用が払えるかを考えている間にも、返済が遅れ始めている人はいるはずです。放置した場合に起きることを、公的な根拠がある範囲で並べます。
| 起きること | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 遅延損害金 | 貸金業者からの借入れは年20%まで課され得る | 利息制限法7条1項 |
| 督促→支払督促・訴訟 | 支払督促(電子支払督促)の送達を受けた日から2週間以内に督促異議を申し立てないと、債権者の申立てにより仮執行宣言が付される | 民事訴訟法391条1項 |
| 給料の差押え | 給料は手取りの4分の1まで差し押さえられ得る(手取りが月44万円を超える場合は、33万円を超える部分の全額) | 民事執行法152条1項・施行令2条 |
| 信用情報 | 延滞の情報が登録され、決着しない限り「契約終了後5年」のカウントが始まらない | JICC「信用情報の内容と登録期間」 |
出典:e-Gov法令検索「利息制限法」「民事訴訟法」「民事執行法」/JICC(2026年9月時点)
一方、弁護士・司法書士に依頼して受任の通知が届くと、法テラスは「通常、貸金業者からの連絡は止まります」と案内しています。貸金業法21条1項9号が、弁護士等への委託を書面で通知された後、正当な理由なく電話・訪問などで本人に弁済を要求し、直接要求しないよう求められたにもかかわらずさらに要求することを禁じているためです。
💡 ここ、勘違いされがち
費用の不安は、見積りを聞けば数字に変わります。借入先の数・各社の残高・手取りをメモして相談すれば、1社あたりの総額と支払時期、法テラスを使えるかがその場でわかります。依頼するかどうかは、話を聞いてから決められます。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
よくある質問
Q. 1社だけ任意整理する場合も費用はかかりますか?
A. かかります。法テラスの立替基準では1社43,000円(着手金33,000円+実費10,000円)が目安です。司法書士の場合は、報酬が1社50,000円以下で、しかも債権者が請求している額を超えてはならない(日司連 指針9条3項)と決まっています。
Q. 「着手金0円」の事務所は安いのですか?
A. 着手金だけでは判断できません。日弁連の業務広告に関する指針は、「着手金0円」と書きながら手数料・管理料等の名目で受け取る場合(別途受け取る旨の明瞭な表示がある場合を除く)を、不正確な表現の例として挙げています。報酬金・実費まで含めた1社あたりの総額で比べてください。
Q. 費用は一括で払わないといけませんか?
A. 支払時期に一律の決まりはなく、弁護士は報酬の基準と委任契約書に「支払時期」を書くことになっています(弁護士の報酬に関する規程3条・5条4項)。分割に応じるかどうかは事務所しだいなので、相談で確認してください。法テラスの立替制度なら、利息なしの分割で法テラスに返します。
Q. 途中でやめたら、払った費用は戻りますか?
A. 委任契約書には「委任契約が中途で終了した場合の清算方法」を書くことになっています(同規程5条4項)。民法648条3項は、委任が履行の中途で終了したときは「既にした履行の割合に応じて」報酬を請求できると定めています。清算のしかたは、契約書で確かめてください。
Q. 司法書士のほうが安いのですか?
A. 上限の決め方が違うため、一概には言えません。また、1社でも140万円を超える借入先があると、司法書士はその相手方との交渉を代理できません(最高裁 平成28年6月27日判決=「個別の債権の価額」で判定)。費用だけでなく、借入先ごとの残高で依頼先を決めてください。
Q. 費用のほかにかかるお金はありますか?
A. 郵送料などの実費があります(法テラスの目安では1社10,000円など)。和解後の返済を事務所経由で払う場合は送金代行の手数料がかかることがあり、司法書士なら1か月1,000円以下で、利用を強制してはならないと決まっています(日司連 指針12条)。
まとめ:任意整理の費用は「1社あたりの総額」と「支払時期」で確かめる
任意整理の費用に公的な相場表はありませんが、確かめられる数字はあります。法テラスの目安は1社43,000円・3社86,000円・5社135,000円。弁護士は解決報酬金が1社2万円以下(商工ローンは5万円以下)・減額報酬金10%以下・過払金報酬金20%(訴訟25%)以下、司法書士は1社あたり合計50,000円以下で、しかも債権者の請求額を超えられません。
支払時期は、弁護士が報酬の基準と委任契約書に書くことになっており、契約前に確かめられます。一度に払えない人は、法テラスの立替制度(利息なしの分割)があります。管理手数料・計算手数料などの名目は原則禁止で、「着手金0円」は総額で比べるのが鉄則です。
費用で迷っている間にも、利息は毎月かかり続けます。「高いかもしれない」と悩むより、見積りで総額と支払時期を聞いてから決めるほうが確実です。
借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
📚 出典(公的機関・法令)を見る
- 法テラス「任意整理 費用の目安」(1社43,000円/2社64,500円/3社86,000円/4社108,000円/5社135,000円/6〜10社179,000円/11〜20社206,000円/21社以上233,000円=着手金+実費/原則として報酬金は発生しませんが、過払金を回収できた場合、報酬金が発生します/実際の費用は、事件の内容等により審査によって決まります) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/seirihiyou.html
- 法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」(3条件/収入基準=単身182,000円・東京都特別区等200,200円/分割でのお支払いとなります。利息等はありません/併せて費用の返済も開始されます) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyou.html
- 法テラス「立替制度に関するよくあるご質問」(援助開始決定の有無や、弁護士や司法書士に支払う着手金や実費の金額、立替金の支払い方法や月額を決定します/通常申込みから決定まで2週間程度/生活保護を受給中の間は、返済は猶予されます) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/tatekaeqa.html
- 法テラス よくある相談「任意整理とは何ですか。」(支払額や支払方法について合意をする手続) https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-001.html
- 法テラス よくある相談「弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、貸金業者からの連絡が止まるのですか。」(通常、貸金業者からの連絡は止まります) https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-004.html
- 日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」(弁護士に事件を依頼するときの報酬額には一律の基準はありません/2011年4月1日以降に弁護士が受任した債務整理事件は、このルールにしたがう/着手金は上限規制なし/管理手数料・計算手数料といった名目での手数料を取ることは禁止/解決報酬金1社あたり2万円以下(商工ローンは5万円以下)・減額報酬金 減額分の10%以下・過払金報酬金 訴訟によらない場合20%以下・訴訟による場合25%以下(いずれも消費税別)/計算例=報酬金合計17万円+消費税(着手金は別)/破産事件、民事再生事件などは報酬規制の対象外) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html
- 日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」(弁護士の費用は、個々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準小売価格というようなものはありません) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid.html
- 日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(会規第93号・PDF。3条=受任予定の弁護士が自ら面談して聴取/6条=法律扶助制度その他の制度の説明/10条・11条=着手金の考慮要素と個別事務手数料の規制/13条〜15条=解決報酬金・減額報酬金・過払金報酬金/16条=送金代行の手数料) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士の報酬に関する規程」(会規第68号・PDF。3条2項=報酬の種類、金額、算定方法、支払時期その他の事項を明示/4条=報酬見積書の作成及び交付に努める/5条1項=報酬及びその他の費用について説明/5条4項=委任契約書に報酬の種類、金額、算定方法及び支払時期、委任契約が中途で終了した場合の清算方法等を記載) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_068.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」(会規第44号・PDF。9条の2=電話、電子メールその他の通信手段により法律事務を受任する場合の広告に、報酬の種類、金額、算定方法及び支払時期等を表示) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_044.pdf
- 日本弁護士連合会「業務広告に関する指針」(PDF。事件の受任に当たり収受する着手金、手数料、管理料等に関する不正確な表現の例=「着手金0円」「着手金はいただきません」(かかる記載をしているにもかかわらず、事件の受任に当たり手数料、管理料等の名目で金銭を収受する場合を前提とし、手数料、管理料等を別途収受する旨の明瞭な表示がある場合を除く)) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/other/shishin_kaiki_44.pdf
- 日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」(PDF。4条=受任予定の司法書士が自ら直接面談/5条2項=報酬表を提示する等して報酬額及び費用、またその算定方法を明示し、書面等を交付/5条3項=民事法律扶助制度の教示/8条3項=報酬の額に消費税額を含まない/9条=債権者一人あたり50,000円以下・着手時以後の報酬及びその他の名目の報酬の合計・債権者が依頼者に対して支払を要求している額を超えてはならない/10条=減額報酬10%/11条=過払金返還報酬20%・25%/12条=支払代行手数料1か月あたり1,000円・強制禁止/13条=その他の報酬の禁止) https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement_list/uploads/eef60054829e003e2c157ee6edde90442d7e2ec8.pdf
- e-Gov法令検索「民法」(648条3項=委任が履行の中途で終了したときは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 裁判所「最高裁判所判例集 平成26(受)1813 平成28年6月27日 第一小法廷判決」(当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が司法書士法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することができない) https://www.courts.go.jp/hanrei/85969/detail2/index.html
- e-Gov法令検索「利息制限法」(1条=元本10万円以上100万円未満 年1割8分 ほか/7条1項=営業的金銭消費貸借の賠償額の予定は年2割を超える部分が無効) https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100
- e-Gov法令検索「貸金業法」(21条1項9号=弁護士等に委託した旨の書面通知後、正当な理由なく本人へ直接弁済を要求し、直接要求しないよう求められたにもかかわらずさらに要求することの禁止) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032
- e-Gov法令検索「民事訴訟法」(391条1項=電子支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は債権者の申立てにより仮執行の宣言をしなければならない) https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
- e-Gov法令検索「民事執行法」(152条1項=給料等はその支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(政令で定める額を超えるときは政令額)は差し押さえてはならない)/民事執行法施行令2条1項1号=毎月払いは33万円 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
- JICC「信用情報の内容と登録期間」(取引事実に関する情報=債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等/契約日2019年10月1日以降=契約継続中及び契約終了後5年以内) https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年9月時点)
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