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・「借金減額診断は、個人情報を抜き取るための怪しい広告だ」
・「診断ボタンを押したら、勝手に債務整理の手続きが始まってしまう」
「減額診断」の広告を見かけて、こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、どちらも正確ではありません。「借金減額診断」と呼ばれているものの多くは、弁護士・司法書士事務所(またはその広告)が設けた相談の申込みフォームです。日本弁護士連合会(日弁連)の「業務広告に関する指針」は、こうしたページについて「借入金額、借入時期、返済の有無……等を入力することのみでは事件の処理方針等が判断できない」と明記しています。つまり「診断結果」は法的な判断ではなく、実際の手続きは弁護士・司法書士との面談と契約を経なければ始まりません。
とはいえ、日弁連の指針が「どのように入力しても『あなたの借金は、0円又は減額になる可能性があります』等と表示される」型の広告を違反例として名指ししているとおり、ルールに反する「診断」が存在しているのも事実です。
本記事では、「借金減額診断」の正体と仕組み、怪しい「診断」とそうでないものをどこで見分けるのか、そして診断を使わずに済ませる方法を、弁護士法の条文、日弁連・日本司法書士会連合会(日司連)の広告と受任のルール、信用情報機関の公表資料をもとに紹介します。
すでに診断ページに入力してしまった人はもちろんのこと、押すかどうか迷って画面を閉じたという人も、「診断」の仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

「あなたの借金、減るかも」みたいな広告をよく見るんですけど……正直、怪しくないですか?

警戒するのは正しいです。ただ、正体はたいてい弁護士・司法書士事務所の相談申込みフォームなんです。「診断」という言葉が、中身より大きく見せているだけです。

じゃあ、入力したら本当に減るかどうかが分かるんですか?

分かりません。日弁連の指針自身が「入力することのみでは事件の処理方針等が判断できない」と書いています。減るかどうかは、面談で借入先ごとの状況を見て初めて判断されます。

それなら、診断を押す意味ってあるんでしょうか……。

相談の入口として使う分には意味があります。ただ、運営者が誰かと減額を約束する表示がないかの2点は必ず確認してください。その見分け方を、これから順番に説明します。
🔎 30秒でわかる結論
- 「借金減額診断」の正体=弁護士・司法書士事務所(またはその広告)の相談申込みフォーム。診断結果は法的判断ではない
- 日弁連の指針は「入力することのみでは事件の処理方針等が判断できない」と明記。減るかどうかは面談で初めて判断される
- 日弁連「弁護士等の業務広告に関する規程」3条は「誇大又は過度な期待を抱かせる広告」「困惑させ、又は過度な不安をあおる広告」を禁止。指針は「国が認めた借金減額制度」や、どのように入力しても「あなたの借金は、0円又は減額になる可能性があります」等と表示する型を違反例に列挙
- 日司連の指針19条も「有利な結果を保証するような内容の広告宣伝」と「面談等を行う以前に……債務の減額を期待させる内容の表示」を禁止
- 弁護士・司法書士でない運営者が報酬目的で法律事務や周旋を業とすることは弁護士法72条で禁止(77条=2年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金)。運営者名・弁護士名は日弁連「弁護士情報検索」・日司連「司法書士検索」で実在確認できる
- 診断に入力しても「勝手に始まる」ことはない。受任には弁護士・司法書士本人の面談と説明、契約書が必要(日弁連「債務整理事件処理の規律を定める規程」3条・4条/日司連指針4条〜6条)
- 信用情報を利用できるのはCICの加盟会員(クレジット会社等)や提携する信用情報機関の会員などに限られる。診断への入力や依頼で信用情報が動くことはない
- 診断を飛ばして無料相談へ直接行くほうが早い。減るかどうかは、どのみち面談でしか分からない
📖 この記事でわかること
- 「借金減額診断」の正体——相談申込みフォームであって、法的な診断ではない
- なぜ「怪しい」と感じるのか——日弁連・日司連が禁止している広告の型
- 運営者が誰か——弁護士法72条という一線と、実在を確かめる方法
- 診断に入力しても「勝手に始まる」ことはない——面談・説明・契約書のルール
- 安全に使う3つの基準と、診断を飛ばすという選択肢
- 「診断」を眺めている間に起きていること
- よくある質問
「借金減額診断」の正体——相談申込みフォームであって、法的な診断ではない
画面で起きていることを、そのまま分解します。「診断」ページでは、借入先の数・借入総額・借入時期・返済状況などを選び、最後に名前と電話番号(またはメールアドレス)を入力します。そして「診断結果」として、「減額できる可能性があります」「詳しい結果は担当者からご連絡します」といった表示が出ます。
| 画面で見えるもの | 実際に起きていること |
|---|---|
| 借入額・借入先の数などを選ぶ設問 | 事務所側が相談の前提となる情報を集めている。法的な判定は行われていない |
| 「減額できる可能性があります」という表示 | 可能性の表示であって判断ではない。日弁連の指針は、入力だけでは処理方針を判断できないと明記している |
| 名前と電話番号の入力 | 相談の申込み。ここから先は事務所(または広告の運営者)から連絡が来る |
| 「担当者からご連絡します」 | 相談の日程調整。手続きはまだ始まっていない。受任には面談と契約書が必要 |
日弁連の「業務広告に関する指針」(令和8年2月19日改正)は、「誤導又は誤認のおそれのある広告」の例として、「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」……において、借入金額、借入時期、返済の有無、被害時期、被害総額等を入力することのみでは事件の処理方針等が判断できないにもかかわらず、それらを入力することで事件の処理方針等に関する判断ができる旨の記載を挙げています。弁護士側の団体自身が、入力だけでは判断できないと言い切っているわけです。
💡 ポイント
「診断」という言葉を「相談申込み」に置き換えて読むと、ページの意味が正確になります。減るかどうか、いくら減るかは、任意整理が「裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続」(法テラス)である以上、相手方との話し合いの結果として決まるもので、入力の時点では誰にも分かりません。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
なぜ「怪しい」と感じるのか——日弁連・日司連が禁止している広告の型

「国が認めた制度」とか「借金がゼロになるかも」とか、言い方が大げさな気がして……。

その感覚は当たっています。そうした言い回しは、日弁連の指針が違反例として名指ししているものです。何が禁止されているかを知っておくと、見分けがつきます。
日弁連の「弁護士等の業務広告に関する規程」3条は、弁護士等ができない広告を7つ列挙しています。
| 規程3条 | 禁止される広告 |
|---|---|
| 1号 | 事実に合致していない広告 |
| 2号 | 誤導又は誤認のおそれのある広告 |
| 3号 | 誇大又は過度な期待を抱かせる広告 |
| 4号 | 困惑させ、又は過度な不安をあおる広告 |
| 5号 | 特定の弁護士等と比較した広告 |
| 6号 | 法令又は本会若しくは所属弁護士会の会則若しくは会規に違反する広告 |
| 7号 | 弁護士等の品位又は信用を損なうおそれのある広告 |
出典:日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」3条(2026年9月時点)
そして「業務広告に関する指針」は、3号(誇大又は過度な期待を抱かせる広告)に違反する例として、債務整理の広告を具体的に挙げています。
① 「国が認めた借金減額制度」型
指針は、「債務整理事件に関し『国が認めた借金減額制度』『国が認めた借金救済制度』等、あたかも破産や民事再生以外に、債務者にとって特別に有利な法的債務整理の制度が存在するとの期待を抱かせる表現を含むもの」を違反例としています。債務整理の方法は、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産であって、「国が認めた減額制度」という特別な制度は存在しません。
② 「どう入力しても減額になる」型
同じく指針は、「ウェブ広告に『借金減額診断』『借金減額シミュレーター』等と称するページを設け、広告閲覧者に借入金額、借入時期、返済の有無等を入力させながら、どのように入力しても『あなたの借金は、0円又は減額になる可能性があります』等と表示されるようにして依頼を勧誘する表現を含むもの」を違反例に挙げています。入力内容にかかわらず同じ結果が出る「診断」は、ルール違反の型だということです。
③ 不安をあおる型
4号(困惑させ、又は過度な不安をあおる広告)の違反例として、指針は「強硬な取立ての状況の体験記を記載する等して、債務整理事件の依頼をしないとあたかも同様の状況に陥るかのように不安にさせて勧誘する広告」を挙げています。
司法書士側も同じです。日司連の「債務整理事件の処理に関する指針」19条は、「品位又は信用を損なうおそれのある広告宣伝又は有利な結果を保証するような内容の広告宣伝を行ってはならない」とし、2項で「第4条に定める面談等を行う以前に、過払金の発生、又は債務の減額を期待させる内容の表示をしてはならない」と定めています。
💡 ここ、勘違いされがち
ここで押さえておきたいのは、これらが弁護士・司法書士自身の広告に対するルールだという点です。「減額診断」ページの運営者が弁護士・司法書士の事務所であれば、このルールに縛られます。逆に、運営者が弁護士・司法書士でない場合は、話が変わります。次の章で扱います。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
運営者が誰か——弁護士法72条という一線と、実在を確かめる方法
弁護士法72条は、「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で……一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」と定めています。違反すると「二年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」です(77条3号)。また27条は、弁護士が「第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない」としています。
さらに、弁護士職務基本規程13条は「弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない」と定め、日司連の指針14条2項も「債務整理事件の依頼者の紹介を受けたことについて、名目の如何にかかわらず、その対価を支払ってはならない」、15条1項で「司法書士法その他の法令の規定に違反して業務を行う者と提携して債務整理事件の処理を行ってはならず、またこれらの者から事件のあっせんを受けてはならない」としています。
💡 ポイント
つまり、弁護士・司法書士でない第三者が「診断」ページで相談者を集め、紹介料を取って事務所へ回すという構造は、弁護士法・日弁連の規程・日司連の指針のいずれにも反します。「怪しいかどうか」の核心は、減額の可能性の言い回しよりも、運営者が誰かにあります。
運営者を確かめる手順
| 確認すること | 見る場所 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 運営者の名称 | ページ下部の「運営者」「事務所概要」「特定商取引法に基づく表記」 | 弁護士法人・司法書士法人・事務所名と、担当する弁護士・司法書士の氏名が書かれているか。株式会社名だけで弁護士名がない場合は要注意 |
| 弁護士の実在 | 日弁連「弁護士情報検索」 | 「日本弁護士連合会……に現在登録されているすべての弁護士を検索することができます」。氏名・所属弁護士会・事務所名称・登録番号などが見られる |
| 司法書士の実在と代理権 | 日司連「司法書士検索」 | 「司法書士の氏名、事務所所在地、事務所電話番号、事務所名称、簡裁代理権の有無」が見られる。任意整理の代理には簡裁代理権(認定司法書士)が必要(対象は1社あたり140万円以下の債権に限られ、超える場合は弁護士でないと代理できない) |
出典:日本弁護士連合会「弁護士情報検索」/日本司法書士会連合会「司法書士検索」(2026年9月時点)
診断の入力前でも、入力後でも、この確認はできます。名前が出ている弁護士・司法書士が検索で出てこない、運営者が事務所ではない会社で弁護士名の記載がない——この2つのどちらかに当たれば、その「診断」は使わないでください。
返済が難しく滞納が長引いてしまう場合は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
診断に入力しても「勝手に始まる」ことはない——面談・説明・契約書のルール

電話番号を入れたら、もう後戻りできないんじゃないかと思って……。

できます。受任には、弁護士・司法書士本人との面談、方針と費用と不利益の説明、そして契約書が必要です。フォームの入力は、そのどれでもありません。
日弁連の「債務整理事件処理の規律を定める規程」3条は、受任する予定の弁護士が「当該債務者と自ら面談をして」、債務の内容・資産や収入や生活費などの生活状況・不動産の処理に関する希望・処理に関する意向を聴取しなければならないと定めています。日弁連の解説では「弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則です」と表現されています。4条は、事件処理の方針及び見通し・弁護士費用のほか、資格の制限・信用情報機関への登録・資産を失う可能性といった不利益事項の説明を義務づけています。
弁護士職務基本規程30条は「弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない」と定めています。
司法書士も同じ構造です。日司連の指針4条1項は、受任する予定の司法書士が「自ら依頼者又はその法定代理人と直接面談を行わなければならない」(面談できない合理的な理由があり、かつ依頼者が希望する場合はテレビ電話・ウェブ会議も可)と定め、5条で「受任内容を明らかにした契約書を作成し、原本又はその写しを依頼者に交付」「報酬表を提示する等して報酬額及び費用……を明示したうえで十分に説明」することを、6条で「事例に応じ予想される不利益を十分に説明しなければならない」ことを求めています。
| 段階 | あなたがしたこと | 手続きは |
|---|---|---|
| 診断ページに入力 | 相談の申込み | 始まっていない |
| 事務所から連絡・日程調整 | 面談の予約 | 始まっていない |
| 面談で事情を話し、方針・費用・不利益の説明を受ける | 相談 | 始まっていない。ここで断って構わない |
| 委任契約を結び、依頼する | 委任契約 | ここで初めて受任=開始 |
信用情報についても、はっきりしています。CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、信用情報を利用できるのを「加盟資格を充たし、加盟審査を経て入会したCICの加盟会員」などに限っており、「特定調停や民事再生の申請および債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません」とも回答しています。診断への入力はもちろん、依頼そのものでも、信用情報に「依頼した」という記録は付きません。登録されるのは、債権者側が報告する「債務整理」などの取引の事実であって、あなたが診断や相談をした事実ではありません。
「診断」ページで止まっている、連絡が来て迷っているという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。
安全に使う3つの基準と、診断を飛ばすという選択肢
ここまでのルールを、使う側のチェックリストにします。3つとも満たすものだけを使ってください。
| 基準 | 満たしている | 満たしていない(使わない) |
|---|---|---|
| ① 運営者 | 弁護士法人・司法書士法人・事務所名と担当者名が明記され、検索で実在が確認できる | 会社名だけ・担当者名なし・検索で出てこない |
| ② 表示 | 「減額できるかは面談で判断」「結果を保証しない」と書かれている | 「国が認めた制度」「誰でも減る」「どう入力しても減額の可能性」 |
| ③ その後の流れ | 面談・説明・契約書の案内がある。依頼するかは話を聞いてから決められる | 電話だけで契約を迫る、面談なしで着手金を求める、「入力=相談の申込み」の明記がないのに電話をかけてくる |
そして、もうひとつの選択肢があります。診断を飛ばして、最初から無料相談へ行くことです。減るかどうかは、どのみち面談でしか判断されません。公的な相談先として、金融庁は「債務整理(借金問題)についての相談先」に「日本司法支援センター(法テラス)、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、日本貸金業協会、日本クレジットカウンセリング協会、全国銀行協会」を挙げています。法テラスの無料法律相談は収入・資産の基準内であれば「1つの問題につき3回まで」使えます。
💡 ポイント
診断を使うか使わないかは、実はどちらでも構いません。大事なのは、「診断結果」を待つのではなく、面談の予約まで進むことです。判断が下されるのは面談の場であって、フォームの上ではないからです。
万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
「診断」を眺めている間に起きていること
「怪しいかどうか」を調べている間も、返済の時計は止まりません。貸金業者からの借入れで返済が遅れれば、遅延損害金は利息制限法7条1項の上限である年2割(20%)まで課され得ます。信用情報の「契約継続中及び契約終了後5年以内」(JICC)というカウントは、決着させて初めて動き出します。督促を放置すれば、支払督促や訴訟という裁判所の手続きに進みます。
💡 ここ、勘違いされがち
診断の「怪しさ」を見極めるのに必要なのは、運営者の確認だけです。それが済んだら、診断結果を待たずに面談の予約を入れてください。依頼するかどうかは、話を聞いてから決められます。
そのため、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
よくある質問
Q. 減額診断は詐欺ですか?
A. 「減額診断」という仕組みそのものが詐欺というわけではありません。多くは弁護士・司法書士事務所の相談申込みフォームです。ただし、弁護士・司法書士でない運営者が報酬目的で法律事務や周旋を業とすることは弁護士法72条で禁止されており(77条=2年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金)、弁護士・司法書士の広告であっても「国が認めた借金減額制度」「どう入力しても減額の可能性」といった表示は日弁連の指針が違反例として挙げています。運営者の実在と、減額を保証する表示の有無で見分けてください。
Q. 診断結果で「減額できる可能性があります」と出ました。本当に減りますか?
A. その表示だけでは分かりません。日弁連の指針は、入力することのみでは事件の処理方針等が判断できないと明記しています。任意整理は「当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続」(法テラス)で、合意できるかどうかも、どんな条件になるかも事案によります。「必ず減る」「何割減る」と保証できる性質のものではありません。
Q. 診断に入力したら、しつこく電話が来ますか?
A. 事務所から連絡が来ること自体はあります。ただし日弁連の「業務広告に関する指針」は「借金減額診断」型のページを名指しし、入力が相談の申込みになる旨がページの記載から明確でない限り、入力者は「依然として規程第5条の面識のない者に該当し」、電話や訪問による広告は規程5条1項本文に違反するとしています。「入力=相談の申込み」と明記していないのに電話をかけてくる診断は、それ自体がルール違反のサインです。相談したくなければ、その旨を伝えて構いません。面談も契約書もなしに依頼が成立することはありません。
Q. 診断に入力すると、ブラックリストに載りますか?
A. 載りません。CICは、信用情報を利用できるのを加盟資格を充たし加盟審査を経て入会した加盟会員などに限っており、「……債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません」と回答しています。診断への入力や依頼そのもので信用情報が動くことはなく、登録されるのは債権者側が報告する「債務整理」などの取引の事実で、診断や相談をした事実ではありません。なお、CICは「ブラックリストという名のリストはありません」とも説明しています。
Q. 「国が認めた借金減額制度」というのは何ですか?
A. そのような名前の制度はありません。日弁連の指針は、「あたかも破産や民事再生以外に、債務者にとって特別に有利な法的債務整理の制度が存在するとの期待を抱かせる表現」として、この言い回しを違反例に挙げています。債務整理の方法は、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産です。
Q. 診断を使わずに相談するには、どこへ行けばいいですか?
A. 金融庁は「債務整理(借金問題)についての相談先」として、法テラス・日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会・日本貸金業協会・日本クレジットカウンセリング協会・全国銀行協会を挙げています。法テラスの無料法律相談は、収入・資産が一定基準以下であれば1つの問題につき3回まで利用できます。民間の事務所を選ぶ場合は、運営者名と担当者名を確認し、日弁連「弁護士情報検索」・日司連「司法書士検索」で実在を確かめてから予約してください。
まとめ:「診断」は相談の入口にすぎない。運営者を確かめて、面談まで進む
「借金減額診断」の正体は、弁護士・司法書士事務所(またはその広告)の相談申込みフォームです。日弁連の指針は「入力することのみでは事件の処理方針等が判断できない」と明記し、「国が認めた借金減額制度」や、どのように入力しても「あなたの借金は、0円又は減額になる可能性があります」等と表示する型を違反例として挙げています。日司連の指針19条も、面談前に減額を期待させる表示を禁じています。
怪しさの核心は、運営者が誰かです。弁護士・司法書士でない者が報酬目的で法律事務や周旋を業とすることは弁護士法72条で禁止され、紹介の対価も職務基本規程13条・日司連指針14条で禁じられています。運営者名と担当者名を、日弁連「弁護士情報検索」・日司連「司法書士検索」で確かめてください。入力しても勝手に手続きが始まることはなく、受任には面談・説明・契約書が必要で、信用情報が動くこともありません。
減るかどうかは、フォームの上ではなく面談の場で決まります。診断を使うにせよ飛ばすにせよ、面談の予約まで進んでください。依頼するかどうかは、話を聞いてから決められます。
借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
📚 出典(公的機関・法令)を見る
- 日本弁護士連合会「業務広告に関する指針」(令和8年2月19日改正・PDF。規程5条関係=「借金減額診断」等のページに連絡先情報を入力させた場合でも、入力をもって事件の依頼又は法律相談の申込みとなる旨がページの記載から明確である等の特段の事情がない限り、閲覧者は依然として規程5条の面識のない者に該当し、訪問又は電話による広告は規程5条1項本文に違反する/規程3条2号の例=「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」等において借入金額、借入時期、返済の有無等を入力することのみでは事件の処理方針等が判断できないにもかかわらず判断ができる旨の記載/規程3条3号の例=「国が認めた借金減額制度」「国が認めた借金救済制度」等の表現、ウェブ広告に「借金減額診断」等と称するページを設けどのように入力しても「あなたの借金は、0円又は減額になる可能性があります」等と表示されるようにして依頼を勧誘する表現/規程3条4号の例=強硬な取立ての状況の体験記を記載する等して不安にさせて勧誘する広告) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/other/shishin_kaiki_44.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」(会規第44号・PDF。3条=事実に合致していない広告/誤導又は誤認のおそれのある広告/誇大又は過度な期待を抱かせる広告/困惑させ、又は過度な不安をあおる広告/比較広告/法令・会則・会規違反の広告/品位又は信用を損なうおそれのある広告の禁止。5条=面識のない者への訪問・電話による広告の原則禁止と「法律事務の依頼を希望する者から請求があった場合」の例外) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_044.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」(会規第70号・PDF。13条=依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価の支払禁止/30条=弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書の作成義務) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf
- 日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」(弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則/規程3条=受任弁護士自らの個別面談による事情聴取/4条=事件処理方針・不利益事項の説明) https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html
- 日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(会規第93号・PDF。3条=債務の内容・資産収入生活費その他の生活状況・不動産の処理に関する希望・処理に関する意向を自ら面談して聴取/4条=資格等の制限・信用情報機関への登録・資産を失う可能性等の不利益事項の説明) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf
- 日本弁護士連合会「弁護士情報検索」(日本弁護士連合会に現在登録されているすべての弁護士を検索することができます/氏名、所属弁護士会、事務所名称、事務所所在地、登録番号、性別等) https://member.nichibenren.or.jp/general_search
- 日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」(令和7年2月19日〜20日理事会決定・同年4月23日〜24日理事会改正・PDF。4条=受任予定の司法書士が自ら直接面談/5条=契約書の交付・報酬表の提示と説明/6条=不利益の説明/14条2項=依頼者の紹介を受けたことについての対価支払の禁止/15条1項=法令に違反して業務を行う者との提携・あっせんの禁止/19条=有利な結果を保証するような内容の広告宣伝の禁止・面談等を行う以前に過払金の発生又は債務の減額を期待させる内容の表示の禁止) https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement_list/uploads/eef60054829e003e2c157ee6edde90442d7e2ec8.pdf
- 日本司法書士会連合会「司法書士検索」(日本司法書士会連合会に現在登録されている司法書士及び司法書士法人を検索/司法書士の氏名、事務所所在地、事務所電話番号、事務所名称、簡裁代理権の有無) https://www.shiho-shoshi.or.jp/other/doui/
- e-Gov法令検索「弁護士法」(27条=非弁護士との提携の禁止/72条=弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で……一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない/77条=二年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205
- CIC「信用情報の利用」(CICの信用情報を利用できるのは、加盟資格を充たし、加盟審査を経て入会したCICの加盟会員等) https://www.cic.co.jp/cic/use.html
- CIC よくあるご質問「裁判所へ特定調停や民事再生を申請した場合、および弁護士・司法書士に債務整理を依頼した場合、自分の信用情報にその事実がコメントとして登録されますか?」(特定調停や民事再生の申請および債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません) https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002586.html
- CIC よくあるご質問「支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されるのですか?」(当社が保有する信用情報に、ブラックリストという名のリストはありません) https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002582.html
- JICC「信用情報の内容と登録期間」(取引事実に関する情報=債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等/契約日2019年10月1日以降=契約継続中及び契約終了後5年以内) https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration
- 法テラス よくある相談「任意整理とは何ですか。」(裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続) https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-001.html
- 法テラス「無料法律相談に関するよくあるご質問」(何回でも無料で相談できますか?=1つの問題につき3回までです/無料法律相談は、収入(平均月収)や資産(お持ちの現金・預貯金)が一定基準以下の方が対象) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/soudanqa.html
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」(債務整理(借金問題)についての相談先=日本司法支援センター(法テラス)、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、日本貸金業協会、日本クレジットカウンセリング協会、全国銀行協会) https://www.fsa.go.jp/soudan/
- e-Gov法令検索「利息制限法」(7条1項=営業的金銭消費貸借の賠償額の予定は年2割を超える部分が無効) https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年9月時点)
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