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「車を取られたら、通勤も買い物もできなくなる…」。車が生活の足になっている人ほど、債務整理と聞くと“車まで失うのでは”という不安が先に立ちますよね。この記事では、公的機関や信用情報機関などの公表情報をもとに「どんな車なら残せて、どんな車が引き上げになり得るのか」を、やさしく整理します。

仕事で車が必要なんです…。任意整理をしたら、車って必ず持っていかれちゃうんですか?

「必ず」ではないんですよ。分かれ目はローンが残っているかどうか。ローンを払い終えた自分の車なら、任意整理では手元に残せることが多いんです。順番に見ていきましょうね。

ローンの有無で変わるんですね。うちの車のことも考えながら読んでみます。
🔎 30秒でわかる結論
- ローンを払い終えた自分名義の車は、任意整理では手元に残せることが多い(任意整理は財産を失わない手続き)。
- ローン返済中の車は、その借金を整理の対象にすると引き上げになり得ます(所有権が信販会社などに留保されているため)。
- ただし任意整理は個別に交渉する手続き。車のローンを対象から外して進める道もあります(相手方の合意が前提)。
📖 この記事でわかること
- ローン完済の車とローン中の車で、扱いがどう違うか
- なぜローン中の車は引き上げになり得るのか(所有権留保)
- 任意整理・個人再生・自己破産で、車の扱いがどう変わるか
- 車を残したいときに気をつけたいこと
まず結論:完済済みの車は残せることが多い
法テラスは、任意整理を「財産を失うことがない」手続きと説明しています。つまり、ローンを払い終えて担保も付いていない自分名義の車は、任意整理をしたからといって処分される対象にはなりません。
問題になるのは、ローンがまだ残っている車のほうです。ここには「所有権留保」というしくみが関係してきます。
出典:法テラス「任意整理のメリット・デメリット」(2026年8月時点)
なぜローン中の車は引き上げになり得るの?

自分で乗っている車なのに、なんで持っていかれることがあるんですか?
オートローンで車を買うと、ローンを完済するまでは、車の名義(所有権)が販売会社やクレジット会社に留保されていることが多いのです。これを「所有権留保」と呼びます。国民生活センターの資料でも、割賦販売などで売主が自動車の所有権を留保している場合があることが示されています。
この状態で車のローンを整理の対象にして支払いを止めると、契約が解除され、留保していた側が車を引き上げる、という流れが起こり得ます。車検証の「所有者」欄を見て、自分ではなくローン会社などの名前になっていれば、所有権留保が付いているサインです。
出典:国民生活センター 国民生活2023年5月号・同2025年1月号(割賦販売の解説)(2026年8月時点)
💡 ポイント
引き上げになり得るのは、あくまで「所有権留保が付いたローン中の車」を整理の対象にした場合です。ローンを払い終えていれば、この心配はありません。
方法別に見る:任意整理・個人再生・自己破産
同じ「車を残せるか」でも、選ぶ手続きによって考え方が変わります。ざっくり整理すると次のとおりです。
| 手続き | 完済済みの車 | ローン中の車 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 残せることが多い(財産を失わない手続き) | 対象にすると引き上げになり得る/対象から外す道もある(合意が前提) |
| 個人再生 | 原則手元に残せる(財産を失わない) | 所有権留保付きは引き上げになり得る(住宅ローン特則は住宅が対象で車には及ばない) |
| 自己破産 | 相当な価値があれば処分対象/価値が低ければ残る余地(裁判所により運用差) | 所有権留保付きは引き上げになり得る |
出典:法テラス(任意整理)・法テラス(個人再生)・法テラス(自己破産と自家用車)(2026年8月時点)
① 任意整理:整理する借金を選んで交渉する
任意整理は、裁判所を通さず、債権者と個別に話し合って返済条件を決める手続きです。相手方の合意が前提になりますが、この性質を使って車のローンを対象から外し、ほかの借金だけを整理するという進め方が検討されることがあります。ただし「必ず外せる」と保証されたものではないため、専門家と相談しながら進めるのが安全です。
② 個人再生:財産を残しやすいが、車のローンは別
個人再生は、自己破産のように多くの財産を手放さなくても、借金を大きく減らせる可能性がある手続きです。ただし、家を守れる「住宅ローン特則」は住宅が対象で、車のローンには及びません。所有権留保が付いた車は、個人再生でも引き上げになり得ます。
③ 自己破産:価値の高い車は処分対象になりやすい
自己破産では、相当な交換価値がある自動車は原則として処分(換価)されます。どの程度の価値の車を処分するかは、裁判所によって取扱いが異なることもあります。一方で、破産手続きでも金銭などの自由財産は手元に残せます。その金銭の上限は、破産法34条3項1号と民事執行法施行令にもとづき、99万円が目安とされています(この金額は制度により見直される可能性があります)。
出典:法テラス「自己破産すると自家用車は必ず処分されるのか」・e-Gov 破産法(第34条)(2026年8月時点)
知っておきたいデメリット・注意点
車を残せるかどうかにばかり気を取られず、次の点も知っておきましょう。
① 新たな車のローンはしばらく組みにくい
債務整理をすると、信用情報に記録が残ります。CICでは、クレジットの情報は契約終了後5年以内が保有期間の目安とされています。この間は、新たなオートローンやカードの審査に通りにくくなります。ただし「必ず組めない」と決まっているわけではなく、審査は各社の判断です。
出典:CIC「CICが保有する信用情報」(2026年8月時点)
② 「名義変更で隠す」はやってはいけない
引き上げを避けたいからと、手続きの直前に車を家族へ名義変更するなどの行為は、財産隠しとみなされてトラブルの元になります。残したい車がある場合は、自己判断で動かず、必ず専門家に先に相談してください。
✅ このセクションのまとめ
完済済みの車は残せることが多く、引き上げが関係するのは所有権留保付きのローン中の車です。新たな車のローンは5年ほど組みにくくなる点は、あらかじめ知っておきましょう。
よくある質問

車の車検証を見たら、所有者が私じゃなくてローン会社の名前でした…。もうダメですか?

それは所有権留保が付いているサインですね。でも、その車のローンを対象から外して進める方法を検討できる場合もあります。あきらめる前に、まず状況を相談してみてください。
Q. 家族名義の車は影響を受けますか?
A. 手続きをする本人の財産ではないため、家族名義でその家族が使っている車が、本人の債務整理で処分対象になるわけではありません。ただし、名義の実態や購入資金の出どころによって見方が変わることもあるため、専門家に確認しましょう。
Q. カーリースの車はどうなりますか?
A. リース車は所有者がリース会社です。リース料の支払いを続けられるかどうかで扱いが変わるため、契約内容をもとに専門家へ相談してください。
まとめ
車を残せるかどうかの分かれ目は、ローンが残っているかとどの手続きを選ぶかです。完済済みの車は残せることが多く、引き上げが関係するのは所有権留保付きのローン中の車。任意整理なら、その借金を対象から外して進める道を検討できる場合もあります(合意が前提)。「もう車も失う」と決めつける前に、匿名の無料相談で今の状況を話してみるのが近道です。
📚 出典(公的機関・信用情報機関・法令)を見る
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。記載の制度・金額・登録期間は2026年8月時点の各機関公表内容にもとづきます。

