自己破産したら生命保険・学資保険は解約?解約返戻金で決まる扱いと、親が払っている・妻名義の保険、残したいときの方法を法令で解説

債務整理の基礎知識

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

・「自己破産したら、生命保険も学資保険も全部解約させられるらしい」

・「家族のためにかけてきた保険がなくなるくらいなら、破産はできない」

こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?

しかし、自己破産で問題になるのは、保険そのものではなく「解約返戻金」(解約したときに戻ってくるお金)という財産です。解約返戻金がない・少ない保険や、家族が契約者になっている保険は、扱いが大きく変わります。返戻金がある保険でも、裁判所に財産の範囲を広げてもらう制度や、家族が返戻金に見合うお金を払って契約を続ける制度があります。

とはいえ、解約返戻金のある保険を自分が契約者として持っている場合、破産管財人の手で解約されることがあるのも事実です。

本記事では、自己破産で生命保険・学資保険がどうなるのか、どんな保険が解約の対象になるのか、家族名義や親が保険料を払っている保険の扱い、保険を残したいときの方法について紹介します。

自己破産をすすめられた人はもちろんのこと、「保険がなくなるのが怖くて相談に行けない」という人も、保険を解約したり名義を変えたりする前にしっかりと確認しておきましょう。

(PR)

今すぐ無料相談・匿名相談OKの
窓口が見つかる!

債務整理にくわしい
無料の相談窓口を探す

相談0円 / 匿名OK / 話だけでもOK

無料・匿名で相談窓口を見る ▶

まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。

相談者

自己破産したら、子どもの学資保険も、私の生命保険も、全部解約されるんですか。

あかり

全部とは限りません。自己破産で見られるのは、保険を解約したときに戻ってくるお金(解約返戻金)です。まず、保険ごとに「契約者は誰か」「解約返戻金はいくらか」を確かめましょう。

相談者

学資保険は妻の名義で、保険料は私の給料から払っています。

あかり

その場合は、奥さんの名義でも、申立ての書類に書く必要が出てくることがあります。隠したり、慌てて名義を変えたりすると、かえって免責が危うくなります。

相談者

じゃあ、残す方法はないんでしょうか。

あかり

あります。裁判所に残す財産の範囲を広げてもらう制度や、家族が返戻金に見合うお金を払って契約を続ける制度です。自己破産以外の手続きなら、そもそも解約の話にならないこともあります。順番に説明しますね。

🔎 30秒でわかる結論

  • ★自己破産でお金に換える対象になるのは、保険の「解約返戻金」。千葉地裁は、財産の例として「生命保険の解約返戻金」を挙げている。大阪地裁も「保険契約は解約されることがあります。」としている
  • ★東京地裁は、保険の解約返戻金などの換価対象資産が20万円以上ある場合を、原則として「管財事件」にする例に挙げている。ただし「20万円以下なら必ず残る」という全国共通の基準ではない
  • ★家族が契約者の保険は家族の財産(法テラス「家族の財産が処分されたり…することはありません。」)。ただし、本人の収入から保険料を払っている保険は、申立ての書類に書くよう求める裁判所がある(札幌地裁)
  • ★返戻金がある保険も、残す方法がある=自由財産の拡張(破産法34条4項)/保険金受取人の家族による介入権(保険法60条2項)
  • ★解約・名義変更を自分の判断でするのは危険。財産を隠す行為は免責不許可事由(破産法252条1項1号)。個人再生・任意整理なら、保険を解約する手続きはない

📖 この記事でわかること

  • 自己破産で保険が解約の対象になる理由(解約返戻金)
  • 解約返戻金がいくらなら保険は残る?
  • 家族名義・親が保険料を払っている保険はどうなる?
  • 自己破産でも保険を残したいときの方法
  • 保険を解約・名義変更してから破産するのはNG
  • 個人再生・任意整理なら保険はどうなる?
  • 自己破産のデメリットと、それでも今動く理由
  • 今の状況ごとに、最短でやること

自己破産で保険が解約の対象になる理由(解約返戻金)

相談者

どうして保険が、自己破産で取られる対象になるんですか。

あかり

解約返戻金が、あなたの「財産」として扱われるからです。保険の契約そのものではなく、解約したら戻ってくるお金の額が問題になります。

破産法34条1項は「破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。」と定めています。破産財団に入った財産は、裁判所が選んだ破産管財人が管理・処分します(破産法78条1項)。

保険について、千葉地方裁判所の「よくあるご質問」は、「財産」にどのようなものが入るかという問いに「不動産,自動車,生命保険の解約返戻金などのほか,金融業者に対する過払金請求権,他人にお金を貸している場合の貸金請求権なども含まれます。」と答えています。大阪地方裁判所も、「債務者の財産は破産管財人[Q3参照]がお金に換えていきますので,自宅は手放さなければなりませんし,保険契約は解約されることがあります。」と説明しています。

解約返戻金について、生命保険文化センターは「解約すると解約返戻金が受け取れます。解約返戻金の額は保険種類・契約時の年齢・保険期間・経過年数などによって異なりますが、通常は払い込んだ保険料総額より少なくなります。」と説明しています。

保険の種類(よくある例)解約返戻金自己破産での見られ方
掛け捨ての医療保険・定期保険ない、またはごくわずかなことが多いお金に換える価値が小さく、問題になりにくい
終身保険・養老保険払い込んだ年数に応じてたまっていることが多い返戻金の額によっては解約の対象になりうる
学資保険(こども保険)たまっていることが多い契約者が本人なら、返戻金の額によっては対象になりうる
個人年金保険たまっていることが多い同上

※同じ種類でも、商品や加入年数で返戻金の額は大きく違います。実際の額は、保険会社が発行する解約返戻金の証明書で確かめます。

出典:生命保険文化センター「解約」(返戻金の額は保険会社の証明書で確認。種類別の傾向は一般的なもの)(2026年10月時点)

✅ このセクションのまとめ

自己破産で問題になるのは、保険の解約返戻金という財産です。掛け捨てのように返戻金がない・少ない保険と、返戻金がたまっている保険とでは、扱いが大きく違います。

自分の保険に解約返戻金があるか分からないという方は、保険証券を手元に用意して、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

解約返戻金がいくらなら保険は残る?

相談者

返戻金がいくらまでなら、保険を残せるんですか。

あかり

全国共通の「この金額以下なら必ず残る」という基準は、法律にはありません。ただ、裁判所の公表資料に、手続きの分かれ目になる数字があるので、それを見てみましょう。

東京地方裁判所の倒産部は、原則として破産管財人を選ぶ「管財事件」として取り扱う場合の例を挙げています。その一つが「債務者に、20万円以上の換価対象資産がある場合(預貯金、保険の解約返戻金、未払報酬・賃金など)」です。高知地方裁判所の「破産申立てについて」(令和元年7月1日改訂)も、「②現金及び普通預貯金以外の個別財産のいずれかが20万円以上」などに当たる人について破産管財人を選任するとしています。

公表されている数字何の数字か保険への当てはめ
20万円(東京地裁)換価対象資産がこの額以上あると、原則として管財事件になる例返戻金が20万円以上なら、破産管財人が調べて扱いを決める手続きになりやすい
20万円(高知地裁・令和元年7月改訂)現金・普通預貯金以外の個別財産が20万円以上なら破産管財人を選任高知の資料は保険に直接触れていない。返戻金が「個別財産」に当たるかは申立ての際に確認する
99万円手元に残せる現金の額(破産法34条3項1号・民事執行法131条3号の額=施行令1条で66万円に2分の3を乗じた額)保険の返戻金が99万円まで残るという意味ではない

※管財事件になっても、保険が必ず解約されるわけではありません。返戻金を残せるかは、自由財産の拡張(次の章)などで個別に判断されます。運用は裁判所ごとに違います。

出典:東京地方裁判所 民事第20部(倒産部)「よくある質問」Q3・高知地方裁判所「破産申立てについて」・法テラス・e-Gov(2026年10月時点)

99万円について、法テラスは自己破産のデメリットとして「生活に必要な家財道具等の一定の財産以外は、失うことになる。(ただし、99万円以下の現金は手元に残せる。)」と説明しています。これは現金の話で、保険の解約返戻金は別の財産として見られます。

💡 「20万円」はひとり歩きしやすい数字

「返戻金が20万円以下なら大丈夫」とネットで見かけても、それは裁判所ごとの運用の話で、法律で決まった基準ではありません。返戻金が少なくても、ほかの財産と合わせて見られることもあります。自分の保険が残るかは、証明書の金額を持って相談して確かめるのが確実です。

自分の保険の返戻金がいくらで、どう扱われそうか知りたいという方は、証明書を取り寄せて、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

(PR)

今すぐ無料相談・匿名相談OKの
窓口が見つかる!

債務整理にくわしい
無料の相談窓口を探す

相談0円 / 匿名OK / 話だけでもOK

無料・匿名で相談窓口を見る ▶

まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。

家族名義・親が保険料を払っている保険はどうなる?

相談者

親が保険料を払ってくれている、私名義の保険があります。これも対象ですか。

あかり

契約者があなたなら、対象に含まれます。申立ての書類に書き、返戻金の額で扱いが決まります。誰が保険料を払っているかではなく、誰が契約者かで見られるのが基本です。

札幌地方裁判所の申立書の書き方は、保険について「あなたが契約者となっている保険・共済等は、誰が保険料等を支払っているかにかかわらず、すべて書いてください。」としています。さらに、「親族等が契約者となっている保険・共済等の中に、あなたの収入・資産から保険料等を支払っているものがある場合は、あなたが契約者である保険と同様に書いてください。」とも書いています。

契約者保険料を払っている人申立てでの扱い
本人本人書く(札幌地裁)。返戻金の額によっては換価の対象になりうる
本人親など家族書く(札幌地裁=誰が払っているかにかかわらず)
妻・親など家族家族本人家族の財産。本人の財産として処分されることはない(法テラス)
妻・親など家族本人の収入・資産本人が契約者の保険と同様に書く(札幌地裁)

※書き方や扱いは裁判所ごとに違うことがあります。

出典:札幌地方裁判所「破産・免責申立書の書き方と留意事項」・法テラス よくある相談(2026年10月時点)

家族そのものへの影響について、法テラスは「影響ありません。自己破産はあくまで申立人本人についての手続です。家族の財産が処分されたり、家族の仕事が制限されたりすることはありません。」と説明しています。家族が自分のお金で払っている、家族名義の保険は、家族の財産です。一方で、妻名義の学資保険でも保険料を本人の給料から払っているなら、申立ての書類に書いて、扱いを裁判所と破産管財人の判断にゆだねることになります。

家族名義の保険や、親が払ってくれている保険の扱いが気になるという方は、契約者と保険料の払い方を整理して、弁護士などの専門家に相談してください。

自己破産でも保険を残したいときの方法

相談者

返戻金がたまっている保険でも、残せる方法はありますか。

あかり

あります。自己破産の中で法律に定めがあるのは、次の2つです。どちらが使えるかは、弁護士と一緒に検討します。

方法1=自由財産の拡張(破産法34条4項)

破産法34条4項は「裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。」と定めています。保険が生活に欠かせない事情(持病があって新しく入れない、など)があれば、手元に残す財産の範囲に入れてもらえるよう申し立てる方法です。認められるかは裁判所の判断で、運用の基準は裁判所ごとに違います。

方法2=保険金受取人の家族による「介入権」(保険法60条)

保険法60条1項は、破産管財人などによる死亡保険契約の解除について、「保険者がその通知を受けた時から一箇月を経過した日に、その効力を生ずる。」と定めています。そして60条2項は、保険金受取人(通知の時に契約者である人を除き、契約者や被保険者の親族、または被保険者本人に限られます)が、契約者の同意を得て、その1か月のうちに、解除されていれば保険会社が支払うはずだった金額を破産管財人に支払い、保険会社にその旨を通知したときは、「同項に規定する解除は、その効力を生じない。」と定めています。

つまり、保険金の受取人になっている家族が、契約者の同意を得て、解約返戻金に相当するお金を破産管財人に払い、保険会社に通知すれば、保険を解約されずに続けられる制度です。対象は、保険料の積立金がある(返戻金がある)死亡保険契約で、傷害疾病定額保険契約にも同じ定めがあります(保険法89条)。

方法誰がするポイント
自由財産の拡張本人(申立て)/裁判所(職権)開始決定の時から、その決定が確定した日以後1か月を経過する日までの間。生活の状況などを考慮して裁判所が判断
介入権保険金受取人の家族(契約者本人は除く)契約者の同意を得て、解除の通知が保険会社に届いてから1か月以内に、返戻金相当額を破産管財人に払い、保険会社に通知
(参考)個人再生・任意整理を選ぶ本人自己破産以外の手続き。保険を解約する手続きはない(次の章)

出典:e-Gov 破産法34条4項・保険法60条(2026年10月時点)

家族の保障や子どもの学資保険を残したいという方は、どの方法が使えるかを、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

保険を解約・名義変更してから破産するのはNG

相談者

申し立てる前に、自分名義の終身保険の名義を妻に変えておけば大丈夫ですか。

あかり

大丈夫ではありません。それは一番やってはいけないことです。財産を隠したと見られて、借金の免除(免責)が認められないおそれがあります。

破産法252条1項は、免責を認めない事由の1号に「債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。」を挙げています。申立ての直前に保険の名義を家族に移すことは、この「隠匿」や「不利益な処分」と見られるおそれがあります。

また、札幌地裁の書き方は、保険について「過去1年間に解約又は失効した分も含みます。」としています。慌てて解約しても、その事実を申立ての書類に書くことになり、戻ってきたお金の使い道を説明するよう求められることがあります。解約も名義変更も、依頼した弁護士の指示があるまでしないのが鉄則です。

やってはいけないこと理由
保険の名義を家族に変える財産の隠匿・不利益な処分と見られるおそれ(破産法252条1項1号)
保険を解約して、返戻金を使ってしまう・隠す申立ての書類で過去の解約も聞かれる(札幌地裁は過去1年分)。使い道の説明を求められることがある
契約者貸付で借りて、特定の借入先だけに返す支払不能になった後などに特定の債権者だけに返済すると、破産管財人に否認されて取り戻されるおそれがある(破産法162条1項)
保険の存在を申立ての書類に書かない財産の隠匿と見られるうえ、裁判所の調査で説明を拒んだりうその説明をしたりすることも免責不許可事由になる(破産法252条1項1号・8号)

契約者貸付について、生命保険文化センターは「契約している生命保険の解約返戻金の一定範囲内で、貸付けを受けることができます。」としつつ、「返済しない場合、利息は元金に繰り入れられ元利金は年々膨らみます。」とも説明しています。すでに契約者貸付を受けている人は、それも借入れの一つとして相談のときに伝えてください。

なお、免責不許可事由があっても、裁判所が一切の事情を考慮して免責を認めることはあります(破産法252条2項の裁量免責)。ただ、それを当てにして名義変更などをするのは危険です。迷ったら、動かす前に相談してください。

個人再生・任意整理なら保険はどうなる?

相談者

保険を残したいなら、自己破産以外のほうがいいんですか。

あかり

保険を残しやすいのは確かです。個人再生と任意整理には、保険を解約する手続きがありません。ただ、個人再生では返戻金の額が返済額に影響します。

大阪地方裁判所は、個人再生で返済しなければならない額について「現在負っている債務(借金)の内容や総額,保有している資産(現金,預貯金,保険の解約返戻金,不動産など)の評価額の合計によって変わります。」と説明しています。つまり、個人再生では保険を続けられる代わりに、返戻金の額が「最低でも返済しなければならない金額」の計算に入ることがあります。

手続き保険の解約注意点
自己破産返戻金の額によっては、破産管財人が解約することがある自由財産の拡張・介入権で残す道がある
個人再生解約する手続きはない返戻金が、返済額の計算に入ることがある
任意整理解約する手続きはない(裁判所を使わない話し合い)対象にしたカードが使えなくなれば、保険料の払い方を変える必要が出ることがある

出典:大阪地方裁判所 第6民事部(倒産部)Q&A(2026年10月時点)

借金の総額と収入によっては、自己破産ではなく個人再生や任意整理で解決できることもあります。「保険を残したい」という希望は、手続きを選ぶ大事な材料です。最初の相談で必ず伝えてください。

保険を残せる手続きがあるか知りたいという方は、借金の総額と保険の一覧を持って、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。

自己破産のデメリットと、それでも今動く理由

相談者

保険のほかに、自己破産で困ることはありますか。

あかり

あります。先に全部お伝えしますね。そのうえで、残す方法があるものと、手続きを選べば避けられるものを分けて考えましょう。

デメリット事実保険・家族との関係
一定の財産を手放す現金99万円以下などを除き、財産は換価の対象になりうる(法テラス)保険は返戻金の額しだい。残す方法もある
一部の仕事に就けない期間がある大阪地裁は「生命保険の外交員や警備員といった特定の職業」を挙げている復権まで。生命保険の募集の仕事をしている人は特に注意
信用情報に記録が残る(CICの場合)クレジット情報を「契約期間中および契約終了後5年間」保有するとしているカードが使えなくなれば、保険料の払い方を変える必要が出ることがある
官報に載る官報に、住所や氏名等が記載される(法テラス)家族の財産・仕事には影響しない(法テラス)
保証人に請求が行く自己破産の免責は保証人には及ばない(破産法253条2項)家族が保証人なら、相談のときに伝える

出典:法テラス よくある相談「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」(2026年10月時点)

一方で、返せない借金をそのままにしていれば、遅れた分の損害金がふくらみ、裁判を起こされて給料や預金を差し押さえられるおそれがあります。保険を守るために滞納を続けても、保険料を払うお金そのものが続かなくなれば、結局は失効や解約に追い込まれます。保険を残せるかどうかは、早く相談するほど選べる方法が多いです。

保険のことが心配で自己破産に踏み切れないという方は、少しでも早めに債務整理を検討するのがおすすめです。

今の状況ごとに、最短でやること

相談者

私の場合は、何からすればいいですか。

あかり

保険の中身と名義で分けて考えましょう。

今の状況最短でやること
入っているのは掛け捨ての医療保険・定期保険だけ解約返戻金がないか少ないことが多い。保険証券を持って、そのまま相談へ
自分が契約者の終身保険・学資保険がある保険会社に解約返戻金の証明書を出してもらい、金額を確認してから相談。残す方法(自由財産の拡張・介入権)を検討
妻名義の学資保険を、自分の給料から払っている名義を変えたり解約したりせず、契約者と保険料の払い方をそのまま弁護士に伝える
親が契約者で、親が払っている保険がある親の財産なので、本人の財産として処分されることはない。念のため相談のときに伝える
保険をどうしても残したい自己破産だけでなく、個人再生・任意整理も含めて、どの手続きが合うかを相談

保険を手放さずに借金を整理できる方法を知りたいという方は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。

よくある質問

Q. 自己破産したら、生命保険は必ず解約されますか。

A. 必ずではありません。問題になるのは解約返戻金という財産で、返戻金がない・少ない保険は問題になりにくいです。返戻金がある保険でも、自由財産の拡張(破産法34条4項)や、保険金受取人の家族による介入権(保険法60条2項)で残せることがあります。

Q. 親が保険料を払ってくれている保険も対象ですか。

A. 契約者があなたなら、対象に含まれます。申立ての書類に書き、返戻金の額で扱いが決まります。札幌地裁は「あなたが契約者となっている保険・共済等は、誰が保険料等を支払っているかにかかわらず、すべて書いてください。」としています。

Q. 学資保険を妻の名義に変えておけば、残せますか。

A. 申立ての前に名義を変えるのは危険です。財産の隠匿・不利益な処分と見られ、免責不許可事由(破産法252条1項1号)にあたるおそれがあります。もともと妻が契約者でも、本人の収入から保険料を払っていれば、申立ての書類に書くよう求める裁判所があります(札幌地裁)。

Q. 自己破産すると、保険会社や家族にバレますか。

A. 保険会社には、破産管財人が保険を解約する場合に解除の通知が届きます(保険法60条1項)。解約しない場合でも、申立てでは返戻金の証明書を出すため、保険会社から取り寄せることになります。家族には、手続きそのものが必ず知られるわけではありません。ただし、家族が保険料を払っている場合や介入権を使う場合は、家族の協力が必要になるので話すことになります。家族の財産が処分されることはありません(法テラス)。

Q. 自己破産した後に、生命保険に入ることはできますか。

A. 破産法に、破産した人が保険に入ることを禁じる定めはありません。加入できるかは、各保険会社の審査しだいです。ただし、保険料をクレジットカードで払っている場合は、カードが使えなくなることがあるため、払い方を変える必要が出る場合があります。

Q. 契約者貸付を受けている保険はどうなりますか。

A. 借入れの一つとして見られます。契約者貸付は、解約返戻金の一定範囲内で受ける貸付けです(生命保険文化センター)。相談のときに必ず伝えてください。自分の判断で貸付けを受けて、特定の借入先だけに返すのは、否認や免責の問題になるおそれがあります。

まとめ

自己破産と生命保険・学資保険について押さえておくことは、次のとおりです。

🔎 30秒でわかる結論

  • 自己破産で問題になるのは、保険の解約返戻金という財産(千葉地裁・大阪地裁)
  • 東京地裁は、返戻金などの換価対象資産が20万円以上ある場合を、原則として管財事件にする例に挙げている。全国共通の「残せる金額」の基準ではない
  • 家族が契約者で、家族が払っている保険は家族の財産。本人の収入から払っている保険は、申立ての書類に書く
  • 残したいときは、自由財産の拡張(破産法34条4項)・介入権(保険法60条2項)・個人再生や任意整理を検討する
  • 解約・名義変更を自分の判断でしない(破産法252条1項1号)

保険証券と解約返戻金の分かる書類、借入先の一覧を持って相談すれば、どの保険を残せるか、どの手続きが合うかを弁護士と一緒に見立てられます。解約や名義変更をする前に、まず相談してください。

借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。

(PR)

今すぐ無料相談・匿名相談OKの
窓口が見つかる!

債務整理にくわしい
無料の相談窓口を探す

相談0円 / 匿名OK / 話だけでもOK

無料・匿名で相談窓口を見る ▶

まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。

📚 出典(公的機関・法令)を見る
  • e-Gov 破産法(平成十六年法律第七十五号)34条1項・3項・4項・78条1項・162条1項・252条1項1号・8号・2項・253条2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
  • e-Gov 保険法(平成二十年法律第五十六号)60条1項・2項・89条 https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000056
  • e-Gov 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)131条3号 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • e-Gov 民事執行法施行令(昭和五十五年政令第二百三十号)1条(66万円) https://laws.e-gov.go.jp/law/355CO0000000230
  • 東京地方裁判所 民事第20部(倒産部)「よくある質問」Q3(管財事件として取り扱われる場合の例) https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section20/situmonn_tousannbu/index.html
  • 大阪地方裁判所 第6民事部(倒産部)Q6・Q14 https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/minjibu6/index.html
  • 札幌地方裁判所「破産・免責申立書の書き方と留意事項」(保険等) https://www.courts.go.jp/sapporo/vc-files/sapporo/file/hasan_saisei/R6.1_moushitatesyonokakikata.pdf
  • 札幌地方裁判所「破産・免責申立てに必要な書類一覧」(保険解約返戻金計算書又は保険証券) https://www.courts.go.jp/sapporo/vc-files/sapporo/file/hasan_saisei/R6.1_hitsuyousyoruiichiran.pdf
  • 千葉地方裁判所「破産・免責手続について-よくあるご質問・お問い合わせ-」Q6 https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/file/setsumeisho.pdf
  • 高知地方裁判所「破産申立てについて」(令和元年7月1日改訂) https://www.courts.go.jp/kouchi/vc-files/kouchi/file/hasan1-1_20190701.pdf
  • 生命保険文化センター「解約」 https://jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/96.html
  • 生命保険文化センター「配当金の引出し・契約者貸付」 https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/93.html
  • 法テラス よくある相談「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-002.html
  • 法テラス よくある相談「自己破産をすると家族の財産や仕事に影響がありますか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-007.html
  • CIC「CICが保有する信用情報」(保有期間) https://www.cic.co.jp/guide/credit-information/possession/

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(制度・数値は2026年10月時点)

PR 借金の相談は無料・匿名でできます 相談窓口を見る ▶ ×
タイトルとURLをコピーしました