債務整理するとボーナスはどうなる?自己破産で取られる範囲と手続き中のボーナス、個人再生のボーナス払い(賞与月の加算)、任意整理の返し方

債務整理の基礎知識

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

・「自己破産したら、ボーナスは没収される」

・「債務整理をしたら、ボーナスで返す約束はできない」

こんな話を聞いて、ボーナスをあてにして返済を回してきたのに、もう回らなくなって身動きが取れずにいる人も多いのではないでしょうか?

しかし、ボーナス(賞与)は給料と同じく、原則として4分の3が差し押さえ禁止です(民事執行法152条1項2号。上限は1回33万円)。差し押さえが禁止された部分は、自己破産でも配当に回す財産に入りません(破産法34条3項2号)。個人再生でも、裁判所の書式に「ボーナス時の加算分」という返し方の欄がある裁判所があります。

とはいえ、すでに受け取って預金や現金になったボーナスは財産として申告が必要で、使い方によっては手続きで問題にされるのも事実です。

本記事では、自己破産でボーナスがどうなるか、受け取ったボーナスの申告と使い方の注意、個人再生でのボーナスの扱いとボーナス払い、任意整理の返し方について紹介します。

ボーナスで借金の穴埋めを続けてきた人はもちろんのこと、「次のボーナスが出る前に債務整理をしていいの?」と迷っている人も、ボーナスを使ってしまう前にしっかりと確認しておきましょう。

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相談者

毎月の返済が足りない分を、夏と冬のボーナスで埋めてきました。でも、もう回らなくて……。自己破産したら、ボーナスも取られるんですか?

あかり

ボーナスを受け取る権利は、給料と同じく大部分が法律で守られています。差し押さえが禁止された部分は、自己破産でも配当に回す財産に入りません。ただ、すでに受け取って口座に入っているボーナスは「預金」として扱われます。

相談者

じゃあ、ボーナスが入ったら、先に返せるところに返しておいたほうがいいですか?

あかり

それは避けてください。返せなくなった後に一部の借入先や家族にだけ返すと、免責(借金の支払義務をなくすこと)の判断で問題にされることがあります。ボーナスに手をつける前に、まず弁護士に使い方を相談してください。

🔎 30秒でわかる結論

  • ★ボーナスは給料と同じく、原則として手取額の4分の3が差し押さえ禁止(民事執行法152条1項2号。1回の支給で33万円が上限=施行令2条2項)。差し押さえが禁止された部分は破産財団に入らない(破産法34条3項2号)
  • ★すでに受け取ったボーナスは、現金・預金として扱われる。現金は99万円まで手元に残せる(破産法34条3項1号・法務省)。松江地裁は、ボーナスの受領を含め、申立て前2年以内に20万円以上で受け取った財産の使い道まで書かせている
  • ★手続き中に出るボーナスの扱いは、公的資料に直接の説明がない。支給日と申し立てる時期を弁護士と決める
  • ★返せなくなった後に、ボーナスで一部の借入先や家族にだけ返すのは避ける(破産法252条1項3号・162条)。使う前に弁護士に相談
  • ★個人再生では、ボーナスも収入として申告し、「ボーナス時の加算分」の返し方を選べる書式もある(千葉地裁・民事再生法229条2項1号)
  • ★任意整理は、返し方を借入先との話し合いで決める手続き(法テラス)。ボーナス月に多く払う形にできるかは相手との合意しだい

📖 この記事でわかること

  • ボーナスはどこまで差し押さえられる?
  • 自己破産:すでに受け取ったボーナスはどうなる?
  • 自己破産:手続き中に出るボーナスはどうなる?
  • ボーナスで一部の借入先・家族にだけ返すのが危ない理由
  • 個人再生:ボーナスがあると返す額は変わる?
  • 個人再生:ボーナス払い(賞与月の加算)はできる?
  • 個人再生:手続き中のボーナスと毎月の積立て
  • 任意整理:ボーナス払い・ボーナス併用はできる?
  • 債務整理のデメリットと、それでも今動く理由
  • 今の状況ごとに、最短でやること

ボーナスはどこまで差し押さえられる?

相談者

返済が止まったら、ボーナスを丸ごと差し押さえられたりしますか。

あかり

丸ごとは差し押さえられません。法律で、ボーナスも給料と同じように守られています。

民事執行法152条1項は、「給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権」について、「その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分」を差し押さえてはならないと定めています。ただし、4分の3が政令で定める額を超えるときは、政令の額までが差し押さえ禁止です。

ボーナスの政令の額は、民事執行法施行令2条2項で「賞与及びその性質を有する給与に係る債権に係る法第百五十二条第一項の政令で定める額は、三十三万円とする。」とされています。

1回のボーナス(手取額)差し押さえが禁止される部分差し押さえられうる部分
40万円30万円(4分の3)10万円
44万円33万円(4分の3)11万円
60万円33万円(上限)27万円

※「給付」は額面ではなく、所得税・住民税・社会保険料など法律上当然に引かれるものを差し引いた手取額です(広島法務局)。養育費など扶養義務にかかる請求では「四分の三」が「二分の一」になります(152条3項)。

出典:民事執行法152条1項・施行令2条2項から計算(2026年10月時点)

差し押さえが禁止された部分は、自己破産の手続きでも破産財団(債権者への配当にあてる財産)に入りません。破産法34条3項2号が「差し押さえることができない財産」は破産財団に属しないと定めているからです。

✅ このセクションのまとめ

ボーナスも給料と同じく、原則として4分の3(1回33万円が上限)は差し押さえ禁止です。この部分は自己破産でも配当に回されません。

万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。

自己破産:すでに受け取ったボーナスはどうなる?

相談者

先月もらったボーナスが、まだ口座に残っています。これも取られますか?

あかり

口座に入ったボーナスは「預金」として扱われ、財産として申告します。ただし、すぐに全部なくなるわけではありません。手元に残せる範囲もあります。

破産法34条1項は、「破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。」と定めています。すでに受け取って現金や預金になったボーナスは、この「財産」に当たります。

一方で、法務省は「例えば、生活に不可欠な衣類や日用品、99万円までの現金などは、債権者への支払には充てられません。」と説明しています(破産法34条3項1号)。預金のまま残すか、どこまで手元に残せるかは、裁判所の基準や「自由財産の拡張」(34条4項)の判断で変わります。

申立書でも、ボーナスは書く項目になっています。

裁判所申立書でボーナスについて書くこと
松江地裁陳述書の職歴欄に「月収及びボーナス(年額)」。申立て前2年以内に20万円以上で受け取った財産として「ボーナスの受領」を挙げ、時期・価額・使途なども記載
高知地裁職歴欄の現在の勤務先に「賞与の年額」を記載(記載例)
水戸地裁管財事件か同時廃止かの判断で、未払の「給料,賞与など」は「4分の1の額」で数える

東京地裁も、「20万円以上の換価対象資産がある場合(預貯金、保険の解約返戻金、未払報酬・賃金など)」は原則として管財事件として扱うとしています。ボーナスが預金として残っている額によっては、手続きの種類や費用に響くということです。

✅ このセクションのまとめ

受け取ったボーナスは現金・預金として申告します。99万円までの現金は手元に残せますが、預金の扱いや手続きの種類は裁判所の基準で変わるので、申立て前に弁護士と確かめましょう。

ボーナスが口座に残っていて、自己破産でどう扱われるか不安という方は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

自己破産:手続き中に出るボーナスはどうなる?

相談者

自己破産の手続き中に、冬のボーナスが出そうなんです。それも取られますか?

あかり

破産の手続きが始まった後に働いて得た給料は、債権者への支払に回されないと法務省は説明しています。ただ、手続きが始まった後に出るボーナスについては、公的な資料に直接の説明がありません。支給の時期と手続きの進み方しだいなので、申立ての前に弁護士と確かめてください。

法務省は、「破産手続が始まった後に破産者が取得した財産は、破産者がその後自由に使うことができ、債権者への支払には充てられません。」と説明し、例として「破産手続開始後に破産者が働いて得た給料」を挙げています。

一方で破産法34条2項は、「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。」と定めています。手続きが始まった後に出るボーナスのうち、差し押さえ禁止の部分を除いた分や、始まる前に働いた分をどう扱うかを直接示した裁判所や法務省の資料は見当たりません。なお水戸地裁は、管財事件か同時廃止かを振り分けるときに、まだ支払われていない「給料,賞与など」を「4分の1の額」で資産に数えるとしています(平成31年4月1日実施の基準)。そのため「手続き中のボーナスは全部自分のもの」とは言い切れません。

💡 申し立てる時期は弁護士と決める

ボーナスがいつ出るか(支給日)と、いつ申し立てるかの順番で、扱いが変わる可能性があります。ボーナスの支給予定がある人は、支給日と見込み額を弁護士に伝え、申し立てる時期を一緒に決めるのが確実です。

✅ このセクションのまとめ

手続きが始まった後に働いて得た給料は債権者への支払に回されません(法務省)。手続き中に出るボーナスは直接の説明がないので、支給日と申立ての時期を弁護士と決めましょう。

手続き中にボーナスが出る見込みがあるという方は、申し立てる前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

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ボーナスで一部の借入先・家族にだけ返すのが危ない理由

相談者

親に借りたお金だけは、ボーナスで先に返しておきたいんですが……。

あかり

その気持ちはよくわかります。でも、返せなくなった後に一部の相手にだけ返すと、免責の判断で問題にされたり、破産管財人に取り戻されたりすることがあります。親御さんにも迷惑がかかりかねないので、返す前に必ず相談してください。

破産法252条1項3号は、免責不許可事由として「特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。」を挙げています。免責で問題になるのは、特別の利益を与える目的などがあり、期限前の返済のように義務や時期に沿わない返済をした場合です。約束どおりの返済は、主に次の否認で問題になります。

また破産法162条1項1号は、「破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為」のうち、相手がその事実を知っていた場合などを、破産管財人が否認できる(なかったことにできる)行為としています。約束どおりの返済でも、支払不能の後なら否認されることがあります。松江地裁の申立書の記入要領にも、「支払不能になっていることを知りながら、一部の債権者(知人や親族等も含む。)にだけ弁済をしたこと(破産法252①三)の有無について本欄に記載してください。」という欄があります。

ただし、こうした事情があっても、裁判所が「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して」免責を認めることはあります(破産法252条2項)。してしまった場合も隠さず弁護士に伝えてください。

✅ このセクションのまとめ

ボーナスを一部の借入先や家族にだけ返すのは、免責や手続きで問題になりえます。使い道は、ボーナスに手をつける前に弁護士と決めましょう。

家族や知人からの借金を先に返したいと考えている方は、返す前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

個人再生:ボーナスがあると返す額は変わる?

相談者

個人再生にしたら、ボーナスがある分、返す額が増えるんですか?

あかり

どちらの個人再生を使うかで違います。「小規模個人再生」は、主に借金の額と財産で返す額が決まります。「給与所得者等再生」では、ボーナスを含む収入が返す額に響きます。

小規模個人再生の返す額は、借金の額に応じた最低限の額(民事再生法231条2項4号:住宅ローンなどを除いた借金〔基準債権〕の総額の5分の1または100万円のいずれか多い額。上限300万円など)と、財産の額(清算価値)を比べて決まります。

給与所得者等再生では、さらに「可処分所得」の要件があります。民事再生法241条2項7号は、返す額の総額が、「再生計画案の提出前二年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を二で除した額」などから、最低限の生活費1年分を引いた額の2倍以上であることを求めています。「収入の合計額」なので、ボーナスが多い人ほど返す額が大きくなりえます。

小規模個人再生給与所得者等再生
返す額を決める主なもの借金の額に応じた最低限の額と、財産の額(清算価値)左の2つに加えて、可処分所得(2年間の収入からの計算)
ボーナスの影響返す額の計算には直接入らないが、返していけるかの判断で見られる収入の合計に入るので、返す額が大きくなりうる
根拠民事再生法231条2項・174条2項4号民事再生法241条2項7号

どちらの手続きでも、申立書でボーナスを書きます。千葉地裁の小規模個人再生の申立書には、「(2)賞与(ボーナス)」の欄があり、「最近一年間に受け取った額及びその時期」を書くようになっています。

✅ このセクションのまとめ

ボーナスが返す額に響くかは、小規模個人再生か給与所得者等再生かで違います。どちらが合うかは、収入と借金の額から弁護士に計算してもらいましょう。

ボーナスがあって、個人再生で返す額がいくらになるか知りたいという方は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

個人再生:ボーナス払い(賞与月の加算)はできる?

相談者

毎月の返済を少なめにして、ボーナスの月に多く払う、という返し方はできますか?

あかり

裁判所の書式に、ボーナス月に加算する返し方の欄がある裁判所があります。ただし、毎月の分とあわせて返していける見込みを説明する必要があります。

民事再生法229条2項1号は、個人再生の返し方を「弁済期が三月に一回以上到来する分割払の方法によること。」と定めています(給与所得者等再生にも244条で準用)。

千葉地裁の再生計画案の書式には、毎月払いの欄と並んで、「毎年 月と 月の 日限り,権利変更後の再生債権の 分の に相当する金員(ボーナス時の加算分・合計 回)」という欄があります。

📄 千葉地方裁判所 小規模個人再生手続開始申立書(再生計画の履行可能性について)

「5 再生計画中の弁済原資月額が、1か月当たりの弁済額に満たない場合には、履行可能性について、分かりやすく説明してください。 (※ 賞与を組み入れなければ支払いが困難である場合には、必ず履行可能性についての説明をこちらに記載してください。)」

つまり、ボーナスをあてにした返し方を選ぶなら、ボーナスがこれからも出る見込みを含めて説明できるかが大事になります。ボーナスが業績で大きく変わる会社なら、毎月払いだけで組むほうが安全なこともあります。

✅ このセクションのまとめ

個人再生では、ボーナス月に加算する返し方の欄がある裁判所の書式もあります。ボーナスに頼る計画は、返していける見込みの説明が必要です。

ボーナス月に多く返す計画で個人再生ができるか知りたいという方は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

個人再生:手続き中のボーナスと毎月の積立て

相談者

個人再生の手続き中に出たボーナスは、自由に使っていいんですか?

あかり

自由に使っていいとは言い切れません。手続き中は、毎月決まった額を積み立てる(振り込む)よう求める裁判所があり、続けられるかが確かめられます。ボーナスを使う前に、積立てや生活費の見通しを弁護士と確かめてください。

東京地裁は、「分割弁済の履行テストとして、計画弁済予定額を個人再生委員の指定する口座に毎月申立人から振り込むことになります。決して振込漏れのないようにしてください。」としています。旭川地裁は、「返済予定額総額を36(3年間)で割った額に相当する金額を毎月積立てていただきます。」と説明しています。

千葉地裁の申立書では、申立て直前2か月分の「家計全体の状況」を出し、収入の欄は「給与・賞与」、支出には「履行テストの積立て」の項目があります。ボーナスも、収入として家計の記録に載るということです。

✅ このセクションのまとめ

個人再生の手続き中は、毎月の積立てや振込みで返していけるかが確かめられます。ボーナスの使い道は、積立てを続けられる範囲で弁護士と決めましょう。

個人再生の手続き中にボーナスが出る予定があるという方は、使う前に弁護士などの専門家に相談してください。

任意整理:ボーナス払い・ボーナス併用はできる?

相談者

任意整理なら、ボーナスの月に多めに返す約束もできますか?

あかり

任意整理は、返し方を借入先と話し合って決める手続きです。ボーナス月に多く払う形にできるかは、相手との合意しだいです。

法テラスは、任意整理を「裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続です。」と説明しています。そのうえで「自己破産などと異なり、支払をしていくことが必要な債務整理手続ですので、そのための原資の確保や家計管理が必要です。」とも書いています。

法テラスは、任意整理のデメリットとして「債権者の了解と支払原資が必要になる。」も挙げています。ボーナス併用の返し方を望むなら、ボーナスがなくても毎月の分は払えるか、ボーナスが減ったときにどうするかまで考えておく必要があります。

✅ このセクションのまとめ

任意整理の返し方は借入先との合意で決まります。ボーナス併用にするかは、毎月の家計とボーナスの確実さを見て、弁護士と決めましょう。

ボーナスをあてにした返済が続かず、任意整理で返していけるか知りたいという方は、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

債務整理のデメリットと、それでも今動く理由

相談者

ボーナスが出れば、あと少しは何とかなる気もするんです……。

あかり

先にデメリットをお伝えしますね。そのうえで、ボーナスで穴埋めを続けると、次のボーナスまで借金を借りては返す形になりやすいことも知っておいてください。

デメリット内容出典
自己破産では財産を失う「生活に必要な家財道具等の一定の財産以外は、失うことになる。(ただし、99万円以下の現金は手元に残せる。)」法テラス
任意整理には相手の了解と原資が要る「債権者の了解と支払原資が必要になる。」法テラス
借入れ・カードが作りにくくなる(任意整理の例)「信用情報を取り扱う機関に登録されることにより、数年間は、借入れやクレジットカードの作成が難しくなる。」(任意整理)法テラス
個人再生は返し続ける必要がある手続き中から毎月の積立て・振込みを求める裁判所がある東京地裁・旭川地裁

一方で、法テラスは「自己破産をしたからといって、選挙権がなくなる、戸籍や住民票に記載される、銀行の普通預金口座も使用できなくなる、ということはありません。」と書いています。

ボーナスで返済の穴を埋める形は、ボーナスが減ったり出なかったりした月に一気に崩れます。そのうえ、手元にあるボーナスを一部の相手に返してしまうと、後の手続きで問題にされることもあります。ボーナスが出る前、手をつける前に相談するほうが、選べる手が多く残ります。

✅ このセクションのまとめ

債務整理にはデメリットがありますが、ボーナス頼みの返済は崩れやすい形です。ボーナスに手をつける前に相談するのが、選べる手を広く残す近道です。

万が一支払いが難しい場合は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。

今の状況ごとに、最短でやること

今の状況最短でやること
ボーナスで返済の穴埋めをしてきたが、もう回らないボーナスの支給予定日・見込み額と借入先の一覧を持って相談する
ボーナスが口座に入ったばかり一部の借入先や家族に返さず、使う前に弁護士と使い道を決める
自己破産を考えていて、近くボーナスが出る支給日と申し立てる時期の順番を弁護士と決める
個人再生を考えている小規模か給与所得者等再生か、ボーナス月の加算にするかを弁護士と計算する
任意整理でボーナス併用にしたいボーナスがなくても毎月の分を払えるかを先に確かめ、弁護士に交渉を任せる
ボーナスを差し押さえられそう・差し押さえられた借入先など民間の債権者による差し押さえなら、禁止されるのは原則として手取額の4分の3(1回33万円まで)。それを超える部分は差し押さえられうる。すぐに相談する

どの状況でも、ボーナスに手をつける前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

よくある質問

Q. 自己破産したら、ボーナスは没収されますか。

A. すでに受け取って預金や現金になっているボーナスは財産として申告し、99万円までの現金などは手元に残せます(破産法34条3項1号・法務省)。ボーナスを受け取る権利のうち差し押さえが禁止された部分(原則4分の3・1回33万円が上限)は、破産財団に入りません(34条3項2号・民事執行法152条1項2号)。手続き中に出るボーナスの扱いを直接説明した公的資料はないので、支給日と申立ての時期を弁護士と決めてください。

Q. ボーナスをもらってから自己破産したほうが得ですか。

A. 一概には言えません。受け取ったボーナスは預金や現金として申告し、松江地裁のように、ボーナスの受領を含め、申立て前2年以内に20万円以上で受け取った財産の使い道まで書かせる裁判所もあります。受け取ってから一部の相手に返すと問題になりうるので、支給の前に相談するのが確実です。

Q. 個人再生で、ボーナス払いだけにすることはできますか。

A. 年2回のボーナス払いだけにはできません。個人再生の返し方は「弁済期が三月に一回以上到来する分割払の方法によること。」と決まっていて(民事再生法229条2項1号)、年2回では6か月に1回になるからです。毎月払いなどに加えてボーナス月に上乗せする形なら、千葉地裁の書式にも「ボーナス時の加算分」の欄があります。

Q. 個人再生の家計簿(家計収支表)に、ボーナスはどう書きますか。

A. 千葉地裁の書式では、収入の欄が「給与・賞与」になっていて、申立て直前2か月分の家計を出します。平均の月収を書く欄では、一時的な収入は差し引いて計算するよう指示があります。書き方は裁判所ごとに違うので、申立てを頼む弁護士の指示に従ってください。

Q. 会社にボーナスの額を聞かれたり、会社に知られたりしますか。

A. 会社への連絡がどうなるかは、手続きや借入先によって変わります。申立書にボーナスの年額を書かせる裁判所はあり(松江地裁・高知地裁の書式)、個人再生では給料明細や源泉徴収票の写しを添付します(千葉地裁)。勤務先から借りていないかも含めて、弁護士に伝えてください。

まとめ

債務整理とボーナスについて押さえておくことは、次のとおりです。

🔎 30秒でわかる結論

  • ボーナスは原則として手取額の4分の3が差し押さえ禁止(民事執行法152条1項2号・1回33万円が上限=施行令2条2項)。この部分は破産財団に入らない(破産法34条3項2号)
  • 受け取ったボーナスは現金・預金として申告。99万円までの現金は手元に残せる(法務省)。使い道まで書かせる裁判所もある(松江地裁)
  • 手続き中に出るボーナスの扱いは、公的資料に直接の説明がない。支給日と申し立てる時期を弁護士と決める
  • ボーナスで一部の相手にだけ返さない(破産法252条1項3号・162条)
  • 個人再生は「ボーナス時の加算分」の返し方の欄がある書式も(千葉地裁)。給与所得者等再生ではボーナスを含む収入が返す額に響く
  • 任意整理のボーナス併用は、借入先との合意しだい(法テラス)

ボーナスの支給予定日と見込み額、最近の給料明細、借入先の一覧を持って相談すれば、どの手続きが合うか、いつ申し立てるか、ボーナスをどう使うかを弁護士と一緒に決められます。ボーナスに手をつける前に、まず相談してください。

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📚 出典(公的機関・法令)を見る
  • e-Gov 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)152条1項2号・3項 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • e-Gov 民事執行法施行令 2条2項(賞与の政令で定める額=33万円) https://laws.e-gov.go.jp/law/355CO0000000230
  • e-Gov 破産法(平成十六年法律第七十五号)34条1項・2項・3項1号・2号・4項・162条1項1号・252条1項3号・2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
  • e-Gov 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)174条2項4号・229条2項1号・231条2項4号・241条2項7号・244条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 法務省「第11話 自己破産は最後の切り札?」 https://www.moj.go.jp/seinen/chapter_11/commentary.html
  • 広島法務局「従業員の給与について裁判所から差押命令が送達された場合に雇用主がする供託」(「支払期に受けるべき給付」=手取額) https://houmukyoku.moj.go.jp/hiroshima/static/07salary.htm
  • 東京地方裁判所 民事第20部「よくある質問」(破産Q3・個人再生の履行テスト) https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section20/situmonn_tousannbu/index.html
  • 東京地方裁判所「個人再生手続の申立てに当たって」(令和7年11月1日以降適用) https://www.courts.go.jp/tokyo/vc-files/tokyo/a_kojinsaiseiq2_kojinsaiseitetudukinomousitateniatatte_071101.pdf
  • 水戸地方裁判所「同廃・管財振り分けの運用について」(平成31年4月1日実施) https://www.courts.go.jp/mito/vc-files/mito/file/31.4.1hasankijyun.pdf
  • 松江地方裁判所「破産手続のあらまし・申立書記入要領」(陳述書の職歴・過去2年以内に処分した財産・偏頗行為) https://www.courts.go.jp/matsue/vc-files/matsue/2023/20240115_hasanzikensyosiki/1_hasantetudukinoaramashi_moushitateshokinyuuyouryou.pdf
  • 高知地方裁判所 破産申立書の記載例(職歴欄の賞与の年額) https://www.courts.go.jp/kouchi/vc-files/kouchi/file/hasan1-2_20190701.pdf
  • 千葉地方裁判所 小規模個人再生手続開始申立書(令和6年3月1日版・賞与欄・履行可能性・家計全体の状況) https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/2024/minji/saisei/02_2_20240426.pdf
  • 千葉地方裁判所 給与所得者等再生手続開始申立書(令和6年3月1日版) https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/2024/minji/saisei/03_2_20240426.pdf
  • 千葉地方裁判所 再生計画案の書式(別紙「返済計画」ボーナス時の加算分) https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/file/saisei10.pdf
  • 旭川地方裁判所「民事再生手続について」(毎月の積立て) https://www.courts.go.jp/asahikawa/vc-files/asahikawa/file/202009.pdf
  • 法テラス よくある相談「任意整理とは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-001.html
  • 法テラス よくある相談「任意整理のメリット・デメリットは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-002.html
  • 法テラス よくある相談「任意整理の手続について教えてください。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-003.html
  • 法テラス よくある相談「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-002.html

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年10月時点)

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