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・「自己破産の書類が多すぎて、何から集めればいいかわからない」
・「通帳をなくした、源泉徴収票がない。書類が揃わないと自己破産できないのでは」
こんな不安から、自己破産の準備が止まっている人も多いのではないでしょうか?
しかし、裁判所の書類一覧は、自分に当てはまる書類を出す形になっています。秋田地裁の一覧表は、「場合を問わず提出」する書類と、当てはまる場合だけ提出する書類を、記号で分けています。さらに、揃わない書類には代わりの出し方が裁判所の資料に書かれています。たとえば通帳をなくしたなら金融機関の取引明細書、源泉徴収票がないなら市町村役場の所得・課税証明書です。
とはいえ、書類が足りないと手続きをすぐに進められず、不備を直さなければ申立書が却下されることがあるのも事実です。
本記事では、自己破産の必要書類の一覧、揃わないときの代わりの書類、通帳や給与明細は何か月分か、家族・無職の場合の書類について紹介します。
すでに弁護士から書類リストを渡された人はもちろんのこと、「書類集めが面倒で、自己破産を先延ばしにしている」という人も、何をどこまで集めればいいのかをしっかりと理解しておきましょう。

自己破産の書類リストを見たら、何十個も書いてあって……。全部そろえるなんて無理です。

全部を全員が出すわけではありません。札幌地裁の一覧は「あなたに該当する書類は、すべて」出す形で、車がなければ車検証は要りませんし、持ち家がなければ登記の書類も要りません(持ち家がないことの証明書を求める裁判所はあります)。それに、弁護士に依頼すれば、申立書などの作成は弁護士が行います(千葉地裁)。通帳や給与明細など手元にある資料はあなたが弁護士に渡し、役所の書類をだれが取るかは弁護士の指示に従えば大丈夫です。

通帳を何冊かなくしてしまっていて、源泉徴収票も見当たりません。それでも大丈夫ですか?

代わりの書類があります。通帳がなければ、金融機関で取引明細書(取引履歴)を出してもらいます。源泉徴収票がなければ、市町村役場で所得・課税証明書を取ります(新潟地裁)。どうしても出せない書類は、理由を書いた書面を出すよう案内している裁判所もあります(松江地裁)。
🔎 30秒でわかる結論
- ★法令(破産法・破産規則)で決まった添付書類は少ない。破産規則14条3項=住民票の写し(本籍の記載が省略されていないもの)、申立ての日前1か月間の収入と支出の書面、源泉徴収票の写しなど収入の額がわかる書面、財産目録。ほかに債権者一覧表(破産法20条2項)
- ★裁判所の一覧は、当てはまる書類だけを出す形。札幌地裁=「あなたに該当する書類は、すべて」/秋田地裁=◎は場合を問わず提出、○は当てはまる場合に提出
- ★揃わない書類には代わりがある。通帳→取引明細書(札幌・秋田・新潟)、源泉徴収票→所得・課税証明書(新潟)、退職金の証明→就業規則→聞き取った報告書(札幌)、賃貸借契約書→上申書(新潟)、出せない書類→理由を書いた書面(松江)
- ★期間の目安:通帳=少なくとも1年分(秋田=直近1年分/札幌・新潟は支払不能の時期の前後も)/給与明細=直近2〜3か月分(新潟・札幌・秋田)/住民票=申立て前3か月以内に発行されたもの
- ★書類集めにかかる期間の公的な目安は、確認した範囲では見当たらない。住民票などは期限があるので最後に取り、通帳の記帳は申立て直前に(秋田=申立て前1週間以内に記帳/札幌=申立て1週間前までの記帳部分)
📖 この記事でわかること
- 自己破産の必要書類一覧|法令で決まった書類と裁判所の一覧
- 全員が出す書類・当てはまる人だけ出す書類
- 通帳・給与明細は何か月分?住民票の期限は?
- 書類が揃わない・集められないときの代わりの書類
- 家族・配偶者の書類は必要?
- 無職・年金・生活保護の人の書類
- 書類集めの順番・期間と、提出した後に求められること
- 書類がめんどくさい・大変なとき|デメリットと今やること
自己破産の必要書類一覧|法令で決まった書類と裁判所の一覧

そもそも、自己破産の書類は法律で決まっているんですか?

最低限の添付書類は、最高裁判所の「破産規則」で決まっています。住民票、直前1か月の収入と支出、収入がわかる書面、財産目録です。そのうえで、各地の裁判所が、通帳や給与明細などを含めた自分の裁判所用の書類一覧を作っています。
破産法20条1項は「破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。」とし、20条2項は、債権者以外の者が申し立てるときは「最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。」としています。破産規則14条3項は、申立書に添付する書類として、個人の場合の「住民票の写しであって、本籍(本籍のない者及び本籍の明らかでない者については、その旨)の記載が省略されていないもの」、「破産手続開始の申立ての日前一月間の債務者の収入及び支出を記載した書面」、「確定申告書の写し、同法第二百二十六条の規定により交付される源泉徴収票の写しその他の債務者の収入の額を明らかにする書面」、「債務者の財産目録」を挙げています。
さらに破産規則15条は、裁判所が、申立書や添付書類のほか「破産手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。」としています。各地の裁判所の書類一覧には、通帳のコピーや保険証券なども並んでいます。札幌地裁(令和6年1月版)の一覧は、次のような構成です。
| 区分 | 札幌地裁の一覧に載っている主な書類(R6.1) |
|---|---|
| 住所・本籍 | 住民票(申立人及び同居者分。世帯全員と本籍の記載があり、マイナンバーの記載がないもの)、戸籍謄本又は全部事項証明書 |
| 収入 | 給料明細書(申立直近3か月分)、直近年度の源泉徴収票又は収入証明書、年金受給証明書・雇用保険受給資格証・生活保護決定通知書・児童(扶養)手当受給証明書など |
| 預貯金 | 預貯金通帳のコピー(申立人及び同居者分)。一括記帳・通帳なし・紛失のときは取引明細書 |
| 預貯金・不動産以外 | 保険解約返戻金計算書又は保険証券、自動車検査証又は登録事項証明書、退職金計算書又は退職金支給規程 など |
| 不動産 | 不動産の登記簿謄本又は全部事項証明書等 |
| その他 | 診断書(就労困難な場合)、家計表の支出費目に係る領収書等(家賃・電気ガス水道代・携帯電話代・保険料など)のコピー など |
※一部を抜粋しています。書類の範囲は裁判所ごとに違います。
出典:札幌地方裁判所「破産・免責申立てに必要な書類一覧」(R6.1)(2026年10月時点)
このほか、申立書・陳述書・債権者一覧表・財産目録・家計収支表など、裁判所の書式に書き込む書類があります。秋田地裁の一覧表は冒頭に「破産・免責申立てに関する陳述書」、「家計収支表(1)(2)(2か月分)」、資産目録一覧・資産目録詳細説明書、債権者一覧表、滞納公租公課一覧表を並べています。
✅ このセクションのまとめ
法令で決まった書類は、破産規則14条3項の添付書類(住民票・直前1か月の収支・収入の書面・財産目録)と、破産法20条2項の債権者一覧表です。実際には、各地の裁判所が通帳や給与明細なども含めた一覧を作っています。
自分の場合にどの書類が要るのかわからないという方は、集め始める前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
全員が出す書類・当てはまる人だけ出す書類

車も家もないのに、車検証や登記の書類まで集めないといけないんですか?

当てはまらない書類は要りません。ただし、持ち家がない場合に、不動産がないことの証明書などを求める裁判所もあります(秋田・新潟)。札幌地裁の一覧は「あなたに該当する書類は、すべて」出す形ですし、秋田地裁は◎(場合を問わず提出)と○(当てはまる場合に提出)を分けています。
札幌地裁の一覧は、冒頭で「以下の書類一覧のうち、あなたに該当する書類は、すべて申立書一式と一緒に提出してください(申立前に必ず準備してください。)。これ以外にも、個別に書類の提出を求めることがあります。」としています。秋田地裁の「個人破産申立添付書類一覧表(本人申立て用)」は、「◎・・・場合を問わず提出していただくもの」、「○・・・確認事項欄の□の項目に当てはまる場合,提出が必要なもの」と記号で分けています。紙面で確認すると、本人の列に◎が付いているのは、本籍地の記載がある住民票、(非)課税証明書又は源泉徴収票、借金の現在額を示す最新の請求書・取引明細書・残高証明書等、預貯金通帳の4つです。新潟地裁の添付資料チェックシートも、「給与を受けている場合」、「借家に住んでいる場合,駐車場を借りている場合」のように状況ごとに分かれています。
| 新潟地裁のチェックシートにある状況(同時廃止用) | 出す書類 |
|---|---|
| (全員) | 世帯全員についての住民票(本籍の記載があり、3か月以内のもの) |
| 給与を受けている | 給与明細書コピー(直近の2か月分)、源泉徴収票コピー(直近の1年分) |
| 収入がない・源泉徴収票がない | 所得・課税・控除証明書(直近の1年分) |
| 年金・生活保護・各種手当を受けている | 公的扶助の受給額を証明する通知などのコピー |
| 借家に住んでいる・駐車場を借りている | 賃貸借契約書(全部のページ)コピー |
| 預貯金がある | 預貯金通帳のコピー |
| 保険に加入している | 申立人及び世帯全員分の各種保険すべて |
| 現在就職している | 退職金の試算書又は退職金がないことの証明書 |
※一部を抜粋しています。
出典:新潟地方裁判所「破産手続開始及び免責申立書(同時廃止用)添付資料チェックシート」(2026年10月時点)
✅ このセクションのまとめ
裁判所の一覧は、自分の状況に当てはまる書類を出す形です。秋田は◎と○、新潟は状況ごとのチェックシートで分けています。住民票のように、全員が出すものもあります(秋田=◎、新潟=全員の欄)。
どの項目が自分に当てはまるか判断できないという方は、書類を集める前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
通帳・給与明細は何か月分?住民票の期限は?

通帳は何年分コピーするんですか?給与明細は何か月分?

確認できた裁判所では、通帳は少なくとも1年分、給与明細は直近の2〜3か月分です。ただ、数字は裁判所ごとに少しずつ違い、支払えなくなった時期の前後まで求める裁判所もあります。それと、住民票は、申立て前3か月以内に発行されたものが求められます(札幌地裁は役所・法務局の書類全般を3か月以内としています)。早く取りすぎると、取り直しになることがあります。
通帳について、札幌地裁の一覧は「表紙、表紙の裏及び申立て1年前から1週間前までの間の記帳部分をコピーしてください。」としています。新潟地裁の添付資料チェックシートは「支払不能認識から過去1年に遡った日付の記帳を含む通帳から申立日現在までのもので,残高にかかわらずすべての通帳のコピーを提出してください。」としています。期限について、札幌地裁の一覧は「公的機関(市区町村役場、法務局等)から発行される書類は、申立前3 か月以内に発行されたものを提出してください。」としています。
| 書類 | 裁判所の資料の記載 |
|---|---|
| 預貯金通帳 | 札幌=申立て1年前から1週間前までの記帳部分+表紙・表紙の裏/秋田=直近1年分の写し。申立て前1週間以内に記帳(末尾に記帳日を記載)/新潟=支払不能の認識から過去1年にさかのぼった日付の記帳を含む通帳から申立日現在まで |
| 給与明細 | 札幌=申立直近3か月分/秋田=直近3か月分/新潟=直近の2か月分 |
| 源泉徴収票など | 札幌=直近年度の源泉徴収票又は収入証明書/秋田・新潟=直近1年分 |
| 家計収支表(家計表) | 秋田=2か月分/札幌=申立直前の1か月分(世帯全員分) |
| 住民票など役所の書類 | 住民票=札幌・秋田・千葉・松江・新潟とも申立て前3か月以内に発行されたもの。札幌は役所・法務局が発行する書類全般を3か月以内とする(松江・新潟は登記事項証明書なども3か月以内) |
| 債権調査票 | 新潟・松江=申立て前6か月以内に回答されたもの |
※札幌(R6.1)・秋田・新潟(令和3年2月改訂ほか)・千葉・松江の資料から。申し立てる裁判所の一覧で確認してください。
💡 通帳は「全部の口座」が対象
札幌地裁は、通帳について「申立前1年以上の記帳があることのほか、支払不能を認識した時期の前後の記帳があることを確認してください。」とし、給与や公的扶助の振込、ローンの返済、公共料金の引落しなどに使っている口座を「看過しないようにしてください。」としています。使っていない口座も含めて、持っている口座を書き出しておきましょう。
✅ このセクションのまとめ
通帳は少なくとも1年分、給与明細は2〜3か月分、家計表は1〜2か月分が目安です。住民票は申立て前3か月以内に発行されたものが必要なので、取る時期に注意します。
通帳の期間や口座の数が多くて整理できないという方は、記帳を始める前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
書類が揃わない・集められないときの代わりの書類

揃わない書類があったら、自己破産はできないんですか?

揃わないことだけで、すぐに道が閉じるわけではありません。よくある「揃わない」には、裁判所の資料に代わりの出し方が書かれています。ただし、松江地裁は書類の不備で申立てが却下・棄却されることもあると書いています。揃わないものは隠さず、代わりの書類や理由の説明で埋めるのが大切です。
通帳について、札幌地裁は「通帳のコピーを提出できない預貯金口座(例えば、通帳の紛失、不発行等)や通帳に一括記帳部分(長期間にわたり記帳がなかったため、複数の出入金が合算されて記帳された部分)がある預貯金口座については、必ず取引明細書を取り寄せて提出してください。」としています。退職金については、勤務先からの証明書が取りにくい場合、「就業規則(退職金支給規程)を確認して、退職金の支給の有無及び額を記載し、資料として就業規則(退職金支給規程)を提出してください。これも困難な場合には、経理担当者や上司、同僚から支給実績等の事情を聴取して計算した報告書を提出してください。」としています。
| 揃わない書類 | 代わりの出し方(裁判所の資料から) |
|---|---|
| 通帳をなくした・発行されていない・一括記帳がある | 金融機関の取引明細書(札幌・秋田・新潟) |
| 源泉徴収票がない | 所得・課税・控除証明書(住所地の市町村役場。新潟) |
| 退職金の証明書を会社に頼みにくい | 就業規則(退職金支給規程)→それも困難なら、経理担当者や上司・同僚から聞き取って計算した報告書(札幌) |
| 賃貸借契約書がない | 契約内容を説明した上申書(新潟) |
| 給与の入金や家賃・光熱水費・電話代が通帳に出ない | 上申書で受け取り方・支払い方を説明し、裏付け資料を出す(札幌) |
| 金融業者が「利息制限法の利率に計算し直した計算書」を出してくれない | 「金融業者の協力が得られない場合は、弁護士・司法書士に依頼することをご検討ください。」(千葉) |
| どうしても出せない書類 | 「必要な書類が提出できない場合は、その理由を書いた書面を提出してください。」(松江) |
⚠️ 不備は放置しない
松江地裁は「書類に不備があると、申立てが却下されたり、棄却されたりすることがあります。」としています。破産法21条は、申立書に必要な事項が書かれていないときや手数料を納めないときについて、裁判所書記官が相当の期間を定めて補正を命じ、申立人が補正しないときは、裁判長が命令で「破産手続開始の申立書を却下しなければならない。」と定めています。揃わない書類を放っておかず、代わりの書類か理由の説明で埋めておきましょう。
✅ このセクションのまとめ
通帳は取引明細書、源泉徴収票は所得・課税証明書、退職金は就業規則や報告書、賃貸借契約書は上申書と、揃わない書類には代わりの出し方があります。出せない書類は理由を書いた書面で説明します(松江地裁)。
揃わない書類がいくつもあって困っているという方は、手続きを止めてしまう前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
家族・配偶者の書類は必要?

家族には内緒にしたいんです。配偶者や同居の親の書類も出さないといけませんか?

裁判所によっては、同居家族の書類も求められます。確認した5つの裁判所は、いずれも世帯全員の記載がある住民票を求めていて、札幌地裁などは家計表も世帯全体で書くよう求めています。どこまで求められるかは裁判所によって違うので、家族にどう話すかも含めて、最初に弁護士に相談しておくのがいちばんです。
札幌地裁(R6.1)の一覧は、収入関係を「申立人と同居者の収入に関する書類」とし、預貯金通帳のコピーも「申立人及び同居者分」としています。秋田地裁の一覧表は、「本人」「配偶者」「同居親族」の列に分かれていて、紙面で確認すると、(非)課税証明書又は源泉徴収票は3つの列とも◎、預貯金通帳は本人が◎・配偶者が○です。千葉地裁は住民票について「「世帯全員のもの」(同居者全員のもの)」としています。新潟地裁は、公共料金などが「申立人の配偶者や家族の口座から引き落とされている場合,その通帳コピーが必要になります。」としています。
| 裁判所 | 家族・同居者に関係する書類 |
|---|---|
| 札幌(R6.1) | 住民票(同居者分も)、同居者の収入に関する書類(給与明細3か月分・源泉徴収票等)、同居者の通帳のコピー、配偶者・同居者の車検証 |
| 秋田 | 住民票は世帯全員の記載のあるもの/(非)課税証明書又は源泉徴収票=本人・配偶者・同居親族とも◎/預貯金通帳=本人◎・配偶者○ |
| 千葉 | 住民票は「世帯全員のもの」(同居者全員のもの) |
| 新潟 | 世帯全員の住民票。公共料金等が配偶者や家族の口座から引き落とされていれば、その通帳コピー |
✅ このセクションのまとめ
同居家族の書類をどこまで出すかは裁判所によって違いますが、住民票や収入の書類、通帳などで同居者の分が求められることがあります。
家族の書類をどう頼めばいいか悩んでいるという方は、家族に話す前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
無職・年金・生活保護の人の書類

今は無職で、給与明細も源泉徴収票もありません。何を出せばいいんですか?

無職なら、市町村役場で取る所得・課税証明書(非課税証明書)が中心です。新潟地裁は、無職の人と源泉徴収票のない人には、これを必ず出すよう求めています。年金や生活保護、雇用保険を受けているなら、その受給を証明する書類を出します。
新潟地裁(令和3年2月改訂)は、添付書類の「市県民税証明書(所得課税扶養証明書,所得証明書)などの保険料控除等が記載されているもの(納税額だけの証明ではありません)。」について、「無職の方,源泉徴収票のない方は必ず提出して下さい。」としています。札幌地裁の一覧は、収入関係の書類として「年金受給証明書又は年金支払通知書のコピー」、「雇用保険受給資格証のコピー」、「生活保護決定通知書又は生活保護受給証明書のコピー」、「児童(扶養)手当受給証明書のコピー」を挙げています。
| 状況 | 主な書類(裁判所の資料から) |
|---|---|
| 無職・源泉徴収票がない | 所得・課税証明書など(新潟は「必ず提出」) |
| 年金を受けている | 年金受給証明書又は年金支払通知書(札幌)/年金受給者証(秋田) |
| 雇用保険を受けている | 雇用保険受給資格証(札幌)/雇用保険受給者証(秋田) |
| 生活保護を受けている | 生活保護決定通知書又は生活保護受給証明書(札幌)/生活保護受給者証(秋田) |
| 働けない病気・けががある | 診断書(札幌・新潟) |
💡 法テラスの審査書類は別
弁護士費用を法テラスで立て替えてもらう場合は、裁判所に出す書類とは別に、法テラスの審査のための書類があります。法テラスの「審査に必要な書類について」は、無職の場合の例として「非課税(所得)証明書」、「雇用保険受給者証明書」、「離職票」、「解雇通知」を、生活保護受給者は「生活保護受給証明書」などを挙げています。
✅ このセクションのまとめ
無職の人は所得・課税証明書、年金・雇用保険・生活保護を受けている人はその受給を証明する書類が中心です。法テラスを使う場合は、審査用の書類が別にあります。
無職で費用の工面も不安という方は、書類集めと一緒に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
書類集めの順番・期間と、提出した後に求められること

書類集めには、どれくらい時間がかかりますか?出したら、それで終わりですか?

書類集めにかかる期間の公的な目安は、確認した範囲では見当たりませんでした。集める書類の数は人によって違うので、一律には言えません。出した後も、裁判所から追加の書類を求められることがあります。取り寄せに時間がかかる書類から頼み、期限のある住民票などは最後に取るのがコツです。
順番について、札幌地裁は「申立書を書く前に、必ず別添「破産・免責申立てに必要な書類一覧」の書類を準備してください。これらの書類が手元にないと正確に書くことができません。」としています。高知地裁(平成25年10月改訂)も、「「破産申立添付資料等一覧表」で申立てに必要な資料を確認,収集してください。」としたうえで、申立書は「収集した資料を確認したうえで,記載してください。」としています。
| 順番の例 | やること | 理由(資料の記載) |
|---|---|---|
| 1 | 裁判所の書類一覧(弁護士のリスト)で、自分に当てはまる書類に印を付ける | 「あなたに該当する書類は、すべて」(札幌) |
| 2 | 取り寄せに時間がかかるもの(取引明細書、借入先の取引履歴、退職金の証明など)を先に頼む | 代わりの書類が要る場合も先にわかる |
| 3 | 手元にある資料を見ながら申立書・陳述書・家計表を書く | 「書類が手元にないと正確に書くことができません」(札幌) |
| 4 | 申立て直前に、住民票などの役所の書類を取り、通帳を記帳する | 住民票などは申立て前3か月以内に発行されたもの。通帳は申立て直前に記帳(秋田=申立て前1週間以内) |
※順番は、本記事が裁判所の資料の記載をもとに整理した例です。依頼した弁護士の指示を優先してください。
出した後について、松江地裁は「申立書類の内容によっては、必要に応じて「申立書提出前点検表」に書かれていない書類の提出を改めて求めることがあります。」としています。高知地裁は、同時廃止として受け付けた後に管財事件として進めることになれば、「追加して申立書や提出資料一式のコピー,郵便切手,予納金(表紙に記載のとおり)も必要になります。」としています。破産法250条2項は、免責について裁判所や管財人が行う調査に「協力しなければならない。」と定めています。
申し立ててから手続きが終わるまでの期間は、千葉地裁が「概ね最短で3、4か月程度です。ただし、個人の事情によって、かかる期間は異なります。」、大分地裁(令和元年10月版)が「破産申立てから免責許可決定が確定するまで少なくとも4か月くらいかかります。破産管財人を選任するケースだと通常は6か月以上の期間を必要とします。」としています。どちらも、書類を出して申し立てた後の期間です。
✅ このセクションのまとめ
書類集めの期間の公的な目安はありません。書類一覧で当てはまるものを確認し、取り寄せに時間がかかる書類から頼み、期限のある住民票などは最後に取ります。提出後も追加の書類を求められることがあります。
書類集めがなかなか進まないという方は、期限のある書類を取る前に、少しでも早めに弁護士などの専門家に相談してください。
書類がめんどくさい・大変なとき|デメリットと今やること

正直、めんどくさくて手が止まっています。自分でやるのは大変なんですよね?

自分ひとりで全部やるのは、たしかに大変です。札幌地裁は、本人で申し立てる人には来庁して書式を受け取ってもらう運用で、不足があれば再度来庁してもらうことがあると書いています。弁護士に依頼すれば、申立書などの作成や債権者との対応は弁護士が行います(千葉地裁)。あなたの作業は、弁護士の指示に沿って、手元の資料を渡すなどの準備が中心になります。
札幌地裁は、本人申立ての書式について「本人申立用書式一式の電子データは、ウェブサイトに掲載していませんので、来庁して書式の交付を受けてください。」としています。書類については「その際に書類の不足や記入漏れ等があれば、直した上で再度来庁していただくことがありますので、あらかじめご了承ください。」とあります。秋田地裁の一覧表にも「不足書類があると再度来庁してもらわなければなりません。」と書かれています。なお、確認した範囲では、東京地裁民事第20部と大阪地裁第6民事部のウェブページに、本人申立て用の書類一覧は見当たりませんでした。
借金の資料集めについて、千葉地裁は、銀行・信用金庫以外の金融業者からは「利息制限法の利率に計算し直した計算書」を取り寄せるよう案内したうえで、「金融業者の協力が得られない場合は、弁護士・司法書士に依頼することをご検討ください。」としています。弁護士に依頼した場合については、「申立人の代理人として,申立書等の作成,債権者との対応,裁判官との面接への立会いなどを行います。」としています。大阪地裁は、管財事件の費用について「弁護士に依頼して破産の申立てをする場合は最低20万円,弁護士に依頼しないでご本人が破産の申立てをする場合は最低50万円の用意を求めています。」としています(弁護士費用は別)。
| 覚悟しておくこと | それでも動いたほうがいい理由 |
|---|---|
| 書類の数が多く、手元の資料(通帳・給与明細など)は自分で探して渡す必要がある | 当てはまらない書類は不要(札幌・秋田)。揃わない書類には代わりがある |
| 同居家族の書類が要る裁判所がある(札幌・秋田・千葉・新潟) | 何をどう頼むかを先に弁護士と決めておける |
| 書類に不備があると申立てが却下・棄却されることがある(松江) | 不足は補正や理由の説明で埋められる |
| 出した後も追加の書類を求められることがある(松江・札幌) | 依頼していれば、追加の求めにも弁護士に相談しながら対応できる |
| 今の状況 | 最短でやること |
|---|---|
| まだ相談していない | 手元にある通帳、借入先がわかる請求書やカード、給与明細を持って無料相談へ。書類を全部そろえてから相談する必要はない |
| 依頼済みで、書類が揃わない | 揃わない書類と理由を弁護士に伝え、取引明細書・課税証明書・報告書などの代わりの出し方を相談する |
| 家族の書類が要ると言われた | 家族にどう説明するか、どの書類が本当に要るかを弁護士と確認してから頼む |
| 無職・生活保護で費用も不安 | 課税証明書や受給証明書をそろえ、法テラスの立替えが使えるかを相談する |
✅ このセクションのまとめ
本人で申し立てると、書類の不足で再度の来庁になることもあります(札幌・秋田)。弁護士に依頼すれば申立書等の作成や債権者との対応を任せられ、あなたの作業は、弁護士の指示に沿って手元の資料を渡すなどの準備が中心になります。
書類の多さや費用が気になって動けないという方は、少しでも早い段階で弁護士などの専門家に相談してください。
よくある質問
Q. 自己破産の書類集めには、どのくらいの期間がかかりますか。
A. 確認した範囲では、書類集めにかかる期間の公的な目安は見当たりません。集める書類の数は、収入・財産・家族の状況で変わります。取引明細書や借入先の取引履歴、退職金の証明など、取り寄せに時間がかかるものから先に頼みましょう。
Q. 住民票は早めに取っておいたほうがいいですか。
A. 早く取りすぎないほうが安全です。札幌・秋田・千葉・松江・新潟の資料は、住民票を申立て前3か月以内に発行されたものとしていて、早く取ると期限が切れることがあります。申立ての時期が見えてから取りましょう。いずれも、世帯全員の記載がある住民票を求めています。
Q. 書類を提出した後に、何か求められることはありますか。
A. 松江地裁は、申立書類の内容によって、点検表にない書類の提出を改めて求めることがあるとしています。札幌地裁の一覧にも「これ以外にも、個別に書類の提出を求めることがあります。」とあります。管財事件に切り替わる場合は、追加の書類や予納金が必要になることもあります(高知地裁)。
Q. 弁護士に頼んでも、自分で集める書類はありますか。
A. あります。通帳や給与明細など、手元にある資料は弁護士に渡すことになります。住民票などの役所の書類は、弁護士が取得を代行する場合もあるので、弁護士の指示に従ってください。千葉地裁は、弁護士に依頼した場合、弁護士が申立書等の作成、債権者との対応、裁判官との面接への立会いなどを行うとしています。
Q. 通帳を記帳したら、借入れの返済やギャンブルの出金が残っています。隠せますか。
A. 隠してはいけません。札幌地裁は、あなたと同居者名義のすべての預貯金口座について通帳のコピー(一括記帳や紛失なら取引明細書)を求めています。破産法252条1項は、書類の隠滅・偽造や、裁判所の調査でのうその説明を免責不許可事由にしています。気になる出金は、そのまま弁護士に見せて説明の仕方を相談してください。
まとめ
自己破産の必要書類について、押さえておくことは次のとおりです。
🔎 30秒でわかる結論
- 法令で決まった添付書類は、住民票・直前1か月の収支・収入の書面・財産目録(破産規則14条3項)と債権者一覧表(破産法20条2項)。各地の裁判所が通帳なども含めた一覧を作っている
- 一覧は、当てはまる書類だけを出す形(札幌・秋田・新潟)。全部を全員が出すわけではない
- 揃わない書類には代わりがある。通帳→取引明細書、源泉徴収票→所得・課税証明書、退職金の証明→就業規則や報告書、賃貸借契約書→上申書、出せない書類→理由を書いた書面
- 通帳は少なくとも1年分、給与明細は2〜3か月分、住民票は申立て前3か月以内に発行されたもの。同居家族の書類が要る裁判所もある
- 書類集めの期間の公的な目安はない。書類に不備があると申立てが却下・棄却されることがあるので(松江地裁)、揃わないものは早めに代わりの書類か理由の説明で埋める
手元にある通帳(なくした口座はその銀行名だけでも)、借入先がわかる請求書やカード、給与明細、家族と同居しているかどうかのメモを持って相談すれば、どの書類が要るのか、揃わない書類をどう埋めるか、家族にどう頼むかを、弁護士と一緒に決められます。書類の多さで止まっているなら、全部そろえる前に話してください。
借金に関する相談は、無料で受け付けている窓口が多くあります。まずは話だけでも聞いてみるのがおすすめです。
📚 出典(公的機関・法令)を見る
- e-Gov 破産法(平成十六年法律第七十五号)20条・21条・250条2項・252条1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
- 破産規則(平成16年最高裁判所規則第14号)14条・15条(裁判所ウェブサイト掲載の規則集) https://www.courts.go.jp/assets/080521hasannkisoku.pdf
- 札幌地方裁判所「破産・免責申立てに必要な書類一覧」(R6.1) https://www.courts.go.jp/sapporo/vc-files/sapporo/file/hasan_saisei/R6.1_hitsuyousyoruiichiran.pdf
- 札幌地方裁判所「破産・免責申立書の書き方と留意事項」(R6.1版) https://www.courts.go.jp/sapporo/vc-files/sapporo/file/hasan_saisei/R6.1_moushitatesyonokakikata.pdf
- 札幌地方裁判所「破産」(申立てに必要な書類・書式の掲載について) https://www.courts.go.jp/sapporo/saiban/hasan/index.html
- 秋田地方裁判所「個人破産申立添付書類一覧表(本人申立て用)」 https://www.courts.go.jp/akita/vc-files/akita/file/02tenpushorui.pdf
- 新潟地方裁判所「自己破産申立について(説明と書き方)」(令和3年2月改訂) https://www.courts.go.jp/niigata/vc-files/niigata/file/30205001.pdf
- 新潟地方裁判所「破産手続開始及び免責申立書(同時廃止用)添付資料チェックシート」 https://www.courts.go.jp/niigata/vc-files/niigata/file/30205007.pdf
- 千葉地方裁判所「破産・免責手続について-よくあるご質問・お問い合わせ-」(R1.9改訂) https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/2025/syoshiki/hasan-yokuarushitsumon.pdf
- 松江地方裁判所「破産・免責手続のあらまし」「破産申立書(個人用)等の記入要領」 https://www.courts.go.jp/matsue/vc-files/matsue/2023/20240115_hasanzikensyosiki/1_hasantetudukinoaramashi_moushitateshokinyuuyouryou.pdf
- 高知地方裁判所「破産申立てについて」(平成25年10月1日改訂) https://www.courts.go.jp/kouchi/vc-files/kouchi/file/1001hasan1-1.pdf
- 大分地方裁判所「債務整理の方法についてのQ&A」(令和元年10月1日版) https://www.courts.go.jp/oita/vc-files/oita/file/R1.10.1saimuseiri-q-a.pdf
- 大阪地方裁判所 第6民事部(倒産部)Q&A https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/minjibu6/index.html
- 東京地方裁判所民事第20部「よくある質問」 https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section20/situmonn_tousannbu/index.html
- 法テラス「審査に必要な書類について」 https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/document.html
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。(書類の範囲・期間は各資料に記載の時点のもので、2026年10月に公開資料を確認しました。申し立てる裁判所の一覧と運用は、依頼する弁護士または各裁判所に確認してください)
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